中国の法律に精通する米国の専門家はこのほど発表した調査報告書で、中国通信機器大手、華為技術ファーウェイ)の実質の所有者は「中国当局である可能性が大きい」との見方を示した。

中国当局が公開する工商登記情報によると、ファーウェイの株式は、創業者の任正非氏が1%、華為投資控股有限公司工会(労働組合)委員会が99%とそれぞれ保有している。

中国法律専門家で米ジョージワシントン大学法学部教授のドナルドクラークDonald Clarke)氏と、フルブライト大学ベトナム校のクリストファー・バルディング(Christopher Balding)教授はこのほど、共同で調査報告書を発表した。

非上場企業であるファーウェイは、社員が労働組合を通じて株式を所有する、従業員持株制度を採っていると宣伝している。報告書は、ファーウェイの従業員持株制度は一般的な従業員持株制度と異なる、との見方を示した。中国の労働組合は、当局の支配下にある中華全国総工会が管理しているため、ファーウェイの社員は労働組合の方針、決定などに発言権を持っていないと教授らは指摘した。

また教授らは、ファーウェイが社員らに与える「ファントムストックPhantom Stock、架空の株式)」について、実質的に賃金の一部でインセンティブであり、法で定める会社の所有権や経営決定権と無関係だとした。社員がこのファントムストックを他人に譲渡・売却することはできず、退職の場合、同労働組合がその社員が持つファントムストックを買い取らなければならない。

教授らは、現有の公開情報では、ファーウェイの真の所有者は誰であるかをはっきりと示すことができないと指摘した。現時点では、中国当局が間接的に同社のオーナーである可能性が高いとの認識を示した。

ファーウェイ側は教授らの指摘を否定した。労働組合はその代表委員会を通じて、株主である社員の権利を行使するうえ、労働組合の代表者は株式保有の社員によって選ばれているという。しかし、ファーウェイは、三権分立を議論すると投獄される可能性のある中国で、なぜ同社の社員がこのような民主的な権利があるかを説明しなかった。

ボイス・オブ・アメリカ(VOA)20日付によると、2003年ファーウェイ社員2人が、一株当たり純資産(BPS)額で株式を買い取らないとして、同社を相手取って訴訟を起こした。当時、広東省最高人民法院(地裁)は、ファーウェイの発起人だけが工商管理部門で登記を行ったが、同社の社員は株主としての登録を行っていないと指摘した。地裁は、関連規定に基づき、ファーウェイ労働組合が保有する株式は「ファーウェイとその社員の契約」であり、ファーウェイ社員は同社の株主ではないとの結論を付けた。

クラーク教授らは報告書において、ファーウェイ労働組合が同社の99%株式を保有するということは「ファーウェイはある種の国有企業であることが示された」とした。

いっぽう、英紙タイムズは20日、英政府情報筋の話を引用し、中国の軍当局、国家安全当局と情報機関当局がファーウェイに資金を提供していると報道した。米中央情報局(CIA)が英政府にこの情報を伝えたという。

(翻訳編集・張哲)

米専門家はこのほど、中国通信機器大手ファーウェイの実質的なオーナーは中国当局であると指摘した(LIONEL BONAVENTURE/AFP/Getty Images)