プジョーの新型508に「508L」なるクルマが存在する。どうやらお手軽ロングホイールベース版ではない様子。何が違うのかを調べてみた。
連日メディアをにぎわせているプジョーの新型車「508」。最新のプジョーフェイスを備え流麗なファストバックボディをまとった姿は「お、コレはなんだろう」と興味を抱かせるに充分——というのはMF.jpでも報告しているとおり。その508に「L」というクルマが存在する。
お察しのように508Lは中国市場専用車。508のホイールベースを57mm、全長は110mm伸ばしたクルマである。ああ、アウディとかBMWとかでも用意があるもんね、そう思って508Lを見てみたら、ただ伸ばしているだけではなく案外ディテールが異なっていることが判明した。
全長4870 × 全幅 1855 × 全高1455 × 軸距2848mm【508L】
全長4750 × 全幅 1859 × 全高1403 × 軸距2793mm【508】
真横で比べてみると、その違いがよく伝わる。ああ、長いのねと。ファストバックスタイルのボディはそのまま長くなっている印象で、こうして眺めると508Lのほうが格好よく見えてくる。
しかしそれだけにとどまらないのに気がついた。まずはサッシュ。508のグリーンハウスはめっきのトリムで囲まれている。また、Bピラーにも前後の分割ラインが見える。
ご存じ、508はサッシュレスのドアを採用した。プジョーのDセグセダンがサッシュレス!というだけでも驚きだったのだが、それに対して508Lはコンベンショナルなサッシュドアを用いているようだ。
ということはルーフラインのあたりもそれに合わせて構造変更しているということ。単なる「軸距離伸ばしました」ではない様子が濃厚である。
真横から眺めたときのテールランプデザインと装着位置も違うのがわかる。ここも単に尻尾を伸ばしただけではない様子がうかがえる。
光の当たり方が違うということもあるが、全体的に508のほうがエッジが立っている印象だ。サイドビューでも508はリヤフードから流れるテールフィンのようなデザインになっていて、そこから逆スラントするように切り落とされている。かたや508Lは丸みを帯びたふくよかなデザインで、直角面が作られているためか上面切り返し直後にプジョーのエンブレムを置いている。
リヤガーニッシュは同じ形状……に見えるような見えないような。しかし508が三連スラッシュのLEDを片側3つ置いているのに対して508は菱形LED(スラッシュの数が多いように見える)を3つ置いていて、位置も異なる模様。下部にはポジションランプだろうか、アンバーのLEDを点灯させている(夜間だからかもしれない)。
そしてじつは508のリヤガーニッシュのセンター部下には手が入れられるようになっていて、そこに標識灯とリヤハッチオープナーが備わっている。508Lにはどうやらそのような構造にはなっていない様子だ。
もちろん、一瞥して508LだとわかるポイントがCピラー。508に対して6ライトキャビンとしている508Lは、小さなグラスエリアの後端にオーナメントを備えている。ドアに配されるプレスラインの違いも、この角度からだとよくわかるだろう。
色違いになってしまうのが残念だが、サイド9:1での比較。サッシュレス&ブラックアウトでコンパクトなキャビンに見える508に対して、めっきサッシュ+ロングキャビン+後端オーナメントの508Lは堂々とした佇まいに見える。車高も508に対して高く、その差はどこに現れているのだろうか。もしルーフ周りで高くなっているのだとしたら、相当な大工事である。
508Lと508、ぜひ乗り比べてみたいものだ。
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