ウエストエンド史上、最年少で『オペラ座の怪人』のファントム役に抜擢され、『レ・ミゼラブル25周年コンサート』ではアンジョルラスを演じ、世界的に注目を集めたミュージカル俳優、ラミン・カリムルー。日本でも人気の高いラミンが、2019年4月18日から20日にかけて、東京・よみうり大手町ホールで待望のソロコンサートを開催した。今回は4月19日(金)夜の部の模様をレポートする。

抜群の歌唱力を誇るラミンの歌声をよみうり大手町ホール500席という空間で堪能できるとあって、開演前からファンの間では期待感に包まれ熱気にあふれていた。ラミンがおしゃれな刺繍をほどこした黒いジャケットを着て登場すると大きな歓声が起こる。笑顔のラミンは手を振りながら「こんばんは! 元気ですか?」「来てくれてありがとうございます」と日本語あいさつ。「最近どう?」と日本人が友達同士でよく使う日本語を披露し、笑いを誘った。

1曲目は、ミュージカルライオンキング』から「Can You Feel the Love Tonight」のイントロギターで流れ、一瞬にして会場が静まり返ったのだが、ギターとラミンの歌い出しのタイミングが合わないハプニングが起こり、会場が爆笑に包まれた。照れ笑いするラミンがなんともチャーミングだったのだが、その後はギターとぴったり息が合い、歌声で魅せた。続いてミュージカル『ラブ・ネバ―・ダイ』から「Till I Hear You Sing」を情熱的に歌い上げ、会場のボルテージは一気に上がった。

ラミン・カリムルー 撮影=山本 佳代子

ラミン・カリムルー 撮影=山本 佳代子

しっとりとミュージカル『エビータ』から「High Flying Adored」を歌ったあとMCとなる。語りかけるラミンにファンが英語で答えるなど和やかな時間が流れた。ラミンが「レ・ミゼラブルなら誰の曲を聞きたい?」と質問。「ジャン・バルジャン!」などの声がかかったが、「ファンテーヌはどう?」と「I dreamed a Dream」を披露した。ラミンのアルバム『ラミン』の中に収録されている「I dreamed a Dream」が素晴らしいという話を聞いたことがあったが、今回それを体感することができた。その後ギターを片手に、『アナと雪の女王』から「Let It Go」を熱唱。あっという間に1幕が終わった。

ラミン・カリムルー 撮影=山本 佳代子

ラミン・カリムルー 撮影=山本 佳代子

2幕はミュージカルDEAR EVAN HANSEN 』から「Waving Through the Window」、ミュージカルレ・ミゼラブル』から「Bring Him Home」を歌い、ミュージカル界のスター、ラミンの魅力満載のステージが続いた。ゲストアーティストトレヴァー・ドゥルーリーが幻想的な演奏を披露したあと、再びラミンが舞台に戻りギターを手にし、一言二言話したあと「誰か僕を助けてくれない?」と会場に向けて語りかけると「僕が助けるよ!」と聞き覚えのある声が! なんと客席から城田優がサプライズで登場した。ラミンが「あなたの名前は?」とおどけると、「城田優です!」と笑いながら応える微笑ましいシーンが見られた。するとラミンがミュージカルエリザベート』の「闇が広がる」を日本語で歌い始め、ラミントートと城田ルドルフ夢の共演アカペラで実現した。これだけにとどまらずラミンが演奏するギターでMumford&Sonsの「Reminder」をデュエット。昨年城田が出したアルバムにラミンが参加するなど、二人は親しい間柄なのだそうで、ラミンは城田を「日本の兄弟」と紹介するほど、仲の良さが垣間見れた。

思いがけない素晴らしいサプライズに会場は歓喜に包まれ、そのままの熱気で一気にフィナーレへ。今回のコンサートタイトルにもなっている、映画『グレイテスト・ショーマン』から「From Now On」でラストを締めくくった。

アンコールではバンドメンバー全員でミュージカルレ・ミゼラブル』の「民衆の歌」を歌い、賛美歌Will the Circle Be Unbroken」で締めくくった。

今回のコンサートで感じたのは、とにかくラミンのサービス精神が旺盛なことだ。曲もたっぷり、MCもたっぷり聞かせてくれた。「もっと英語を勉強しておけばラミンのMCを楽しめたのに!」と若干悔しい気持ちもあったが、本当に楽しい時間を過ごすことができた。金曜日の夜、ラミンの歌声と人柄で1週間の疲れを癒すことができた人も多かったことだろう。

今年の10月に開催予定の『ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート』に、ラミンはイスカリオテのユダとして出演が決定している。彼の素晴らしい歌声を聞くべく、ぜひ足を運んでみてほしい。

取材・文:秋乃 麻桔 撮影:山本 佳代子

ラミン・カリムルー