バルサの大黒柱メッシに自由を許してCL8強敗退 第2戦の“変化”が敗因に…

 マンチェスター・ユナイテッドUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でバルセロナに合計スコア0-4の完敗を喫し、2007-08シーズン以来となるビッグイヤー奪還とはならなかった。力量差を見せつけられる形となったなかで、昨年12月に解任されたばかりのジョゼ・モウリーニョ前監督が、相手エースFWリオネル・メッシへの守備ぶりを「死んだようなもの」だったと批判したという。

 ユナイテッドはホームでの第1戦を0-1で落とし、第2戦は勝利が必須となった。オレ・グンナー・スールシャール監督はキックオフ直後から果敢なプレッシングを仕掛けて決定機を作り出したが、前半16分、20分とアルゼンチン代表FWリオネル・メッシにゴールを奪われ、試合の趨勢はほぼ決まってしまった。

バルサバルサだ。彼らはマンチェスター・ユナイテッドよりも優れたチームだし、良質な選手も揃っている。彼らが勝ったのは普通だ」

 ロシアテレビ局ロシア・トゥディ」の取材に応じたモウリーニョ氏は、数カ月前まで率いたチームをこう切って捨てた。そして、第1戦と第2戦の戦い方の変化についてもこう触れている。

「初戦こそユナイテッドは中央エリアをよく監視していた。ただ0-1で負けたから、(2試合目は)別の形で試合に入ろうとした。ポグバが左ワイドに、右にはスコット・マクトミネイ、ジェシー・リンガードストライカーの低い位置でナンバー10としてプレーした。そして最終ラインの前には、フレッジしかいなかった」

メッシは「ケージの中に閉じ込める必要がある」と持論を展開

 前輪駆動の布陣になったことで、後方にスペースが生まれたと指摘。モウリーニョ氏はこうも続けている。

「そしてそれが、メッシが顔を出してボールをもらうエリアとなったし、実際に受け取れた。その瞬間、チームは死んだようなものだった。だからこそ、私はメッシに対して1対1の状況を作るのを嫌がっていたのだ。メッシは檻に入れる。ケージの中に閉じ込める必要があるのだ」

 果敢な戦法を取ったがゆえに、メッシが自由に羽ばたく状態を作り出してしまったと指摘した。アグレッシブな姿勢を貫くスールシャール体制だが、相手の長所を潰して勝ちにいく勝負師のモウリーニョ氏にとっては、いささか承服しかねる戦い方だったようだ。(Football ZONE web編集部)

モウリーニョ氏が持論を展開【写真:Getty Images】