サイズや銘柄が同じでも異なるのはなぜ? タイヤの「指定空気圧」が車種によって違うワケ

クルマによって指定空気圧が違うのは装備や車重が異なるから

 運転席側のドア付近あるいは給油口等に貼付された空気圧表示シールに記載されている「指定空気圧」。

 これは車種ごとに自動車メーカーが指定している値で、車重、車重のバランス、車両の形状、乗車定員、荷物の積載量、タイヤの形状、性質、燃費、乗り心地などの各項目をテストしたうえで、もっともバランスがとれていると判断された数字なので、じつはかなり厳密なもの。

指定空気圧

 一番基準になるのはタイヤの荷重負荷能力で、同じ銘柄、同じサイズタイヤであっても、空気圧によって最大負荷能力が変わってくる。

 その最大負荷能力=ロードインデックス(LI)は、タイヤサイズと一緒に表記されていて、例えば205/55R15 88(LI=88)のタイヤなら、空気圧が220kPaだと1本のタイヤで505㎏まで支えられて、空気圧を230kPaにすると525㎏になる。

 これらは、JATMA=日本自動車タイヤ協会の[乗用車タイヤ空気圧~負荷能力対応表]や、タイヤメーカーホームページの空気圧別負荷能力対応表に詳しく出ている。つまり、車種ごとに指定空気圧が違うのは、クルマによって装備や車重が異なるからだ。

メーカーはそのクルマにあった乗り味になるよう数値を指定する

 まずは安全が保障される最大負荷能力をクリアする空気圧が基準になり、その上で乗り心地やグリップ感を重視するなら、やや低めの空気圧。転がり抵抗の少なさ(燃費の良さにもつながる)や剛性感、耐ハイドプレーニング性能を重視するなら高めの空気圧にするといった味付けを自動車メーカーは行っている。

 また前後のタイヤの空気圧を変えることで、ハンドリングセッティングもできる。具体的には、フロントの空気圧が高めならアンダー気味になるし、リヤが高めならオーバー気味になる。これらは20kPaぐらいの違いで体感できるはずなので、興味がある人は指定空気圧を基準に、0~+20kPaの範囲内で調整してみるのも面白い(指定空気圧より下げるのは、基本的にNG)。

指定空気圧

 というわけで、指定空気圧は自動車メーカーデータに基づいて決めた重要な基準値。例外的にフェラーリなどは、タイヤメーカー側に設定を任せることがあるが、これはレーシングチームの発想といっていい。

 空気圧は、ユーザーが思っているよりずっとシビアなものなので、最低でも月に一度、できるだけ走行前の冷えている時にガソリンスタンドなどでチェックし、つねに適正空気圧をキープできるよう心がけよう。

 ちなみに空気圧を調整する前にある程度の距離を走ってタイヤが温まってしまったときは、とりあえず指定空気圧より20~30kPa高めに調整して、あとでタイヤが冷えたときに再調整するといい。

指定空気圧

サイズや銘柄が同じでも異なるのはなぜ? タイヤの「指定空気圧」が車種によって違うワケ