まことに残念な日本の状態

どういう指標をとってもこういう残念な有様しか浮き彫りにならないのだが、例えば平成初めの日本のGDPは全世界の15%を占めていたが今は6%まで縮んだ。

1人当たりGDPを見ても(1人当たりGDP)、1990年には、北欧諸国などには負けるので世界では第9位だが主要先進7カ国(G7)の内では米国を上回って第1位。さらに2000年には世界でもルクセンブルグに次いで第2位、G7内で第1位の堂々たる地位を極めたけれども、2010年では急落し世界第18位G7内2位となり、2017年に至るや世界第25位、G7内ではかろうじてイタリアを上回って6位というところまで落ちてしまった。

成長力ランキングでも、今は全世界164位でアジアで見ると17位である(日本の成長力は世界で、アジアで何番目?)。

もっとガッカリするのが国連が毎年発表する「世界幸福度ランキングで、日本は58位の、言ってみれば、中程度の国だということである(国連の世界「幸福度」ランキングで日本は?)。この幸福度ランキングで見ると、すぐ下にいるのはホンデュラス、カザフスタンボリビアハンガリーパラグアイ、北キプロスなどで、すぐ上にいるのはモーリシャスジャマイカエストニア、韓国、ラトビア、タイなどである。

いろいろな指標をとって、それでもなお日本が中程度かそれ以下であるというのは、まことに残念なことではあるけれども、問題はそのこと自体ではなくて、日本人のほとんどが日本の国際社会の中でのステータスがそれほど低くなってしまったとは思ってはおらず、未だに40年前の「ジャパン・アズ・ナンバーワンという虚偽意識を引き摺りながらアジアや世界に対処しようとしていることである。

例えばの話、幸福度ランキングで58位でしかない日本人が、54位の韓国の人たちに向かって偉そうなことを言ってヘイトスピーチまで投げつけるというのは、ほとんどお笑いで、先方からは「何を勘違いしているの?あなた方」とせせら笑われてしまうようなことなのであるけれども、当の日本人は外からそのように見られているとは自覚していない。この意識の恐るべき内外ギャップが平成末の日本が抱える大問題である。