TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月1日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーではキャスタージャーナリストの岸田雪子さんが、ネット時代で深刻化するいじめの問題について持論を語りました。

◆9割が「いじめ」を経験

福岡県久留米市の県立高校野球部に所属していた2年の男子生徒が昨年6月、いじめを受けていたことを示唆するメモを残し、自殺していたことが分かりました。県教育委員会の第三者委員会によると、自殺した当日、主将が発表する予定だった夏の高校野球福岡大会の対戦相手を後輩らに先に話したことを非難され、同級生から無料通信アプリLINE』のグループから外されるいじめを受けたと認定。それが引き金となり、衝動的に自殺に至ったと結論づけています。

いじめの問題を10年ほど取材している岸田さんは、国立の研究所が小学校4年生から中学校3年生まで行なった追跡調査を紹介。それによると、次のような驚きの結果になったといいます。

「9割の子どもたちが、いじめを経験しているんです」


◆被害者と加害者が入れ替わる

かつてのいじめは、いじめっ子が中心となって特定の誰かをいじめるというイメージでしたが、「今の子どもたちは、いじめる側・いじめられる側が、どんどん入れ替わるのが特徴」と解説。いじめていた子が、次はいじめられる。いじめられていた子が、次はいじめる側に回る。その結果、9割の子どもたちが、どちらかの立場でいじめを経験してきたと言います。

いじめの方法も変わってきています。「殴る」「蹴る」といった暴力を伴うものではなく「仲間外れや無視、陰口といった、いわゆる『非暴力のいじめ』であることが特徴です」と指摘。それがSNSなど、ネット上で行われるケースもあり、教師や親が気づきにくい構造ということも問題を深刻化させています。岸田さんによれば「SNSのいじめも、教室や学校の中において同時進行で行われ、ネットだけで行われることは、ほぼありません。実社会の中での変化に目を配ることが大事」と周囲がより気を配る必要を説きました。

福岡の事案では、4月頃から集団で服やズボンを脱がされるといったいじめがあったそうです。亡くなった少年は『いじられキャラ』だったとの指摘もあり、岸田さんはこう言葉に力を込めます。

「“いじり”だから“いじめじゃない”という発想は非常に危険です」


笑いの延長線上でいじめが常態化し、被害者が相談しにくい。また、教師らから見ても、遊んでいるように見えて介入しにくいという難しさがあります。ただでさえ「子どもにとって学校は世界そのもの。教室はいつも同じメンバーで、人間関係が固定化して閉鎖的です。子どもたちは、その環境を自分で変えることができないため、この苦しい状況がずっと続くと思い込んでしまいがち」と岸田さん。自殺に至るほど、精神的に追い込まれる要因だといいます。


◆学校内での環境変化が必要では

自身も小学生のお子さんを持つ弁護士の田上嘉一さんも、「こういう話を聞いていると、ウチの子もいじめに遭っていないかと思ってしまう」と心配顔。「やっぱり長時間一緒にいることでいじめが起きやすいと思うので、授業によってクラスを変えたり、他の学校と交流したりといったことをやっていかないと、根本的になくならないと思う」と提案しました。

最後に岸田さんは、真剣な眼差しでこう語りかけました。

「誰でも、傷つけられずに生きる権利があります」


加害者、被害者が入れ替わる状況では“加害者にならない”ということも、とても大切です。「傷つけられずに生きる権利を誰も侵してはいけない。親が侵せば虐待ですし、友達が侵せばいじめになります。このことを子どもたちに伝えていきたい」と話しました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイトhttp://s.mxtv.jp/morning_cross/

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