減速が伝えられる中国の自動車市場。このほど、3月の乗用車の販売台数が発表され、韓国系メーカーがシェアを大きく落としたことが明らかになったという。中国メディアの環球網は11日、韓国の自動車メーカーが中国市場でシェアを落としていると伝える記事を掲載した。韓国では、危機がより高まったと報じられているそうだ。

 記事によれば、シェアを落としたのは韓国の大手自動車メーカー、現代自動車と起亜自動車で、3月の中国自動車市場における韓国系メーカーのシェアは4%を切ったという。これは、中国に進出した2002年以来、最大の危機だと伝えている。

 3月は、中国の自動車市場全体で減少が見られ、販売台数は178万台と前年同期比で12%減少した。韓韓国系メーカーの販売台数は27%も減少したそうだ。これは中国市場における最低記録の更新になると伝えた。現代起亜は、2002年の中国進出以来、16年まで一定のシェアを保ってきた。記事によると、2011年から14年はシェアが10%で、15年から16年でもまだ8%程度のシェアを保ってきた。しかし、ここにきて大きくシェアを落としている。

 この理由について記事は、韓国の業界関係者による分析として、中国人消費者の心理的な萎縮ゆえに、自動車市場全体が減少の傾向になっていると指摘。さらに世界の自動車企業同士の競争も激化していることも関係しているとした。こうした状況に対して韓国メーカーは、中国市場での販売台数回復に向けて努力するとともに、将来の成長を見込んでインド市場への進出も考えているとしている。

 中国の自動車市場全体が冷え込んでいるのは事実だが、日系メーカーは健闘しており、3月の速報では、販売台数を発表した4社のうちホンダ、日産、トヨタの3社が販売台数を伸ばした。韓国メーカーの不振をしり目に、中国の自動車市場ではますます日系メーカーが業績を伸ばすことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)