あなどれないコンビニコーヒー

来週土曜日4月13日は「喫茶店の日」です。この「喫茶店の日」は、今から129年前の明治21年(1888年)4月13日に、東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館」が開業したことに由来します。

日常生活で喫茶店必要不可欠だという人も少なくないでしょう。しかし、人々の生活様式や消費行動が大きく変わる中で、喫茶店の位置付けも大きく変わってきているように思われます。

まず、1970年代歌謡曲の曲名や歌詞で頻繁に登場した「喫茶店」という言葉そのものが、ほとんど“死語”になった印象があります。既に、“コーヒー屋さん”という一般抽象的な言葉を使う時代は過ぎ、“スタバ”とか“ドトール”といったチェーン店名を使うのが普通になっているような気もします。

「LIMO[リーモ]の今日の記事へ」

日本国内における喫茶店の数は35年間で▲57%の激減

ところで、日本国内における喫茶店の数はどうなっているのでしょうか?

全日本コーヒー協会の統計資料によると、喫茶店の「事業所数」は、1981年の15万4,630をピークに減り続けており、直近の2016年は6万7,198となり、前回(2014年は6万9,983)に続いて7万割れとなっています。残念ながら2016年以降はデータの更新がありませんが、それから2年が経った現在(2018年末)では、もう少し減っている可能性が高いと見られます。

また、喫茶店の従業員数は、同じく1981年の57万6千人をピークに、2016年は約32万9千人へ減少しました。なお、前回(2014年)から2年間で約▲1万人の減少です。

ただ、中期的にみれば、事業所数より減少ペースが緩やかであることから、喫茶店の大型化(マス・マーチャンダイジング化)を推測することができます。こちらも2016年以降のデータ更新がありませんが、傾向は大きく変わっていないでしょう。

拡大傾向が続くスタバやドトールなどのチェーン店

一方、前述したコーヒーチェーン店は今も拡大が続いています。1997年末にわずか18店舗だったスタバは現在1,415店舗、ドトール1988年の約200店舗が現在は約1,327店舗(注:ドトール以外のブランド含む、海外含まず)へと増加しています。タリーズや上島珈琲なども成長が続いている模様です。

ということは、単純に考えると、漸減が続く喫茶店の多くは、昔ながらのいわゆる“純喫茶タイプということが容易に推測できます。確かに、そういう喫茶店を見る機会が少なくなりました。しかし、若年世代にとっては、チェーン店を始めとする今の喫茶スタイルが当たり前なのかもしれません。

コンビニなど他業種の商品力向上も見逃せない要素

昔ながらの純喫茶店が苦境に追い込まれた大きな理由の1つは、こうした手頃な価格で急成長してきたチェーン店との競争でしょう。しかし、こうしたチェーン店だけでなく、コンビニファストフード店によるコーヒーの商品力向上も見逃せません。特に、コンビニイートインコーナーを増設しており、今後も喫茶店の強力なライバルになると考えられます。

静かな音楽が流れる中で、備え付けの新聞や雑誌を読んで自分自身の時間を満喫できる、昔ながらの喫茶店に未来はないのでしょうか。

国内のコーヒー市場は成長が続く

一方、やや意外かもしれませんが、日本国内のコーヒー消費量は拡大し続けており、2013~2016年は4年連続で過去最高を更新しました。2017年はやや減少したものの、2018年実績(約47万トン)は再び増加に転じており、過去最高だった2016年実績(約47万2千トン)に迫る消費量でした。

ちなみに、2017年の消費量46万4千トン(生豆換算)は、緑茶の6倍弱、紅茶の約30倍に上っています。特に、近年では緑茶の衰退が著しく、統計を見る限り、緑茶需要がコーヒーシフトしていると推察できます。

昔ながらの喫茶店の新たな取り組みに期待

もちろん、家や職場でコーヒーを飲む需要が高まったこともあります。それを含めて、人口減少が始まったにもかかわらず、今も日本のコーヒー市場は成長市場なのです。昔ながらのレトロ喫茶店も、今後復活できるチャンスがないと簡単には言い切れないでしょう。客数回復に向けた喫茶店の新たな取り組みに期待しながら、「喫茶店の日」にはぜひ、外でコーヒーを嗜みたいものです。