人気牛丼チェーン「松屋」のファンにとって待ちに待った「ごろごろ煮込みチキンカレー」の復活。筆者のようにカレギュウやハンバーグカレーを食べ続けて、その時を待っていた人も少なくないだろう。


牛丼チェーンカレー覇権は松屋のもの――そう信じて疑わなかった。しかし、2019年4月18日吉野家から刺客が送られた。その名は「チキンスパイシーカレー」。松屋の土台をひっくり返せるのであろうか。

カレーの戦場に足を突っ込んだ

程よい刺激に濃厚な旨味、そして鶏もも肉をこれでもかと突っ込んだ松屋の「ごろごろ煮込みチキンカレー」。2017年6月6日の初登場から大衆の胃袋を鷲掴みにし、あまりの美味しさに厨房のスタッフプロポーズをしそうになった人もいるだろう。

16年4月にも「ごろごろチキンカレー」が販売されていたが、さらに進化したその味は無限の充実感を秘め、鬱屈とした平日のランチタイムにさした光であった。

販売されていない時期もあり、一時的に別れなければならないのが唯一の欠点。しかし、会えないからこそ気持ちが膨らむ。片思いの女性に胸を焦がした思春期の熱き心が20代になってもあることを教えてくれた。


牛丼チェーン最強のカレーといっても過言ではない。まさに一強であることに疑いの余地はなかった。

しかし、ほかの牛丼チェーンが指をくわえて待っているはずがなかった。時は19年4月18日ごろごろ煮込みチキンカレーの復活からわずか2日後の出来事だった。

吉野家が「チキンスパイシーカレー」なるものを発売した。名前だけでは全く想像がつかないが、画像を見て唖然とした。

カレーの上に一口大の鶏むね肉がごろごろと乗っている。ついに来たのだ、あいつの対抗馬が――。

これは食べなければ後悔する。なぜなら、チキンスパイシーカレーの発売は応仁の乱を目の当たりにしているのと同じようなものだから。吉野家に向かう足はいつもより速かった。

メニューも見ずにオーダーし、待つこと数分。問題の商品が到着した。


誤解のないようにしたい。筆者は決して争いに挑んだカレーを咎めるために来たのではない。キース・リチャーズに憧れ灰皿をいっぱいにしている人間だ。反骨精神は大好物なのだ。


基本的な違いだが、ご飯が別皿に盛られている松屋に対して吉野家ハーフになっている。また、玉ねぎもルーには溶け込んでいるが、有形のものは入っていない。

既に違いか見られるが、まだまだ吉野家の攻め方を掘り下げていきたい。

まず鶏肉だが、大きさの差があまりなく、均等に近い。また、色も白っぽい。口に入れると柔らかく味の濃さが目立つ。

食べ進めていくと、鶏肉自体に塩がついており、さらにカレーが加わり味の圧迫感がある。


ルーは粘度があり、棘のある刺激的な味がスパイシーさを求める人にはうれしいところであろう。武骨で硬派ながら時折見せる旨味の笑顔にダウンを食らってしまう。

主観ながら辛さもこちらの方が強く、汗の量も多いような気がした。食べやすさの面では粘度があり、ご飯が別皿ではない吉野家に軍配があがる。

しかし、全体的には、松屋の「ごろごろ煮込みチキンカレー」の方が好みだった。

正直、ごろごろ煮込みチキンカレーとは鶏肉のトッピングが被る以外はほとんど別物といえる。しかし、好みは人それぞれ。松屋ファンの皆様も、試しに一度こちらに挑戦してみてはいかがだろうか。

左が松屋「ごろごろ煮込みチキンカレー」、右が吉野家「チキンスパイシーカレー」 (写真はすべてJタウンネット撮影)