旧東ドイツ出身のピアニストのヘニング・シュミートが、同じベルリンのシンガーであるマリー・セフェリアンとのユニット=NOUSとして、デビュー・アルバム『je suis』を2019年4月17日にリリースする。

 ベルリンにあるヘニングのスタジオ=Klavierraumで出会った彼らは、静かでゆったりとした隙間のある音楽を指針として、ヘニング自身が“ポスト・シャンソン”と呼ぶこのアルバムを制作。アルバムは、ファーストテイクの録音のみで構成されており、ピアノ、トイピアノ、ハーモニウム、ボーカル、エレクトロニクスのテクスチャを見事に組み合わせ、ミニマルでありながら豊かで流動的なサウンドの融合を実現している。

 きらめく紙吹雪のような歌詞、シャンソンインドの伝統的なボーカル・スキャット、ジャズの折衷的な要素と透き通るようなピアノの旋律、そしてハーモニウムの息吹を組み合わせた本作には、驚くほどオーガニックな音楽的相互作用が生まれている。ひんやりとした空間に浮かび上がる研ぎ澄まれた和音、一つ一つの音の配置に感じられる二人の豊穣なジャズのバックグラウンドと抑制された知性―前衛表現を求める二人の飽くなき挑戦が実を結んだ、期待のデュオによるデビュー作となっている。

 リリースに先駆けて、現在アルバムより「Calme」と「O-Heya」が公開されている。

◎リリース情報
アルバム『je suis』
2019/4/17 RELEASE
2,484円(tax incl.)

ヘニング・シュミートによる新デュオ=NOUSのデビュー作が完成