シンガーソングライターのマキアダチは、DAWを使ったトラックメイクアレンジまでマルチにこなす注目の存在だ。そんな彼女が演歌の大御所ネット界の《ラスボス小林幸子モチーフに創作した楽曲「MEGA GRANDMA」が、この時期になると聴きたくなる。それは恒例『ニコニコ超会議』が話題になるからだ。「超会議」の主役ともいえる小林幸子リスペクトしたこの曲について触れてみたい。

GW時期の風物詩的な存在になっているのが、2012年から開催されている、ネット発&日本最大級の文化祭ニコニコ超会議』だ。今年も4月27日、28日に幕張メッセで開催されるが、このイベントで毎回注目を集めるのが、《ラスボス》こと小林幸子だ。小林がステージで身にまとう豪華な衣装 (セット)が、ゲームに登場する《ラスボス》のようだとゲームユーザーの間で話題になったことから、そう呼ばれるようになった。その小林は今年も平成最後の"最終形態"で『ニコニコ超会議2019』に参加し、ユーザーと共に作り上げる 『スペシャルショーケース「花KAGARI」』に登場する。またまた大きな注目を集めそうだ。

そんな小林幸子モチーフにした歌があるのをご存じだろうか。DTMを駆使し、自身ですべての楽曲の作詞・作曲・アレンジサウンドプロデュースミックスまでマルチにこなす、話題のシンガーソングライター、マキアダチの「MEGA GRANDMA」だ。2015年に発売した1stアルバムMAKI ADACHI』に収録されている作品で、ハードギターの音色に乗せ、キュートな声で言葉を畳みかける、どこか尖った世界観の中に、そこはかとなく90年代の匂いを感じる。一度聴くと耳から離れない中毒性がある楽曲だ。

この曲についてマキアダチは、“テーマは〈イケてる偉大なおばあちゃん〉。小林幸子さんは、モチーフというかあくまでもキッカケということなので、小林さんのことをおばあちゃんと言ってるわけではないので、誤解があると困りますけど…、2014年下北沢で行われたサーキットイベントSOUND CRUSING』で、《七尾旅人VS小林幸子》 という形でコラボライヴをしていた小林幸子さんを観た時に思いつきました。当時《ラスボス》という愛称で若者たちから呼ばれていた小林幸子さんですが、下北沢で開催される若者だらけのサーキットイベントで、デビュー50年以上の国民的歌手のライヴを見れるなんて異例かつ凄いことだと思い、また実際にライヴを見て、面白い事、新しい事に常に挑戦し続ける姿がとても格好良くて、感銘を受けたので曲にしました"と語っている。

演歌の大御所ネットの世界に進出し、若い人たちからその抜群の歌唱力とキャラクターを絶賛され、一躍時の人になった小林幸子が、下北沢ライヴハウスに“降臨"し、歌う姿を目の当たりにし、“鮮やかなショック"を受け、書いたのが「MEGA GRANDMA」だ。

“楽曲のタイトルは、当時の小林さんの最終形態といわれていた『メガ幸子』からきています。デビュー50周年を迎えても、新しい事に挑戦し続け、ライヴで老若男女の心を掴む小林幸子さんは、きっとおばあちゃんになってもずっと変わらず歌い手として戦い続けるんだろうなと思い、一緒にライヴに行った友人と“私たちもそんな風に格好良いおばあちゃんなりたいよね"と話したことから付けました。この曲『MEGA GRANDMA』には、他にも友人から聞いたおばあちゃんの話や、自分のおばあちゃん等、いくつになっても反骨精神かつ愛をもって戦い続ける、色んな格好良いおばあちゃんが登場します。"

小林幸子に対する、女性として歌手としてのカッコよさに感銘を受け、<Wow! 踏み出す覚悟 止まらない魅力をGRANDMA は持っている>といった言葉を「MEGA GRANDMA」の歌詞に散りばめた。以前、小林にインタビューした際、“思い込みが過ぎると、新しい知識が入らないし、入れようという気持ちにもならないと思います。その思い込みをなくした事で、今は面白い50年間を歌っていて思うのは、自分が“怖い"と思うもの=やっていない事にあえて挑戦しなければ、面白くないと思いました"と語っていたが、その精神に感化され生まれた「MEGA GRANDMA」には、何にも縛られず、自由に音楽を奏でているんだというマキアダチの感性が詰まっている。

様々な、色とりどりの音楽を聴かせてくれるマキアダチ。つかみどころがないようでしっかりとその存在を感じる音楽を奏でている彼女の才能は、近頃業界内外をザワザワさせている。そんな彼女だが、来たる5月25日に、小林幸子ライヴを観て衝撃を受けた『下北沢 SOUND CRUSING』への出演が決まっているようだ。この曲の披露はマストであろう。

Text:田中久勝

マキアダチ オフィシャルHP
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