2019年3月に全米で放送された米HBOドキュメンタリー『Leaving Neverland (原題)』(リーヴィング・ネバーランド)で、故マイケル・ジャクソンから性的虐待を受けたと語った男性2名、ウェイド・ロブソンとジェームズ・セーフチャックの体験談の信憑性について、マイケルの親族などが真っ向から反論しているドキュメンタリー映像がYouTubeで公開された。

 『Neverland Firsthand: Investigating the Michael Jackson Documentary (原題)』と題された30分の映像では、ジャーナリストのリアム・マキューアン(Liam McEwan)が、マイケルの姪のブランディー・ジャクソン(Brandi Jackson)、長年テクニカル・ディレクターを務めたブラッド・サンドバーグ(Brad Sundberg)、そして甥のタージ・ジャクソン(Taj Jackson)などから話を聞いている。

 ブランディー・ジャクソンは、ウェイド・ロブソンとは子どものころからの知り合いで、彼女が9歳だった1991年に出会った。その後2人は親友同士になり、やがて10年間恋愛関係にあった。彼女によると、「彼が17、18歳くらいになるまでは何も問題はなかった。彼の態度が変わったことに気付いたのがそのころで、彼は浮気をするようになった」とのことで、「これらのことについて彼に問いただすと、“いいや、それは本当じゃない”と話していた。いつも嘘をついていた。(浮気を)否定していた」と彼女は語っている。
 
 また彼女は、ロブソンの人柄について、「彼は昔からご都合主義的な一面を持っていた。さまざまな状況において、自分が経済的に有利になるような位置に身を置くのがうまい。ほかの仕事がうまく行かなくなったから、これが彼の次の販路だったのだろう」と話している。ブランディーとロブソンが付き合っていたことは『Leaving Neverland 』では語られていない。このことについて彼女は、「彼が主張しようとしていることの信用を落とすから。自分の人生から10年間も消してしまえると彼が思っているところが非常に興味深い」とコメントしている。

 37歳になったマイケルの姪がロブソンに直接言えるとしたら、「嘘をつくのをやめろって言う」そうだ。「彼が何故こんなことをしているのかには興味がない。ただやめてほしいだけ。意義のある存在になりたいからだろうが、お金がすごく必要だからだろうが、彼の理由はどうでもいい。これらの嘘はやめるべきだ。許されることじゃない。私のおじは彼の面倒をみていたし、彼の家族にもよくしてあげていた」と彼女は語っている。

 テクニカル・ディレクターだったブラッド・サンドバーグも、スタジオにいた時に自分の周りで児童虐待が行われていたと疑うようなことは一切なかったと断言している。「マイケル・ジャクソンの近くに、苦悩していたり、傷つけられていたり、虐待されているように見える子どもを見たことなんて一度たりともなかった。“あの部屋ではまったく何もなかった”と聖書に手をおいてまでは言えない。ただ、何か悪事が行われていたような様子はなかったよ」と彼は電話で話している。

 甥のタージ・ジャクソンは、『Leaving Neverland 』で取り上げられていた、ロブソンとセーフチャック宛に書かれていたマイケルからの手紙は、特筆すべきものではないことを強調している。「自分も含めて何十人もこれらのメモを持っているだろう。僕も持っていたし、僕の兄弟も持っていた。(マイケルは)そういう人だったんだ、自分の言葉が助けになるとか刺激になると思えば手紙を書いてくれるような人だった。全然特別なことじゃなかったけれど、文脈を間違えれば……彼のことや前後関係を知らない人だったら変だって思うかもしれない」と彼は明かしている。

故マイケル・ジャクソン、親族などによる反論をまとめたドキュメンタリー『Neverland Firsthand』が公開