親元を離れて学ぶ私立大学生の仕送りが減っている。

東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)によると、2018年度の毎月の仕送り平均金額は8万3100円。前年から3000円減少し、1986年の調査開始以来、過去最低水準であることがわかった。2019年4月3日の発表。

借入額も過去最高、奨学金の「敷居高く」

調査によると、2018年度の仕送り金額は、入学直後の費用がかさむ「5月」が9万9700円で、2017年度の10万1500円より1800円減少。「6月以降」の月平均も、8万3100円で、前年度から3000円減った。過去最高だった1994年の12万4900円と比べると、4万1800円と33.5%も減少した。

家賃を除いた生活費は2万3000円で、1日当たりわずか677円(月30日で計算)。2017年度の817円をさらに下回った。1990年度の2460円(月額7万3800円)と比べると約2割台で、もはやアルバイトをしなければ生活が成り立たない状況にある様子がうかがえる。

一方、入学にかかる費用を借入した家庭は17.0%あり、自宅通学15.0%に対し、自宅外通学は20.0%と割合が高かった。平均借入額は自宅通学が165万9000円、自宅外通学では238万2000円と、こちらも過去最高。経済的に厳しい状況が見受けられ、9割を超える家庭で入学費用の負担が「重い」と答えている。

さらに、奨学金を「希望する」人は全体の57.6%で、そのうち「申請した」人の多くが、自宅外通学者だった。

また、「奨学金を希望したが申請しなかった」理由のうち、「申請基準に合わない」がもっとも多く、45.6%を占めた。「世帯所得などが申請基準を超えており、やむをえず申請をあきらめた」という父母の声が多く寄せられている。

次いで、「返済義務がある」が25.8%で、借りたい気持ちはあるものの、将来の返済への不安が大きいことから、断念する人もいるようだ。

私大生にも充実した助成金制度を

調査では、私立大学の授業料に対する国からの「直接助成制度(授業料を対象に直接家庭に国が補助する制度)」を、「必要あり」とする回答は全体の88.7%で、新入生家庭の約9割がこの制度を待ち望んでいる、という結果が出た。

東京私大教連によると、学生の75.0%が通う私立大学へは、国立大学に比べて国の補助金が低く抑えられている。学生一人当たりの公財政支出(2016年度)が、国立大学だと199万円(運営費交付金、施設費、その他補助金)なのに対し、私立大学は16万円(経常費、施設設備費など)と、国立の12分の1でしかない。

そのため、経済的理由から私立大学への進学を断念する高校生や、退学を余儀なくされる私大生が増えているという。各家庭の教育費の負担が、もはや限界に達している状況が読み取れ、経済的支援対策を切望している現状がみられたと、東京私大教連は指摘する。

今後は各家庭の経済的負担の軽減を目指し、奨学金制度の改善を求めるとともに、高校生同様、私大生の学費の負担を軽減する「就学支援制度」の新設や私大助成の増額などを求めていく、としている。

なお、調査は関東地方の私立大学へ通う2018年度の新入生の保護者を対象に、家計負担に関する質問を郵送。4181人から、有効回答を得た。2018年5~7月に実施した。

私大生はつらいよ(写真はイメージ)