サクッと食べられる手軽さと圧倒的な低価格で、高コスパ外食の代表格として挙げられるのが「牛丼」だ。御三家すき家・松屋・吉野家)の牛丼はいずれも並盛1杯、300円台。10年前に比べれば、各社ともに値上げされているとはいえ、今なおそのコスパの良さは他の追随を許さない。

吉野家
吉野家 © Tktktk
 そんななか御三家最古参である吉野家3月7日、新サイズの牛丼を発表した。その名も「超特盛」、価格は780円(税込)で25年ぶりの新サイズだという(「小盛」も同時に発表)。

 380円の並盛に慣れ切っている身としては、条件反射的に「高っ!」と思ってしまうのだが、実際は大好評のようで、3月7日から4月6日の1か月間で、当初の予想の2倍以上となる1021868食を売り上げたそうだ。

 この超特盛は「肉の量が大盛の2倍!」という惹句が目を引く。ちなみに吉野家は、大盛が550円なので、その2倍の肉量を誇る超特盛が780円というのは、コスパ的にも超優良……に思えるが、実際、他のサイズと比べてみてどうなのか?

吉野家、小盛~超大盛りのグラム数を計測

 今回、肉とご飯のグラム数を実際に測って検証してみた。つゆの量による誤差を最小化するため、牛丼はすべて「つゆ抜き」で注文。まずは期待の超特盛から試してみることにする。大盛の2倍という暴力的な肉量はいかほどのものか?

■超特盛(780円)

超大盛
左から超大盛の「そのまま」「牛肉のみ」「ご飯のみ」である
 全体は525グラム。うち肉が179グラム、ご飯が351グラムという結果に。食べてみてたボリュームはすさまじいものがあり、超満腹は必至。

 なにしろ肉が多いので、普段のペースで食べていると肉があまって、飽きてしまう事態すら発生する。家にあったチューにんにくコショウで、肉の味変を行いつつ食べ切った。

■大盛(550円)

大盛
左から大盛の「そのまま」「牛肉のみ」「ご飯のみ」である
 続いては大盛。「肉の量が大盛の2倍!」どおりだとすると、大盛における肉量は先ほどの超特盛の約半分で、およそ90グラムくらいということになるが……全体は449グラムで、肉が104グラム、ご飯が349グラムという結果になった。

 超特盛は「肉の量が大盛の2倍!」とうたっていたが、実際の肉の量は半分以下だった。とはいえ、ご飯はほぼ同量なので、超大盛のペースで食べていると、ご飯が大きくあまってしまう。したがって、超大盛とは対照的に、肉少なめ・ご飯多めのペースで食べ進めたほうがよさそうだ。

 今回はご飯が余りがちになってしまったが、付け合わせの紅ショウガの力を借りてかっ食らった。

並盛とそれ以下のサイズを比較してみた

 続いては並盛。吉野家の基本サイズである。

■並盛(380円)

並盛
左から並盛の「そのまま」「牛肉のみ」「ご飯のみ」である
 全体は364グラム。うち肉が109グラム、ご飯が256グラムという結果に。……なんと、肉量が大盛よりも少し多かった! 今回はたまたまかもしれないが、もともと大盛・並盛で、肉量はそう変わらない模様。両者の違いはご飯の量にあるようだ。

 あくまで個人的な感想ではあるが、この並盛が、肉・ご飯のバランスが過不足なく整っており、最後まで美味しく食べられた。ちなみに、写真を割愛した他サイズの重量は--。

 「特盛」(650円)が全体は481グラム、肉が147グラム、ご飯が334グラム。「アタマの大盛」(480円)が全体は422グラム、肉が137グラム、ご飯が285グラム。「小盛」(360円)が全体は253グラム。うち肉が72グラム、ご飯が181グラムであった。

結果発表! 吉野家で最強コスパなのは?

 では、すべてのサイズの計測値が出そろったところで、各サイズコスパを比較してみよう(※小数点第三位四捨五入)。

■総重量コスパ(1円当たりの総重量)
 ①並盛(0.96グラム)②アタマの大盛(0.88グラム)③大盛(0.82グラム)④特盛(0.74グラム)⑤小盛(0.70グラム)⑥超特盛(0.67グラム)

■肉量コスパ(1円当たりの肉量)
 ①並盛(0.30グラム)②アタマの大盛(0.28グラム)③特盛(0.27グラム)④超特盛(0.23グラム)⑤小盛(0.20グラム)⑥大盛(0.19グラム)

■ご飯量コスパ(1円当たりのご飯量)
 ①並盛(0.67グラム)②大盛(0.63グラム)③アタマの大盛(0.59グラム)④特盛(0.51グラム)⑤小盛(0.50グラム)⑥超特盛(0.45グラム)

 以上のように、いずれの指標においても並盛が他を圧倒する結果になった。そして、期待の超特盛は、肉量コスパこそ4位につけたが、他はいずれも最下位でまったく振るわなかった。もちろん店舗や店員さんによって誤差はあるだろうが、ここまで順位間の差が出てしまうと、ちょっとの誤差で入れ替わることはないと思われる。

超特盛よりも「並盛」2杯が断然お得!

吉野家

 ここまでの結果から、吉野家におけるもっとも”コスパの良い”サイズは「並盛」であると判明した。「超特盛1杯(780円)」と「並盛2杯(760円)」で注文した場合を比較してみるとーー。

●超特盛×1杯:全体は525グラム、肉が179グラム、ご飯が351グラム

●並盛×2杯:全体は728グラム、肉が218グラム、ご飯が512グラム

 ちなみに、吉野家公式サイトカロリー表記でも、超特盛は1169キロカロリーなのに対し、並盛は652キロカロリーだった。

 以上、結果は明らかなように超特盛780円よりも並盛380円を2杯頼んだほうが、より多くの肉・ご飯を楽しめる。とはいえ、1杯食べているうちにもう1杯が冷めてしまったり、持ち帰り時にかさばって不便だったりと、デメリットがあるのも確かだ。

 しかし、このコスパの差は大きい。もしもアナタがお金がなくて、ものすごくお腹がすいている状態ならば、超特盛に飛びつかず、並盛を2つ頼んでみるのもアリかも知れない。

<取材・文/浅原浩>

【浅原浩】

元・週刊漫画誌の編集者。散歩をしたり、映画をみたりしている。メタルと文鳥が大好きです

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