吉田沙保里選手や青学大の原晋監督は出馬せず?



 統一地方選を経て、永田町では参院選に向けた準備が加速している。中でも慌ただしいのは、共闘を模索する野党だ。政治ジャーナリストの藤本順一氏が話す。



「定数削減が進むなか地方議会で自民党は議席を伸ばし、与野党直接対決となった北海道知事選では与党が勝利。政党支持率でも、結党直後に10%を超えていた野党第一党の立憲民主党が3%にまで落ち込むなど、与党優勢の流れが鮮明です。



 にもかかわらず、参院選に向けた野党共闘は難航。実際に立憲と国民民主両党の推薦が得られているのは、滋賀の嘉田由紀子候補のみ。小沢一郎自由党代表の地元、岩手選挙区の候補者調整を巡って、合併交渉が大詰めの国民と自由の間にも亀裂が生じている。比例統一名簿構想もありますが、立憲は一貫して否定的。いまだ野党はバラバラの状態です」



 その影響で、“目玉候補”の擁立も難航しているとか。政治評論家の有馬晴海氏が話す。



「比例票を上積みしようと野党同士で候補者を奪い合いっているため、“候補者候補”からして枯渇しています。そもそも、与党優勢のなか、野党から出馬したいという人は限られる。大きな得票が期待されるタレント候補は比例で出馬する傾向にありますが、立憲と国民の比例名簿は1~5位まで、すでに組織内候補で固まっています。



 おのずと、これから公認されても当選確率は下がる。それを承知のうえで出馬してくれる有名人を探し出すのは至難の業です」



◆美しすぎる弁護士、『恋のから騒ぎ』OG…



 実際、判明している野党の目玉候補は限られる。国民から出馬予定のタレント候補は現状、関西のバラエティ番組などで活躍する羽衣国際大学教授のにしゃんた氏のみ。一方、同氏と大阪選挙区で議席を争うのが、立憲の亀石倫子氏。GPS捜査の適法性を争う裁判などで活躍した、“美しすぎる弁護士”だ。



 同じく立憲は比例に、漫才師のおしどりマコ氏擁立を決めている。芸人活動の傍ら福島第一原発事故の取材を続け、SPA!にも寄稿してきた異色の候補者だ。ただし、ひときわ大きな注目を集めているのは、『恋のから騒ぎ』(日テレ系)出演経験もある元都議の塩村文夏氏。全国紙政治部記者が話す。



「都議会でのセクハラ野次被害で全国区の知名度を獲得し、’17年の衆院選では国民の公認候補として出馬しましたが、落選。2度目の国政チャレンジとなる今回も国民からの出馬が決定していたのに、1月に立憲への鞍替えを表明しました。より当選確率の高いほうへ、という判断でしょうが、その尻の軽さには立憲内でも疑問の声があがった人物です。ただし、出馬予定の東京選挙区は今回から改選数が5から6に増えるため、塩村氏の6位当選なら十分可能と見られています」(全国紙記者)



◆有力候補として急浮上、元貴乃花親方



 この東京で自民からの出馬が囁かれていたのが、元貴乃花親方だ。



「東京では自民が丸川珠代氏と武見敬三氏で2議席保有していますが、改選数変更を受けて3議席目の獲得に動いていました。その最有力候補が貴乃花。丸川氏は放っておいても当選できる力がある一方で、武見氏は組織票頼み。そこで、丸川氏の票を食わない男性有名人候補として白羽の矢が立ったのです。



 安倍首相の指南役で、貴乃花支援者でもある“怪僧”池口恵観氏が今も説得に動いているという話。自民は東京での3人目の擁立を見送りましたが、比例での出馬の芽は残されている。5月半ばに貴乃花支援者を集めたパーティを開催するという情報もあって、注目を集めています」(同)



 さらに自民では“レジェンド”や有名女優の名前も挙がっているという。



スキージャンプ葛西紀明選手もタレント候補として出馬する可能性があります。平成最後のシーズンはW杯個人総合37位という成績。代わって、後輩の小林陵侑選手が日本人初のW杯個人総合王者になっただけに、第一線を退いて政界に転身する余地はあるという話。一方、女性で注目を浴びているのは動物愛護活動に取り組んでいる杉本彩。麻生副総理行きつけの銀座の高級クラブのママと杉本さんが親しい間柄のため、ママを通じて口説いているという話もあります」(週刊誌記者)



◆火種がくすぶる選挙区も



 ただし、今後の政治を占ううえで注目すべきは、自民党内の勢力争いに直結する選挙区の動向だ。



「忖度発言で更迭された塚田一郎前国交副大臣は改選組で、今回から改選数が2から1に減る新潟選挙区。野党共闘が実現すれば、議席を失う可能性もあると見られています。



 これに頭を悩ませているのが麻生副総理。麻生派は参院では少数派のため、1議席が貴重。4月には新潟選出で、昨年の新潟知事選で自公推薦候補の勝利に尽力した鷲尾英一郎衆院議員が菅義偉官房長官のおぜん立てで自民党入りしたため、“鷲尾効果”で票の上乗せ期待もありますが、麻生氏と菅長官の不仲は知られている。



 麻生氏は地元・福岡選挙区の改選数が3から4に増えることを受けて、2人目の候補擁立を唱え、1議席を有する公明党の反発を呼びました。党推薦候補が惨敗した福岡県知事選の影響もあり、参院選麻生派が議席を減らすと党内で麻生氏排除の動きが加速する可能性もある」(藤本氏)



 野党と同様、自民党も一枚岩にあらず……。党内の火種がくすぶる選挙区にも注目したい。



大阪府議・市議選惨敗の公明党参院選がヤマ?



 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏によると、「最も危機感を募らせているのは公明党」。’17年衆院選で初めて全国比例票が700万票を割り込んだ同党は、党勢拡大を目指して首長選や今回の統一地方選での勝利を目標に掲げてきたが、劣勢が続いている。参院選で7選挙区での全員当選を逃せば、凋落は鮮明に。



◆激戦必至の参院選注目選挙区



<東京 改選議席数5→6>

自・現 丸川珠代(48) 元五輪担当大臣(細田派

自・現 武見敬三(67) 元厚労副大臣(麻生派

公・現 山口那津男(67)公明党代表

立・新 塩村文夏(40) 元都議・元タレント

共・現 吉良佳子(36) 共産党中央委員

無・現 山本太郎(44) 元俳優・「れいわ新選組」代表



<大阪 改選議席数4>

自・現 太田房江(67) 元大阪府知事(細田派

自・新?柳本顕(45)  元大阪市

公・現 杉久武(43)  元財務政務官

維・現 東徹(52)   党総務会長

共・現 辰巳孝太郎(42) 共産党常任幹部会委員

立・新 亀石倫子(44) 弁護士

国・新 にしゃんた(49) タレント・大学教授



<新潟 改選議席数2→1>

自・現 塚田一郎(55) 前国交副大臣(麻生派

立・現 風間直樹(52) 元外務政務官



取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社 時事通信社 アフロ 亀石氏と増原氏は本人ツイッターより

※4/23発売の週刊SPA!「今週の顔」より





塩村文夏氏(立憲・東京) 元グラビアアイドル。都議を1期務めて、’17年衆院選に国民から出馬。’19年1月に立憲へ