チャンピオンシップ(イングランド2部)の一戦で、珍しい光景が見られた。

その光景は、28日に行われたチャンピオンシップ第45節のリーズ・ユナイテッドvsアストン・ビラの一戦で起こった。

来シーズンのプレミアリーグ昇格を目指し、勝ち点82で3位につけるリーズと勝ち点76で5位につけるアストン・ビラの一戦。昇格プレーオフ圏にいる両チームだが、自動昇格圏を狙える位置にいるリーズにとっては、勝たなければいけない試合だった。

そんな試合、なかなか見られないプレーが生まれる。0-0で迎えた72分、GKからのフィードがこぼれ球になると、競り合いでアストン・ビラのジョナタン・コジアが負傷。ピッチに倒れ込む中、審判はノーファウルであるとし、リーズはパスを繋ぐ。

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しかし、チームメイトが倒れている事に気づいたアストン・ビラの選手たちがボールを外に出してくれとアピール。その際にライン際でボールを持っていたリーズのテイラー・ロバーツが外に出すと思いきや、前線にいたマテウシュ・クリヒへとパスを送った。

パスを受けたクリヒは左サイドからカットイン。慌ててアストン・ビラの選手も対応するが、ボックス内左から見事にゴールを決めて、リーズが先制した。

プレミアリーグの自動昇格を目指すリーズにとっては勝たなければいけない試合でもあり、審判も止めていないためにこの判断は間違ってはいない。しかし、この行動にアストン・ビラの選手が激怒。ゴールを決めたクリヒにコナー・フリハンが掴みかかると一気に乱闘騒ぎに発展。この流れで、アストン・ビラのアンワル・エル・ガジが退場処分となり、最悪の空気となる。

すると、ここで“変人”とも称されるリーズのマルセロ・ビエルサ監督が1つの判断を下す。それは、このゴールをなかったことにすることだ。ピッチサイドビエルサ監督は、鬼の形相でピッチ内の自身の選手たちに対し、アストン・ビラにゴールを決めさせるように指示を飛ばした。

アストン・ビラのキックオフで試合が再開すると、リーズの選手たちは棒立ちに。そのままアストン・ビラのアルベルト・アドマーがゴールを決めるが、この判断を受け入れられないポントゥス・ヤンソンが妨害しようとしたため、最後はチームメイト同士で揉める事態となった。

結局試合は1-1のドロー。リーズが引き分けたため、2位のシェフィールド・ユナイテッドプレミアリーグ昇格が決定。リーズとアストン・ビラは昇格プレーオフに進むことが決定しており、再びこのカードが見られるかもしれない。
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