中国では「日本鬼子」という日本に対する蔑称の言葉が存在し、「鬼子」という言葉だけでも日本に対する蔑称として使用されることもある。中国メディアの今日頭条は19日、「日本鬼子」という蔑称の由来を考察する記事を掲載し、中国ではいつから「鬼子」という言葉が蔑称になったのかと問いかけている。

 記事は、中国では抗日戦争を題材とした文学作品や映画、ドラマでは「鬼子」という言葉が旧日本軍に対する総称のように使われていると伝える一方、かつての中国では一般的に「蛮」、「夷」、「匪」、「賊」、「寇」という単語が侵略者を指す言葉として使用されていたと紹介。

 続けて、「鬼子」という単語が蔑称として使用され始めたのはアヘン戦争の時期に英国軍やフランス軍が中国に侵攻したことがきっかけであると伝え、「洋鬼子」という単語が英国やフランスという侵略者の蔑称として使用されるようになり、当時は「鬼子」と言えば「洋鬼子」を指す言葉だったと指摘。また、日本の蔑称といえば、当時は「倭寇」という言葉であったと伝えた。

 では、いつ頃から「鬼子」という言葉が「洋鬼子」ではなく、「日本鬼子」を指すようになったのだろうか。記事は清王朝の政治家だった李鴻章の発言がきっかけだったと紹介し、日清戦争の前に李鴻章が日本を特使として訪問した際、日本側から「漢詩の上の句を作ったが、下の句を作って欲しい」と言われ、李鴻章は「小鬼」という言葉を盛り込みつつ、日本は「清を盗もうとしている」という意味合いの下の句を作り、日本側を批判したと紹介。この時から、「鬼子」という言葉が日本鬼子を意味するようになり、日本に対する蔑称は倭寇から日本鬼子になっていったと伝えた。

 同じ漢字圏にある日本と中国だが、日本人からすれば「日本鬼子」という言葉から侮蔑のイメージは感じられず、「侮辱された」と感じる人は少ないのではないだろうか。以前、日本では「日本鬼子」という二次元キャラクターを作ろうとする動きもあったが、これも日本人が侮辱されたと感じていないために起きた動きだと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国ではいつから「鬼子」という言葉が日本の蔑称になったのか=中国メディア