仮にもし、東京都神奈川県の電車やバスが30日間乗り放題で5000円!というパスが発売されたとしたら、間違いなく購入者が殺到しますよね。

実は台湾では「雙北定期票」という、台北市と新北市の地下鉄MRT路線バスレンタサイクルの最初30分の利用料が、1280元(約4608円)で30日間乗り放題というパスが販売されているのです。

そんなの絶対お得でしょ!と思われるかもしれませんが、一か月使ってみた結果、週5日勤務だったとしても逆に損してしまう人もいるだろうなと感じました。なぜそう言えるのでしょうか?

雙北定期票ってどんなパス?


雙北定期票とは、台北市と新北市の地下鉄MRT(桃園空港MRTは対象外)や路線バス(4桁番号のバスは除く)、レンタサイクルYouBikeの最初30分の利用料が、1280元(約4608円)で30日間乗り放題になるという定期券です。2018年3月13日から販売開始となり、4月16日から使用開始となりました。5000円以下で首都圏の交通機関が乗り放題と考えると、とてもお得だと感じます。

購入の仕方は?

(C)Yui Imai

購入の仕方はとても簡単で、台北MRT各駅の窓口や自動チャージ機で手持ちの悠遊カード(台湾の交通ICカードの名称)に設定することができます。筆者は自動チャージ機で画面の案内に沿って設定してみましたが、ものの2分で購入を完了することができました。

週5勤務でも損をしてしまう人がいると感じたのはなぜ?


理由は簡単、台湾の交通費は驚くほど安いからです。台湾は物価が安いんだから当たり前でしょ、なんておっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に台湾で数年暮らした感想としては、家賃や物の値段などはそこまで安いとは感じません。日本と同じくらい、むしろ日本より高いものも多くあります。でも、交通費は日本よりずっと安いので助かっています。



例えば、MRTで台北駅から台北101/世運駅まで移動するには15分かかり、悠遊卡があれば2割引で片道20元(約72円)。台北駅から新北市の人気観光地・淡水駅までは42分かかり、2割引で片道40元(約144円)。路線バスは基本15元(約54円)で、分段點という境界を超えるごとに30元、45元と増えていきますが、1時間以内の移動ならほぼ30元で収まります。

しかもMRTとバスを乗り継ぐと割引が適用されたり、最近ではバスとバスの乗り換えでも轉乘優惠という割引が適用されるようになりました。



学生や会社員で月20日交通機関を利用すると仮定するなら、1280÷20=64なので、通勤や通学に往復64元以上かかるなら元が取れると感じます。でも台湾人は通勤時間の長い会社で働くのを嫌がる人が多いので、毎日64元以上かかる場所まで通勤している人はそこまで多くないのではと感じます。

1280元で乗り放題なんて安い!と思って買ってはみたものの、意外と使わず損してしまっている人は結構いるのでは、と思った理由はそこにあります。

こんな人にとってはとってもお得!


通学や通学に公共の交通機関を利用する方で、途中下車して寄り道したり、週末にいろんなところに遊びに行きたいという方にとってはとってもお得だと思います。夜市や台北101、淡水や北投や烏來、MRT西門駅から出ている965番バスを利用すれば九份にも定期券の範囲内で遊びに行けちゃいます。特に、台湾への短期留学を検討している方にはぜひおすすめしたい定期券です。



筆者は台北で通勤通学は現在していないのですが、日本からのお客さんを1週間観光案内する予定だったので、取材や買い物にも使えるしと今回はじめて雙北定期票を使ってみました。交通費を気にせず色々なところに出かけられて便利だったのですが、ちゃんと元が取れてるかな?と途中でちょっと心配になってしまいました。

一見ものすごくお得に感じる「雙北定期票」。でも、元を取るくらい交通機関を利用するのは、思ったよりも大変なのかもしれません。「私の滞在プランならお得に乗りこなせる!」と思われた方は、ぜひ手持ちの悠遊カードに設定して台北街歩きを楽しんでくださいね。

 
台北捷運MRT)公司モバイルサイト
https://m.metro.taipei/jp/


[All Photos by Yui Imai & shutterstock.com]
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自動チャージ機で設定可能