55年のキャリアを誇る女性ロッカーパイオニア“スージー・クアトロ”が、オリジナル・ソロ・アルバムとしては8年ぶりとなるニュー・アルバム『永劫の女王(原題:No Control)』を4月24日にリリースした。

 スージー・クアトロは、1964年に実姉らと組んだバンド“The Pleasure Seekers”でキャリアをスタートさせ、地元・米デトロイトを拠点に活動。1970年にはプロデューサーのミッキー・モストに見出され渡英し、1972年にソロ・デビュー・シングル「Rolling Stone」をリリース。1973年にはハードロック路線へ変更しリリースした2ndシングル「Can The Can」が大ヒットし、その後、「48 Crash」、「Devil Gate Drive(悪魔とドライヴ)」、「Tear Me Apart(恋はドッキリ)」などのヒット曲を連発。ここ日本でも1970年代を中心に人気を博した。

 レザーのジャンプスーツに身を包み、エレキベースを手にロックンロールを歌うその姿は、女性ロッカーの先駆けとして語られることも多い存在だ。

 今年、御年69歳を迎えるスージー・クアトロだが、本作のアートワークに写る凛としたその姿が現役ロックンローラーであることを示すと同時に、アルバムでも期待どおりの秀逸なロックを掲示している。

 もちろん全盛期の突き抜けるようなハイトーンはないものの、張りのあるハスキーヴォイスは健在。クールにドライブするロックチューン「No Soul / No Control」「Macho Man」では特にソレが際立ち、スージー・クアトロならではのカッコ良さを発散する。また、過去のヒット曲に引けを取らない「Strings」「I Can Teach You to Fly」や日本盤ボーナストラックの渋いアコースティックバラード「Heart On The Line」といった秀曲もあるなか、ウェストコースト・サウンドな「Love Isn't Fair」で抜け感を演出するなど、ベテランならではの高い次元での遊び心も魅力的。ベースは70'sロックながら、飽きを感じさせないバラエティ豊かな楽曲群も特筆すべき点だ。

女性ロッカーのパイオニア、スージー・クアトロによる8年ぶりの新作『永劫の女王』(Album Review)