東名高速の上り線では、週末や連休に「大和トンネル」を先頭とした長い渋滞が発生しています。しかし2019年3月、新東名伊勢原JCT海老名JCT間が開通したことで、この渋滞を少しだけ迂回することが可能になりました。

新東名開通で可能になった「プチ迂回」とは?

東名高速上り線の渋滞ポイントとして知られる、海老名JCT~横浜町田IC間の大和トンネル(神奈川県大和市)。2019年のゴールデンウイークは、5月5日(日)に同トンネルを先頭として最大30km、そのほかの日もほぼ毎日、10km以上の渋滞が予想されています。

大和トンネルを先頭とする渋滞は、厚木ICで接続する小田原厚木道路からの流入、海老名JCTの混雑もそれを助長し、しばしば海老名JCT以西まで延びることがあります。しかし2019年3月、新東名伊勢原JCT海老名JCT間がつながり、東名の伊勢原JCTから新東名経由でも圏央道へ入れるようになりました。

この新東名ルートは、東名上り線から圏央道八王子方面や茅ヶ崎方面へ向かう人だけでなく、東名の東京方面へ向かう人も活用できます。「伊勢原JCT→(新東名)→海老名JCT→(圏央道)→海老名JCT」と経由し、再び東名上り線へ戻るというルートです。

大和トンネルから海老名JCT以西まで渋滞が発生している場合、あとで再び渋滞へ突入することにはなりますが、この新東名ルートを使うと渋滞を少しだけ回避できる可能性があります。NEXCO中日本によると、新東名開通後1週間の状況では、新東名 厚木南IC~伊勢原JCT間の1日あたり交通量は1万2000台、圏央道 海老名JCT海老名JCT間は3万6000台。東名 厚木IC~伊勢原JCT間の10万9000台と比べても、格段に空いています。

大和トンネル渋滞の回避は可能か?

新東名を活用した東名上り線の渋滞迂回について、NEXCO中日本の東京支社は次のように話します。

「大和トンネルを先頭にした渋滞が伊勢原JCT付近まで伸びている場合には、伊勢原JCTから新東名をご利用いただくことで、渋滞に巻き込まれる時間が少なくなる可能性はあります。ただし、JCTでは車線数が減少するため、海老名JCTから東名上り線への合流部などを先頭に、渋滞にあう可能性もあります」(NEXCO中日本 東京支社)

また、伊勢原JCTの手前では、道路情報板でその先の東名、新東名圏央道などの渋滞状況を図で示しているほか、文字の情報板でも、渋滞が伸びている場合には「赤い三角マーク」を表示しているので、経路選択の参考にしてほしいといいます。なお、東名をそのまま走り続けても、新東名圏央道を活用した迂回ルートを選択しても、料金は変わりません。

とはいえ、最も有効な渋滞回避の方法は、渋滞する時間帯を避けること。NEXCO中日本の東京支社によると、2019年GW期間中のUターンラッシュは5月3日(金)の夕方から始まり、5日(日)がピークの予想だといいます。「午前中に東京方面へ戻られる計画を立てていただくことをお勧めします」とのことです。

【図】やっぱり空いてる新東名! 「神奈川区間」の交通量

新東名の厚木南IC~伊勢原JCT間。写真は開通前(2019年3月、中島洋平撮影)。