紀子さまは、ご婚約の頃にネイビーの水玉ワンピースを着てはにかんでいた「川嶋紀子さん」から、いつの間にか長女・眞子さま、次女・佳子さま、長男・悠仁さまの母となり、秋篠宮家を切り盛りされながら、献身的に公務に取り組まれてきた方、という印象がある。

「受講勝ち取った川嶋さん」

 学習院大学の学生時代、紀子さまは、沖縄文化研究の第一人者で、両陛下へご進講していた故・外間守善氏のゼミ生だった。紀子さまの心理学科とは専攻が異なっていたため、本来受講資格はなかったものの、大学1年生の時から履修計画を立てていて、とうとう参加できたという。「沖縄タイムス」の「受講勝ち取った川嶋さん」(2006年9月19日)という記事で、当時のことを外間氏が回想している。努力を重ねて、夢を実現する。はにかみと共にそんなパワフルさを持ち続けられているのが、紀子さまではないだろうか。

 紀子さまは、平成皇室の女性皇族方のなかでどなたよりも、美智子さまのお召し物やお振る舞いをお手本にされていらっしゃるように拝察している。

 どちらかというと、お召し物は国産派の紀子さま。ある百貨店の特選品フロアからお持ちする品物を数点ご覧になって、お選びになったものをお買い求めになることもあると聞く。

 4月12日、天皇皇后両陛下が「こどもの国」を訪れられたが、2009年12月19日、天皇ご一家や黒田慶樹さん、清子さんご夫妻がお揃いで、足を運ばれたことを懐かしく思い出す。短い距離を歩いて移動される時、天皇陛下皇太子さま、秋篠宮さまという男性陣3人がまとまって、先にすたすたと歩いていかれる様子が、普通の家庭と変わらないように思えて、自然な雰囲気だった。

 愛子さまはお風邪を召されてその日はいらっしゃらなかったのだが、雅子さまがお一人にならないように、すーっと歩みのスピードを緩やかにされて、細やかに気を配られていたのが美智子さまと紀子さまだった。悠仁さまはまだ本当にお小さい頃で、あちこち動き回られるのを、懸命に紀子さまが追いかけられていた。

 カジュアルな洋服をお召しになる時、紀子さまは機能性を重視されているように思う。お茶の水女子大学附属小学校運動会では、ブルーで丈が長めのストライプシャツにホワイトパンツという出で立ちだった。保護者たちの間でとても馴染んでいらして、お茶の水小では「学年委員」を務められていた。佳子さまの学習院女子高等科の運動会では、3年生だった佳子さまの学年カラーが青だったので、応援する気持ちを込められて青いイヤリングを身に付けられていた。そんな風に母としても、完璧な振る舞いをなさってきたのだ。

「家族として非常に難しい状況の中にありますが、私は、長女の眞子がいとおしく、かけがえのない存在として感じられ、これからも、長女への思いは変わることなく、大切に見守りたいと思っております」

 2018年11月、紀子さまは、秋篠宮さまの誕生日会見でこう述べられたが、今でも眞子さまのご結婚をめぐって、母娘関係は非常に複雑なものとなっているのではないだろうか、と拝察している。だが、今後は皇嗣妃として、しっかりとご一家をお支えになる紀子さまのご姿勢は、変わることがないだろうと思う。

(佐藤 あさ子)

1989年9月12日、記者会見を終えた礼宮さまと川嶋紀子さん(当時) ©JMPA