冬の間は乾燥に注意した生活を送りますが、桜が咲く春になっても冬と同様、空気は乾燥しています。
その理由は、春独特の移動性高気圧が関係しているといわれています。日本に影響をおよぼす気団は全部で5つありますが(冬のシベリア気団、夏の小笠原気団、赤道気団、梅雨の時期のオホーツク気団)、そして、春と秋の移動性高気圧は揚子江気団と呼ばれ、その名の通り中国揚子江で発生し、暖かく乾燥した性質をもっています。
すでに加湿器を片付けてしまった方の中に、肌、目、髪など、体の乾燥が気になる方はいませんか? そこで今回は、春の簡単加湿法を紹介しましょう。

加湿におすすめなアジアンタム

加湿におすすめなアジアンタム


洗濯物は、部屋干しして“らくらく加湿”を!

生活習慣の中で自然とできる加湿方法の代表ともいえる方法が「洗濯物の部屋干し」です。春の大気には花粉や黄砂などが含まれているので、洗濯物を屋外に干すとそれらの物質が衣類に付着する可能性があります。アレルギーの観点からも、加湿をする観点からも、春は部屋干しがおすすめなんです。
でも、部屋干ししたときの「におい」が気になる方も多いことでしょう。
部屋干しの原因は「生乾き」による雑菌の繁殖ですから、洗濯物を室内に干すときには乾きやすいものに限定して、大物(毛布やバスタオルなど)や、生地が厚手の乾きにくい衣類は室内に干さず、浴室内か屋外に干すようにしましょう。
また、衣類を洗濯ハンガーにかけるときは、間隔を空けて干し、空気(風)の通り道を作ると、生乾きのいやな臭いが軽減します。
さらに最近は、部屋干し用の洗剤や、香りつき柔軟剤などが充実していますので、それらの洗濯グッズを利用すると、「におい」を軽減させる効果が期待できます。

乾きやすいものが部屋干しにおすすめ

乾きやすいものが部屋干しにおすすめ


加湿+癒やし+インテリアとして有能な観葉植物

私たちの目には見えないのですが、植物は「蒸散」という働きを行っています。蒸散とは、植物の中にある水分が、水蒸気となって空気中に発散される状態のこと。
この蒸散という働きによって、他の室内と比較したときに、植物の周りの湿度は高くなっているといわれています。
ただし、植物にはいろいろな性質があり、加湿効果を期待できる観葉植物=乾燥が苦手な植物となります。そうした観葉植物の代表選手が、カラテア、エバーフレッシュ、アジアンタムなど。
いずれも見た目がきれいな植物ですが、乾燥が苦手な植物だけあり、適量の水をこまめにあげないといけません。霧吹きなどで葉水を与えれば自然と加湿ができますし、癒やし効果+季節の変わり目の部屋のイメチェンにも有効ですね。

乾燥が苦手な植物。左/アジアンタム、右上/カラテア、右下/エバーフレッシュ

乾燥が苦手な植物。左/アジアンタム、右上/カラテア、右下/エバーフレッシュ


春でもおいしい鍋料理

まだまだ夜は肌寒い日が多いこの季節。ご飯はんを食べながら部屋の加湿ができたら、まさに一石二鳥! もちろんキッチンのコンロで鍋に火をかけるのもよいのですが、食卓にカセットコンロを置いて鍋をすると、室内の加湿効果が高まります。
鍋は一定の時間、火にかける状態が続くため、わりと長時間蒸気を発生させることができます。鍋を囲むことで、なんと1時間に室内の湿度が6%ほどアップするともいわれています。これは、かなりのアップ率ですよね。
部屋の状況によって数値に差は出ますが、野菜や旬の食材で滋養をとりながら体があったまるうえ、室内を加湿できるなんて願ったり叶ったりですね。
── 私たちが快適と感じる湿度は40~50%くらいといわれています。湿度が低くなると、ウイルスに感染しやすくなることはよく知られていますが、春の乾燥は肌トラブルはもちろん、敏感肌を引き起こす原因になるともいわれていますので、簡単らくらく法で上手に室内を加湿をしながら、健やかに初夏をお迎えください。

加湿効果が高い鍋料理

加湿効果が高い鍋料理

乾燥が気になる春、気軽に加湿する方法