すでにドゥカティKTMのモデルに搭載決定!

ドイツの自動車部品大手ボッシュは2019年4月22日(月)、日本国内で初めてとなる、二輪車向け先進安全運転支援システムの公道試験を3月から行っていることを発表しました。

今回は日本の道路環境に対応したシステム開発に活かすべく、東京都神奈川県栃木県高速道路において、サラウンドセンシング技術を活用した「アドバンスライダー アシスタンス システム(ARAS)」の実証実験を行っているとのこと。ARASはレーダーを使った自動車のADAS(先進運転支援システム)の関連技術をベースに開発されたもので、次のような機能を有します。

・ACC(アダプティクルーズ コントロール)

交通の流れに合わせて車速を調整し、前走車との安全な距離を維持するシステム。追突を効果的に防ぐことができるほか、ライダーは渋滞のなかでも走行により集中できるようになるといいます。

・衝突予知警報

ほかの車両が自車に危険なほど接近し、ライダーがその状況に何も対処しないことを検知すると、聴覚的、または視覚的な信号を通じてライダーに警告するシステム。追突事故のリスク低減、二次衝突の被害軽減に効果があるといます。

・死角検知

ライダーから見えづらい位置にある対象物を確認し、ライダーの死角に車両が来た際には、ミラーに視覚信号などを表示し警告するシステム。ライダーの車線変更をサポートするなどします。

ボッシュによると、日本では自動車のドライバーと比較してライダーの死亡事故リスクが13倍も高いとのこと。また日本特有の道路環境として、道幅が狭い、山がちな地形に対応するトンネルやカーブが多い、レーダーの検知に影響を及ぼす可能性がある遮音壁やガードレールなどが多い、といった特徴を挙げます。こうした環境に対応したシステムを開発することで、日本の二輪車ユーザーにより安全な運転環境を提供するだけでなく、日本メーカーをはじめ、グローバルな車両メーカーの日本市場への対応をサポートできるようになるそうです。

なお、ボッシュのARASは2020年から量産され、最初にドゥカティイタリア)とKTMオーストリア)のモデルに搭載されることが決まっているといいます。

二輪車向け先進安全支援システムの公道試験が日本の高速道路で行われている(画像:ボッシュ)。