阿蘇の自然に委ね、自分と向き合う3日間

ヨガをしている人なら、「リトリート」という言葉はよく耳にするのではないでしょうか。リトリートツアーを開催するYOLO編集部には、リトリートってどんなツアーなの?と、聞かれることもあります。

リトリートツアーとは?その答えは一つではありません。YOLOのリトリートツアーは今回で3回目ですが、いずれのツアーでも同じような内容は一つとしてなく、参加する方々が得るもの、感じることも実にさまざま。一つだけ言えるのは、ツアーを終えた女性達の表情が、初日のそれとはまったく違っているということ!リトリートには、そうしたパワーや愛が潜んでいるのかもしれません。

今回のリトリートツアーは、熊本県阿蘇にある「かんぽの宿 阿蘇」を舞台に3日間のスケジュールで行われました。講師は、ヨガインストラクターの浅野佑介さん。浅野さんのリトリートはどんなツアーだったのでしょうか?ツアーを前に、浅野さんはこんなことを考えていたと言います。

「実は、アレをやろう、この話をしよう、と決めていることはほとんどないんです。参加する皆さんとは、普段のヨガレッスンの時とは違って長い時間一緒にいられるので、ヨガのポーズを練習するだけではなく、ポーズの練習を通して交流を深めたり、笑ったり楽しんだりする時間をたくさん作ろうと思っていました。」

そうしてはじまった阿蘇でのリトリートツアーは、サンセットヨガからスタート。

かんぽの宿 阿蘇は、雄大な阿蘇五岳の麓に位置する絶好のロケーションが何よりの魅力。ホテルの部屋からは、陽射しを受けて刻々と美しく姿を変える山並みを望むことができ、ホテルの敷地内でもゴルフやテニスなどさまざまなアクティビティーを楽しむことができます。せっかくのこの眺望をまずは楽しみながら、ツアー最初のヨガがはじまります。

参加した15人は、首都圏・近畿・九州・北海道など、さまざまな場所から来ており、年齢も20代~40代とばらばら。全員ほぼ初対面なので最初はやや緊張気味でしたが、浅野さんのリードでヨガをするうちに、少しずつ雰囲気も和やかになっていきます。

「まずは、この大自然を感じてヨガをしましょう。そして、この3日間、ヨガのポーズ以外のことも一緒にやっていこうと思います。」

浅野さんの穏やかな声が大地に響くと、女性達の集中力もすうっと高まるように、心地いい凛とした空気が流れていきます。浅野さんのヨガは、比較的スローなペースで丁寧に言葉を伝えながら、じっくり体を動かすインストラクションが特徴。はじめての人やビギナーでもわかりやすくヨガの動きをとることができるので、参加者の皆さんも無理なく体を動かせているようす。

こんな風に、全員でヨガを行い、メンバーの交流をゆるやかに図るのも浅野さん流。輪を作った15人からは、笑い声や笑顔がこぼれます。時折、ウグイスの声がどこからか聞こえてくる、のどか夕暮れに浸り、女性達の心の中にも、穏やかな気持ちが広がっているようでした。

夕食では、一人ひとり簡単な自己紹介を。ツアーに参加した目的と好きなヨガポーズを披露することになり、皆さん思い思いに話をしてくれました。一番多かったポーズはチャイルドポーズとシャバーサナ(屍のポーズ)!笑い声や拍手はもちろん、どよめく場面もあったりと、また一つ和が深まる時間となりました。

途中でスペシャルゲストの「ゆのぽん」が登場!ゆのぽんはかんぽの宿のオリジナルキャラクターで温泉から生まれたお湯の精。いつも大好きな温泉にプカプカ浮いてのほほんとしているそうですが、たまに現れて、かんぽの宿を訪れる人たちを笑顔にするのが得意なんだとか!ということで、全員ニッコリ笑顔になって記念撮影!

皆さんの手のポーズはお湯をイメージした即席&オリジナル!息も合って、楽しそうです♪

「交流すること、話すこと、楽しむことをしましょう。ツアーを通して、人生の目標を立ててみてください。ここで皆さんと話したことは、外には出しません。そのことを、全員で約束しましょう。そして、楽しい3日間にしましょう。」夕食前に、浅野さんは優しくそう語ってくれました。対話と交流を深め、人生の目標を見つける3日間は、どんな風に進んでいくのでしょうか。

翌日、ツアー2日目は、早朝のモーニングヨガからはじまります。

4月上旬の阿蘇は、朝夜は肌寒く防寒が必要ですが、柔らかな朝陽を浴びながらのヨガは本当に気持ちよさそう!ストレッチの要素や、動きを多く取り入れたヨガで、皆さんの体も心も、気持ちよく目覚めたみたい。

この日は午前中にもう一度、コミュニケーションヨガと呼ばれるヨガセッションを行いました。

予定のセッションタイムは2時間。みっちりヨガをするのかと思っていると、浅野さんが、ゆっくりと、言葉を探すように話をはじめます。

「皆さんは、いま、何を思っていますか?
忙しさや、過去の経験から、自分に制限をかけてしまっていることはないですか?
心の中にいつのまにかできた曇りガラスをクリアにするように、自分の気持ちと向き合っていきましょう。
5人一組になって、改めて自己紹介をしましょう。昨日話してなかったことがあれば、それを吐き出してみてください。自分を制限しているものを探せたら、それを見つめ、手放していく。
『探し、見つめて、手放す』。この3つのことを行って、自分が本当は何を求めているのか?どこへ向かっていきたいのか?そんな風に自分の気持ちと向き合ってみましょう。」

浅野さんがそう話すのを聞きながら、涙が溢れてきた…という女性も。その理由は、兄弟と年が離れていたこともあって小さい頃から一人で過ごすことが多く、それをとりたてて孤独だと思っていたわけではなかったけれど、今思えばやはりあの時、自分は寂しかったんだな…と、ずっと蓋をしていた気持ちに気づいたからだそう。

5人が円になって座り、改めて自己紹介と、自分を制限するものについて、一人ひとり思いを吐き出していきます。

この、コミュニケーションヨガの目的は、「ハートを開くこと」だと浅野さんは言います。30~40分程度、5人の輪で思いをシェアした後、全員で大きな輪を作り、浅野さんのリードで数人の話を再び全員でシェア。

この時、皆さんの心に浮かんでいたのは、誰かの悩みを聞いて「大丈夫だよ」と言いたくなる優しさ、そして、自分の悩みや制限も「私もきっと大丈夫、手放そう」と思える勇気、だったのかもしれません。みんなのハートが、少しずつ開いていきます。

約1時間の対話セッションの次に行うのは、“ハートを開く”ヨガ。

浅野さんのいつものスタイルのヨガをベースに、一番最後にはブリッジにチャレンジ!実は、ブリッジの動きは、とても勇気がいるポーズなのだそう。補助をしてもらっても、怖いと思っているとできない人も多いのだと言います。

「でも、無理だと思っていることに挑戦することで、ハートを開き、自分の力で考えたり、発信できることに気づいてほしい、そして、不安なときは仲間がそばにいるよ、ということを伝えたい。」浅野さんのリトリートのエッセンスが、このコミュニケーションヨガには凝縮されているのです。

なんと、全員がブリッジにチャレンジし、補助を受けながらでも成功!「絶対できないと思っていたのに!」「怖かったけど、補助の腕を信じて体重を預けてみたら体がブリッジしていた!」と、興奮気味に話す皆さんの表情は、本当に生き生きと輝いていました。

2時間のコミュニケーションヨガを終えると、午後はまるまる自由時間!

取材班は、オプショナルツアーの乗馬体験に同行!阿蘇の外輪山に広大な牧場をもつ「エルパティオ牧場(http://epr-r.com/elpatio/concept/index.html)」では、まるでどこか外国の荒野を行くようなワイルドなロケーションで一人一頭の馬に乗る乗馬体験を楽しむことができます。

最初は全員、手綱をもつだけて精いっぱいでしたが、次第に慣れて周りの景色や、馬の背からの眺めも楽しめたみたい♪

他のメンバーも、オプショナルツアーのパラグライダーにチャレンジしたり、宿に近い阿蘇神社まで散策をしたりと、それぞれ思い思いに阿蘇での時間を満喫していました。

ちなみに、かんぽの宿 阿蘇は広々とした大浴場と露天風呂が自慢。ヨガでしっかり体を動かしたあとは、ゆっくりお風呂に浸かってのんびり過ごすのも最高。また、「美肌の湯」として人気であるため、リラックス&リフレッシュにおすすめ!おしゃれなカフェが並ぶ阿蘇神社も近く、女子旅にもぴったりです。

そして、今日の締めは…星空メディテーション。気温が低く、ヨガマットを敷いてメディテーションをするにはややタフなコンディションだったため、全員で星空に包まれながら、ゆるりと過ごすことに。阿蘇の夜空は、まさに満点の星空!星空を見上げていると、ヨガで体を動かした疲労感とともに、心が安らいでいる充足感が体全体に満ちていくようで、なんともいえない幸福感を感じます…。今日はみんなぐっすり眠れそう♪

リトリートツアーも、あっという間に最終日の朝。早朝のモーニングヨガは室内で行ったこともあって、みんなリラックスモード。畳の上でヨガをやることで、心も落ち着き、より気持ちのいい時間に。畳ならではの、体をやさしくもしっかりと支えてくれる感じが、より気持ちをほぐします。最後にカメラを向けると、全員、本当にいい表情で思い思いのポーズをとってくれたのが印象的でした。この、明るく、柔らかなエネルギーこそが、皆さんがツアーで得たことだったのかもしれないですね。

そして、今回のツアーの最後のトークセッションを迎えます。窓から阿蘇五岳を見渡せる広間で、大きな輪になって、「シンプルに話したいことを話しましょう。」と浅野さんに促されるように、何人かが手を挙げて、ツアーの感想や、自分の心の動きや変化、このツアーで決断したことなどを、晴れやかな表情で語ってくれました。

「話したい人が、話したいことを話しましょう、さぁ、どうぞ。」そう言いながら浅野さんは、強制ではなく、自主的に、誰もが自由に発信できる場と雰囲気を作り出します。

「僕は、自分がいないとヨガができないようにはしたくないんです。ポーズをとる時も、自分にあった手の置き方、足の幅でいいよと言いますし、自分で考えて、自分に合うポーズや姿勢を見つけてほしいと思っています。そして、自力でハートを開くこと、自力で立ち上がり、自力で発信することが、ヨガを通して伝えたいこと。そして、そこには常に思ってくれている仲間がいるよ、ということも伝えたい。僕の役割は、その自立を見守り、サポートすること。だから、ツアーが終わる頃には自分以外全員、すごい仲良くなって連絡先を交換していたりして、一人でぽつんと居ることもあるんですよ(笑)」

そんな風に笑う浅野さん。普段のヨガレッスンでは、そうはならないそうで、ツアーならではの光景なのだそう。ちょっぴり寂しい気持ちもするけれど、それはきっと浅野さんのリトリートが、しっかり参加した皆さんに届いているということ。最終日の皆さんの晴れ晴れとした表情が、何よりの証拠なのでしょう。

抱えていた悩みを手放せた人、人生の目標を再確認できた人、何かを決意した人、蓋をしていた気持ちをみんなの前で話せた人…。3日間のツアーで、何を得たのかは人それぞれだったはずです。でもきっと、普通の旅では体験できない他者との交流や自己をみつめる時間をもつことで、自分の中に何かしらの変化(浅野さんが伝えたかった「自立する力」)が芽生えたのではないでしょうか。

阿蘇の大自然のもと、ツアーを経た皆さんの人生が、これからもずっと豊かで、自由で、笑顔に満ちたもでありますように。

今回のツアーを温かくサポートしてくれたかんぽの宿 阿蘇での3日間は、自分と向き合い、自立する勇気をくれるヨガの力、自分の人生を、自らの足で歩いていく価値や意味に気づかせてくれるリトリートの魅力。そんな宝物のような気づきがたくさん詰まっていました。

ヨガを楽しむ宿泊プラン開発に向けたモニター体験キャンペーン実施中!

かんぽの宿 阿蘇では、ヨガを楽しむ女性に向けた「ASOネイチャーリングヨガ」モニター体験キャンペーンを実施します。1泊2日のプランがなんと500円!(※参加条件:アンケート記入・座談会の参加)
カルデラに包まれ、大自然に身を委ねながら、いつもと違うヨガを“お得に”楽しんでみてはいかがですか?

https://www.event-forum.jp/kanponoyado/aso/

■キャンペーン内容
応募期間:2019年4月26日(金)~5月31日(金)
実施日:2019年7月6日(土)~7月7日(日)(1泊2日)
賞品内容:かんぽの宿 阿蘇で実施する1泊2日の<「ASOネイチャーリングヨガ」モニター体験>を500円でご招待
※アンケートへのご回答や、ヨガの宿泊プランに関してのご意見などをおうかがいする座談会(初日の夜に予定)へご参加いただきます。
※初日の夕食、翌日の朝食は含まれておりますが、飲み物のご注文や、館内でのご飲食については、各自でのご負担になります
当選者数:15名

撮影:依田裕章
ライター:酒井あやこ

ヨガを通して「私」を見つめるリトリート旅。YOLO CAMP in ASOレポート