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 ご存じのように北半球南半球では生態系が異なる。オーストラリアは昔から世界でも最も危険な蛇が多く生息する国として知られてきた。ここでは、オーストラリアに生息する最も危険な蛇を10種類ほど見ていくことにしよう。そのオーバーキルっぷりに恐れおののくことだろう。

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1. イースタン・ブラウンスネーク(コモン・ブラウンスネーク)

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生息地:オーストラリア東部

 俊敏で攻撃的な性格。マウスによるテストによって陸上で生息する蛇の猛毒ランキング2位にランクされている。彼らは人々が生活する地域に住む事が多く特にマウスが生息しやすい田舎町等でよく発見される。

 警戒状態になると身体を地面から上げ、Sの字に身体をくねらせ、口を大きく開け噛みつく準備をする。彼らの毒が一度身体の中を駆け巡れば全身まひを引き起こし、血の凝固を阻害し、血清が必要となる。被害を受けた人間はものの数分で危険な状態になるだろう。

2. ウェスタン・ブラウンスネーク(グワーダー)

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生息地:オーストラリア全域に生息しているが、雨期の多い東部や南西部では見られない

 東部に生息する蛇よりはまだ穏やかな方であるが、それでもとても素早く気性が荒い。邪魔をされるとすぐさま物陰に逃げ、追い詰められると威嚇し、相手が驚いている間に颯爽と逃げ去るのだ。

 タイガースネークよりも毒性は低いが、タイガースネークの3倍の量の毒を獲物に注入する。噛まれても、その噛み痕は非常に小さく目視では発見しにくい。噛まれると、ほどなくして頭痛、吐き気、腹部の痛み、凝固障害、腎臓被害を受ける。

3. メインランド・タイガースネーク(コモン・タイガースネーク)

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生息地:オーストラリアの南東部沿岸、ニューサウスウェールズ州からビクトリア州・タスマニア州付近。オーストラリアの南部の一部の地域でも発見されている。

 メインランドタイガースネークはオーストラリアでの蛇被害件数2位を誇る。その大きな理由は彼らの生息地がメルボルン等の人口密度の高い都市と隣接しているからである。メインランドタイガースネークは農場などマウスが見つかりやすい場所を好み夜行性である。その為、暗闇にまぎれた彼らに気付かず噛まれてしまうケースが多いのだ。

 彼らによって噛まれたら、早急な処置が必要だ。初期症状としては足や首の痛み、痺れ、汗ばみなどがあり、その直後に呼吸困難や全身まひを引き起こす。またその毒は血液や筋肉に大きなダメージを与え、結果として腎臓不全をも引き起こしてしまう。

 成長したメインランドタイガースネークはほとんど縞模様である。ベースの色は薄い黄色で、その上を黒い縞模様が覆っているのだ。成長すると2メートルもあるこの蛇は脅威を感じると体制を低くし、素早く噛みつく。

4. ナイリクタイパン(フィアス・スネーク)

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生息地:クイーンズランド州、南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリーにある渇いた土地で見つかる岩の間など

 ナイリクタイパンは人里離れた山岳地帯の岩の隙間等に生息しているためめったに出会うことはない。ナイリクタイパンがこのランキングに入っている理由は彼らの持つ毒にある。彼らの毒は地球上の蛇で最も強力だと言われており、大人の人間に噛みつけばものの45分で死に至らしめるという。

 ケナガネズミを主食とする彼らは獲物を素早く仕留める為に一匹のネズミに200グラムのネズミを殺すのに必要な毒の4万倍の量を一瞬にして注入する。この一瞬の出来事から逃れる事の出来るネズミはごく少数であろう。過去ナイリクタイパンによって噛まれた人間は片手に数える程しかいない。

5. コースタル・タイパン(イースタン・タイパン)

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生息地:北ニューサウスウェールズ州東部からブリスベン、西オーストラリア州北部で円を描くように生息しており、サトウキビが多い地域で発見されている。

 コースタル・タイパンはオーストラリアで発見される蛇の中でも最も長い牙を持っており(1.3cm)、世界中に生息する陸上蛇の中でも三番目に強い毒を持っている。

 極めて気性が荒く、突然目の前に現れたりした場合、一瞬止まり、すぐさま身体全体を押し出す素早い動きでスナップを効かせるように相手に噛みつく。しかし、彼らは驚かせなければ何もしてこない蛇でもあり、戦うよりも逃げる事を好む。

 1956年に血清が作られる前は、タイパンによる被害は膨大だった。三番目に強い毒といってもあなどるなかれ、その毒は血液だけではなく、神経にも作用し、吐き気、痙攣、内出血、筋肉や腎臓破壊等を引き起こす。この蛇に噛まれ30分ほどで死亡した人もいたそうだ。

6. マルガ・スネーク(キングブラウン・スネーク)

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生息地:ビクトリア州、タスマニア州、他西オーストラリア州南部の地域以外のオーストラリア全土で生息が確認されている。

 マルガ・スネークオーストラリアで最も重い毒蛇で、一回の噛みつきで流し込む毒の量も150ミリグラムと膨大だ。オーストラリアの蛇は平均で10~40ミリグラムの毒を一度の噛みつきで流し込むと考えると、この数値が如何に大きいかが分かる。

 彼らの気性は生息地域によって大きく左右される事が分かっている。南マルガ・スネークは比較的大人しく、静かであるのに対し、北側のマルガ・スネークは非常に気性が荒く、立ちふさがる者に対して身体を大きく見せ、左右に身体を振りながら「シュー」という威嚇の音を出す。

 マルガ・スネークは「キングブラウンスネーク」の別名でも有名だが、実際はPseudechisというブラックスネーク類の親戚で、治療の為にはブラウンスネークではなくブラックスネークの血清が必要となる。

7. ローランド・コッパーヘッド(コモン・コッパーヘッド)

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オーストラリア南東部、南ビクトリア州、タスマニア、バス・ストレイト

 ローランド・コッパーヘッドはかなり寒い地域に生息している。水辺を好み、ダム、湿った土地、下水路、人工水路等に生息する。

 臆病で人間との接触を好まないが、水辺を好む理由から人間の生活区域とかぶってしまう事が多い。角に追い込まれると「シュー」という威嚇の音を出し、身体を平たくするが、多くの場合噛む事は無い。更に彼らを苛立たせようものなら噛みついてくるかもしれないが、彼らの噛みつきは遅く、また命中精度が悪い。

 コッパーヘッドの毒は神経毒である。赤血球を破壊し、筋肉の損傷を招くが応急処置をすれば大きな問題になる事は無い。

8. スモールアイド・スネーク(イースト・スモールアイドスネーク)

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生息地:ビクトリア州からケープヨークへと続く東の沿岸部

 体長50センチほどのスモールアイド・スネークは小柄ではあるがその毒は侮れない。だがその認知度は低く、死亡事故が存在している。スモールアイド・スネークの持つ毒は筋毒素であり、非常に半減期が長い為、噛まれてから数日間かけてじわじわと筋肉を破壊していく。

 スモールアイド・スネークは主に夜行性であるため人間との接触は少ないものの、彼らの黒い背中と濃いグレーの腹部は闇に溶け込んでしまう。邪魔をされると軽いスナップを効かせるような攻撃を放つが、彼らが噛むのはこの状態から更に邪魔をされた場合に限るのだ。

9. コモン・デスアダー(サウス・デスアダー)

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生息地:東オーストラリア州(ただし北部と南部を除く)、南オーストラリア州南部と西オーストラリア

 コモン・デスアダーはむやみに動きまわらない静かなる捕食者だ。枯れ葉、砂、砂利等に隠れ尻尾をミミズのようにさせて捕食対象を騙して近づけさせるのだ。

 コモン・デスアダーはここで紹介した他の蛇とは違い、逃げ回る事が無い。彼らを踏もうものならその場で噛みつかれる。その為登山者は、足場に気を付けなければならない。

 血清が登場する前、コモン・デスアダーに噛まれた人の半数が亡くなってしまっていた。彼らの毒には神経毒の一種が含まれており、人間の触覚を狂わせ、呼吸器系に異常を起こし、全身まひへと繋がり、最終的には噛まれた人間は死んでしまうのだ。

10. アカハラクロヘビ(コモン・ブラックスネーク)

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タスマニア州と南オーストラリア州南東部の一部の地域以外のオーストラリア東部の沿岸

 アカハラクロヘビの毒は他のオーストラリアの蛇よりも毒性が低いものの、生息地域が人間の生活区域とかぶっている為危険度は高い。

 アカハラクロヘビはシドニー近辺で見つかる数少ない毒蛇であり、体長2メートルもある為、他の種の蛇を丸のみする事もある。攻撃的ではないため、人間から逃げる事を最優先とするが、他の蛇同様、執拗に追いかけると「シュー」といった威嚇音の後に反撃を喰らうだろう。

 彼らの毒は赤血球、筋肉、神経の破壊を引き起こす。しかし、彼らの被害による死亡事故は現在に至るまで記録されていないので、適切な治療がされれば大丈夫だろう。

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 オーストラリアには非常に危険なヘビが多く存在するが、最近では治療法が確立したため、噛まれて死ぬことは少なくなった。また、地元の人々もヘビの危険性を知っているのでむやみに近づいたり威嚇したりしない。

 もしオーストラリアに旅行にいった場合には、上記リストチェックし、珍しいヘビだからといって近づいたり、ヘビの生息地に入ることのないようにしよう。

via:australiangeographic・原文翻訳:riki7119

追記:(2019/4/24 )本文を一部訂正して再送します。

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52195136.html
 

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