スマートフォンに代表されるように中国製品のなかにも世界的に高い競争力を持つ分野は存在するが、多くの消費者にとって中国製造業のイメージはまだ「安かろう悪かろう」というものではないだろうか。

 中国人自身も中国製造業の競争力の高まりを実感しているようだが、まだ日本やドイツの製造業には「追いついていない」と感じられるという。中国メディアの捜狐はこのほど、日本とドイツの製造業について考察する記事を掲載し、どちらも「規律」や「厳格さ」を重視する国であることを強調する一方、「厳格さの性質は異なっている」と伝えた。

 記事はまず、日本とドイツはどちらも工業大国であり、世界の製造業を主導する立場にある国だと指摘。自動車や工作機械、ロボットといったハイエンド製造業で世界をリードしていると指摘し、どちらの国の製造業も「真面目さ」、「厳格さ」、「緻密さ」が代名詞となっており、それを実現するために厳しい基準を定めているが、その厳格さは全く同じではなく、性質は大きく異なっていると論じた。

 続けて、ドイツの製造業が重きを置くのは「正確さ」、「精密さ」といったアプローチであり、日本の製造業は「細部へのこだわり」、「極致化」というアプローチであると強調。たとえば日本の製造業はすでにあるものに手を加え、より優れたものに改善するのが得意であるとし、これが「極致化」であると主張する一方、ドイツの製造業は何事もルールや規則を制定し、規則を厳格に守りつつ曖昧さを排除していくアプローチであると強調し、日本とドイツの製造業はどちらも高い競争力を持つが、その性質や競争力の源泉は異なっていて興味深いと結んだ。

 中国人の口癖といえば「馬馬虎虎(マーマーフーフー)」、「差不多」という言葉が挙げられるだろう。これはどちらも「まあまあ」、「だいたい」という意味であり、この言葉を多用するあたりからも中国人のおおらか気質が見て取れる。中国製品の質は向上していると言われるが、どういうわけか中国国内で販売されている電気製品は長持ちしないことが多く、こうした品質は「差不多」の精神が根本的な原因という指摘もあるほどだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本もドイツも製造業が強い・・・だが競争力の源泉は違うようだ=中国メディア