G大阪戦で右ウイングバックとして奮闘、公式戦4試合ぶりの出番で1-0勝利

 浦和レッズのDF橋岡大樹は、14日のリーグ第7節ガンバ大阪戦(1-0)でフル出場し、右ウイングバックで奮闘した。橋岡にとっては公式戦で4試合ぶりの出番であり、どうしても結果が欲しいタイミングだった。

 橋岡は昨季にユースチームからトップ昇格すると、5月からレギュラーとしてプレー。しかし、今季はチームが横浜F・マリノスからDF山中亮輔を獲得し、右サイドでもプレー可能なMF宇賀神友弥の存在に加え、昨季は負傷で離脱している期間が長かったDF森脇良太もまた、右サイドのポジションを争うことになった。

 橋岡は2月16日に公式戦がスタートした浦和で、欠場した試合こそあったものの、“ほぼ”レギュラーと言える立場だった。しかし、その風向きが変わったのが3月のインターナショナル・マッチウィークだった。

 橋岡は来年の東京五輪を目指すU-22日本代表に招集され、ミャンマー遠征へと旅立った。一方、浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督はその間に4バックを着手。3月31日FC東京戦に向けて新システムを導入するなか、チームでトレーニングを積んできた選手たちと、代表でチームを離れていた橋岡で、どちらを起用するかで橋岡が外れるのは仕方がない部分もあった。そして、その間に森脇も好プレーを見せた。

 オリヴェイラ監督は、左右の両サイド宇賀神がこなせるだけに、ベンチメンバーとしては山中か宇賀神が入ることになった。そのため、橋岡にとってはスタメンに入れないことが、そのまま試合の登録メンバーから外れるという苦しい時期を過ごすことになった。実際に橋岡も「3試合メンバーから外れて悔しさがあった」と話している。

橋岡を支えた強い思い…「練習からやっていることは間違っていない」

 しかし、チームは4バックで結果が出ずに3バックへ戻り、このG大阪戦に向けてオリヴェイラ監督は「攻撃的な相手のサイドバックを抑えるため」という趣旨で橋岡と山中を起用した。そして、巡ってきたチャンスに橋岡は奮起。前半はDF藤春廣輝、後半はDFオ・ジェソクと対峙しながら「僕にやれるのは、戦うこと」という言葉そのままのプレーを見せた。そして、GK西川周作からのロングボールを、何度となく右サイドで高さを生かしたヘディングで前線につないだ。

 以前、橋岡はメンバーから外れた際に「去年を思い返せば、プレーが良くないのに使われ続けている自分がいたことに気づかされた」と話していた。その思いを再びすることになったが、「練習からやっていることは間違っていない」という強い思いが自身を支えた。そして、後半42分にMFエヴェルトンが決勝ゴールを奪った1-0の勝利後、「試合に出るのは当たり前じゃないという、1試合の大切さを感じます。そういう気持ちでやることで成長できると思う」と、改めて気を引き締めた。

 橋岡は試合を終えてチームとともに帰京すると、そのままU-20日本代表の合宿に向かう。5月にU-20ワールドカップ(W杯)を控えるチームの中心メンバーでもあるだけに、こうした代表チームとの掛け持ちは避けられない。

 それでも橋岡が目指すのは「代表に行って、チームに戻ってきてもすぐに高いパフォーマンスを出していける選手」というところだ。所属チームで激しくポジションを争い、世代別代表では頼られる地位にいること。その両立を図る時間は決して簡単なものではないが、少なくともそれを成長につなげる準備と心構えは間違いなくできあがっている。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

浦和レッズのDF橋岡大樹【写真:Getty Images】