4月22日に開設されたばかりのプレイステーション カスタマーサポートが運営する公式Twitterアカウントが、PSP-3000」の修理部品の在庫がなくなり次第、同機の修理受付を終了すると呼びかけている。

 プレイステーション・ポータブル(以下、PSP)は、2004年12月12日に発売された。ポケットステーションといった機種を除けば、実質的にソニーコンピューターエンタテイメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテイメント)初のモバイルゲーム機。そのころ人気を博していたPS2が同年の11月SCPH-70000CBとしてスリム化しリニューアルされたた矢先に発売された。

 それまでのモバイルゲーム機市場といえば、ゲームギアワンダースワンネオジオポケットといった多数の参入があったものの、いずれの時代も任天堂ゲームボーイからニンテンドーDSまで圧倒的なシェアを占めていた。あくまで広い層に遊んでもらえることを想定したゲーム機であるニンテンドーDSに対し、PSPマルチメディア端末のハイスペックゲーム機としての路線を打ち出していた。

 当初は同じく2004年12月発売のニンテンドーDSと約5000円の価格の差があったこと、PSPの初期出荷が少なく製造が追いつかなかったこと、□ボタンの不良による悪評などから、スタートダッシュでつまづくことになる。

(画像は「プレイステーション・ポータブル」公式サイトより)
(画像は「プレイステーション・ポータブル」公式サイトより)

 だが、ここからPSPは徐々にその独自の魅力を放つことになる。システムソフトウェアバージョンアップデートにより、マルチメディア端末として磨きがかかってくる。ウェブブラウザの回覧、PS3のリモートプレイゲームアーカイブスデジタルコミックサービスの開始、UMDディスクでの映画鑑賞、テレビへの出力機能が追加されていく。

 ウォークマンとしての機能も重宝された。当時の携帯型ミュージックプレイヤーiPod」は高値の華であり、スピーカーに繋げて音楽が聴けるのは便利だった。PSPメモリースティックを携帯ストレージとして利用できたりと、PSPの汎用性の高さは徐々に知れ渡ることになる。

(画像はソフトウェアカタログ『モンスターハンターポータブル 3rd』より)

 ソフトラインナップも充実し、モンスターハンターポータブル 2nd』、『モンスターハンターポータブル 3rdPSPアドホック通信機能を背景に大ブームを巻き起こし、『モンハン』持ちと呼ばれる特殊な持ち方がユーザーの間で考案された。

 メタルギアソリッド ピースウォーカーファミ通で満点を獲得。クライシス コア ファイナルファンタジーVII』、『ディシディア ファイナルファンタジー』、『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生も目玉タイトルのひとつだ。海外ではグランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズが大ヒットを記録した。

(画像はソフトウェアカタログ『メタルギアソリッド ピースウォーカー』より)

 PSP2014年6月に日本国内向け出荷の完了したが、姉妹機であるPSP Go、後継機であるPS VitaともにUMDディスクへの互換性がなかったため、PSPはその地位を長らく守ることになる。PSPゲームの多くがゲームアーカイブスに対応し、PS Vitaリファインされたゲームもあるが、まだまだUMDディスクでしか遊べないゲームは多くある。

 今回、修理部品の在庫がなくなり次第、修理を打ち切ると発表されたのは、日本国内のPSPの最終機であるPSP-3000だ。もしお手元にPSP-3000があるなら、久しぶりに起動してみて壊れていないか確認してもみてもいいかもしれない。

ライター福山幸司

85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter@fukuyaman