急激に進む米国エネルギー革命205
マイクログリッド元年となる2020年と激動の次の30年~
セミナー詳細
ttp://www.ssk21.co.jp/seminar/re_S_19197.html

[講 師]
クリーンエネルギー研究所 代表 阪口 幸雄 氏

[日 時]
2019年6月3日(月) 午後1時~5時

[会 場]
SSK セミナールーム
東京都港区西新橋2-6-2 ザイマックス西新橋ビル4F

[重点講義内容]
昨年カリフォルニア州で起こった大規模山火事は、当該地域の電力会社
であるPG&Eの高圧送電線でのスパークが原因であると考えられており、
PG&EはChapter11(日本の会社更生法に相当)を申請し
経営破綻した。電力やガスの供給は継続しているが、公共財である電力の
安定供給義務と、老朽化したインフラの整備という「火中の栗」を誰が
拾うか、地方自治体(例えばサンフランシスコ市)が電力供給に乗り出す
のか、この問題が最終的にどう収束するかまったく見えない。
講師は米国に長年居住し、PG&Eが経営破綻した前回の「カリフォルニア
エネルギー危機(2000~2001年)」も経験しているが、
エネルギーに関して、今また新しい危機(Clear and
Present Danger:いまそこにある危機)が来ていると感じる。
米国では、山火事に限らず、東海岸を襲うハリケーンや、冬季の
ブリザードによる電力網の分断が大きな問題になっている。個人の生活・
民間企業の活動・自治体を含む公共サービス全体での「安全・安心の維持」
のための電力網の強靭性(レジリエンシー)が強く望まれるのは米国でも
日本でも同じである。
それゆえに「商業施設や公共施設のマイクログリッド化」と、「家庭に
おけるエネルギー貯蔵装置の設置」が急速に進展しているわけではあるが、
公共インフラを置き去りにして、個人なり企業なりが逃げ出すのは問題が
大きい。
送配電も整備のコストを下げるためにも、米国の電力会社では、「NWA
(Non Wired Alternative=送配電網を更新しなくて
済む電力供給の維持)」が一種の流行り言葉となっているが、このような
方向は好ましいと思う。
また、クリーンエネルギーという論点から見ると、米国の一部の州で
「再生可能エネルギー発電」が急激に進んでいる。カリフォルニア州
ハワイ州は「2045年までの再エネ発電100%」を州法化し、前向きに
進めており、再エネ発電比率は順調に伸びており、それ自身は大変良いこと
である。しかし、これも電力の安定供給という面では大きなリスクを孕んで
おり、あまり急速に進めすぎると、それはまた危機と隣り合わせになる
リスクを負う。災害に弱い送電網と急激な再エネ化は、「安全装置」なし
では「いまそこにある危機」となる。また、再エネ発電は、「大規模集中型」
と「分散型(需要家内設置)」に大きく分かれ、その性格や利点・欠点が
異なり、同一で論じるわけにはいかないが、これらがごっちゃに語られる
ことが多くて論点がボケる傾向にある。
電力網の強靭性(レジリエンシー)を維持するためにはどちらかだけでは
ダメで、それぞれの特性をわきまえた「バランス」とエネルギーの貯蔵が
大事になってくる。ガスや水道のような他の社会インフラと違い、電力は
基本的に「貯蔵ができない」という特性があり、「同時同量の維持」が
極めて大事である。また、今までの「大規模な一方向の電力の流れ」から
「フィーダー線に入り込んだ分散電源からの入り乱れた双方向の電力の流れ」
に変わろうとしている。ただ、「電力は貯蔵ができない」という特性は、
幸いに覆されつつあり、このトレンドも詳しく見ていく。
今後増えると考えられる「分散電源」の「管理」は思った以上に難しく、
またインフラ整備と、運用(サービス)は別もので分けて考える必要がある。米国の大手の電力会社では、DERMSの導入が急速に進み出したが、この内容も詳しく解説する。
また、カリフォルニア州での温暖化対策の手法となっている
「Cap and Trade制度」の概略と、その一つの例である
採油現場での対策例を示す。日本は学ぶことが多いが、今回は、
トピックスを8つに絞り、現状と今後の方向と日本が学ぶべき点を詳しく
解説する。


1.米国におけるエネルギー問題の根本はどこにあるのだろうか
 (1)エネルギーと安全保障
 (連邦政府と州政府の関係は日本からは見えにくい)
 (2)州ごとに異なるエネルギーミックス
 (3)一次エネルギーと二次エネルギー
2.米国における再生可能エネルギー発電の動向
 (1)再エネ化(まずは発電セクター)は果たして進むのか?安全保障は?
 (2)カリフォルニア州の例
 (3)ハワイの例
 (4)「分散型再エネ発電」と「集中型再エネ発電」は
 Different Animal(違う動物)
 (5)再エネの『SAKAGUCHI MODEL』で考える
3.グリッドエッジとDERMS
 (1)どうして、米国ではグリッドエッジが注目されるのか?
 (2)DoE(エネルギー省)が音頭取り
 (3)ハワイでの実証実験(SEAMS:System to
 Edge-of-Network Architecture and
 Management for SHINES)
 (4)グリッドエッジは安全装置
 (5)電力会社が採用を始めたDERMS
 (Distributed Energy Resource Management System)
4.エネルギー貯蔵装置
 (1)エネルギー貯蔵装置の位置付け
 (2)エネルギー貯蔵のコスト
 (3)ハワイで採用が決まった「ソーラー+エネルギー貯蔵装置」
 の驚きのPPA契約価格
5.分散電源と家庭内や商業施設内のエネルギーマネージメント
 (1)エネルギーマネージメントの重要性は過小評価されている
 (2)家庭や商業施設で消費されるエネルギー
 (3)コネクテッドデバイスとスマートサーモスタットとAIスピーカー
 (4)家庭内の陣取り合戦(Google,Apple,Amazon,etc
 (5)家庭内エネルギー消費の半分以上は熱だが、
 熱をどう作ってかつ管理するか
6.ブロックチェーンとエネルギー
 (1)ブロックチェーンをエネルギーに適用すると何が嬉しいのか?
 (2)仮想通貨とは全くアプローチが異なる
 (3)果たしてコスト低減になるのか?
7.2020年は、マイクログリッド元年に
 (1)頻発する自然災害がマイクログリッド化を推進
 (2)2020年は、マイクログリッド元年になる
 (3)マイクログリッドとVPPは意味合いが違う
8.キャップアンドトレードと鉱工業部門でのGHGガス削減目標
 (1)カリフォルニア州2050年までにGHG排出を
 1990年比で80%削減目標
 (2)キャップアンドトレード制度は実効性に批判があったが
 鉱工業分野では効果を発揮する
 (3)事例:油田採掘の再エネ化とマイクログリッド化
9.最後に、日本が米国から学ぶべきこと
10.質疑応答・名刺交換

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