14日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、張本勲氏が読売ジャイアンツ・ビヤヌエバ選手の危険スライディングを擁護し、選手同士の衝突を禁止する「コリジョンルール」について苦言を呈したことが物議を醸している。

 

■ビヤヌエバ選手が危険なスライディング

問題のシーンは9日の中日ドラゴンズ読売ジャイアンツ戦。1アウト1塁で読売・小林誠司選手の打球はショートゴロ、ショートが併殺のためセカンドに送球し、アウトになる。

さらに1塁に転送しようとする2塁手に、1塁ランナーのビヤヌエバ選手が突進。野手の足を払うようにスライディングを行い、併殺を阻止した。

これを見た中日・与田剛監督が抗議し、ビデオ検証の結果「故意に妨害した」としてアウトに。危険なプレーを防止するためにアメリカで作られ、日本でも採用されている「コリジョンルール」が適用されたのだ。

番組では関口宏が、ルールについてフリップを見ながら説明した。

 

■「当然のプレー」と擁護

これを見た張本氏は「画を見ただけでは難しい」と前置きしたうえで、

「野手に向かっていってるでしょ、送球するときに野手に行けば、これはダメ。コリジョンルールと言ってね、去年アメリカから来たんですよ。あれまっすぐ行っとるからね、ランナーにいわせたら当然じゃないかというプレーなんだけどね」

 

と、走路上に2塁手がいたため、「故意ではないのではないか」とビヤヌエバ選手に理解を示す。VTRを見ると、2塁手の足元めがけてスライディングをしているようにも見えるのだが。

■コリジョンルールに苦言

さらにコリジョンルールについては

「だからこんなのは止めたほうがいいのよね。やっぱりね、併殺崩れをやるんですよ、勝ちたいから。打者走者を助けたいんですよ。避けるのも技術の一つだから。これは日本には向かない」

 

と否定的な意見を述べた。ちなみにコリジョンルールメジャーリーグで走者がアウトになることを防ごうと故意に野手に体当たりし、衝突された選手が大怪我をしたことをきっかけに導入されたもの。

日本でも以前元阪神タイガースマット・マートン選手が本塁突入の際、明らかにアウトのタイミングにもかかわらず、故意に身体をぶつけ、捕手を怪我させる事案が発生し、このルールが採用された。

なお、コリジョンルールではホーム突入の際、捕手がベースを隠すような形で走路(ホームベース)を塞いだ場合、ホームインが認められる。守備側だけが得するというわけではなく「衝突」を防ぐことが狙いだ。

 

■ネット民から批判

張本氏の「コリジョンルールは日本には向かない」発言に、ネット民は批判的な声を上げている。

一方で「昔は当然のプレーだったから擁護したくなるのもわかる」「つまらなくなったことは確か」などと、張本氏に同調するネット民もいた。

 

■張本氏は「日本には不必要」論者

野手を衝突による大怪我から守る目的でルール化されたコリジョンルール。しかし、張本氏は「避けるのも技術」であり、「日本には不必要」と考えているようだ。

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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

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