近年、中国では「日本企業は衰退した」との見方が広がっているようだ。これは、日本企業の不振や不正などのニュースが良く聞かれるためだろう。しかし、中国メディアの今日頭条は18日、実際のところどうなのかと疑問を呈し、日本企業の衰退は上辺だけに過ぎないと主張する記事を掲載した。「日本企業が実はうまく方向転換したことを、中国人は見落としている」と指摘している。

 この「企業の方向転換」は、白物家電など競争が激化して薄利になった部門に見切りをつけ、より多くの利益を得られる分野へと舵を切ることを指している。記事は、日本企業は「20年前にはすでに改革を始めていた」と分析。企業の生き残る道を確実に残しておくために、研究開発に力を入れて布石を打ってきたと感心している。

 この点で中国は失敗してきたという。技術の応用ばかりを追求し、基礎的な技術の研究開発をないがしろにしてきたため、核心的な技術や部品の分野で頭打ちになっていると分析。そのため、中国企業が喜んで日本企業のいらなくなった部分を買収し、日本企業はもうだめだと思っているうちに、実は日本企業は重要な分野ですでに中国人の想像を超えるほど進んでいたのだという。

 一例として、パナソニックは家電を捨てたものの、リチウム電池の分野に力を入れテスラに提供していると紹介。着実に売上高を伸ばしており、こうして利益を出している企業では、海外企業の買収にも積極的になっており、80年代に土地やビルを買いあさっていたころと違って、医薬や半導体、通信などの先端技術分野をターゲットにしていると論じた。

 日本企業は、「衰退した」ように見えながら、実は先を読んで見えないところで着々と「布石を打っていた」ようだ。そういうところが、中国人に日本人は恐ろしいと言われるゆえんだろう。今後も日本企業は産業転換を進め、最先端の分野で名をはせ続けていくに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

「日本企業は衰退した」という中国人の誤解、「我々は大事なことを見落としている」=中国