「なんで、アイツが……」と家族や友人を嘆かせる突然の死。日本に暮らす20歳から49歳までの男性は、どのような原因で命を落としているのか、統計から探ってみた。

平成23年厚生労働省「人口動態調査」によると、20歳から44歳までの死因の1位は、すべて「自殺」だ。これを「オレには関係ない」と言い切れる人はいるだろうか?

このデータは、まだ「病気」も「死」も頭のほんの片隅にしかないはずの世代が、みすみす自らの手で命を絶っている例が多いことを示している。自殺の原因までは記されていないが、うつ病など精神的な病がその一端となっているケースも少なくないだろう。

精神疾患は特殊な病気ではなく、誰でもかかる恐れがある。仕事もプライベートもいちばん輝いているはずの世代も、実は常に「死」と隣り合わせに日々を生きているわけだ。

45歳から49歳の年齢層になると、死因の1位はがんに変わるが、これも高齢者がかかる遠い病気というわけではない。がんは時間をかけて体を少しずつむしばんでいく。死亡時の年齢が45歳であっても、がん細胞が生まれたのは30代のときかもしれないのだ。

突然の思いがけない死を迎えたくなければ、若いうちから自分の命を脅かす敵(病気)のことをもっと知っておくべきだろう。自殺につながりかねない“うつ状態”に陥る人が増えたことについて、吉田たかよし医師(本郷赤門前クリニック院長)はこう話す。

「元来、人間は社会的動物で、小さな集団をつくり、子供はそのなかで人との付き合い方を知り、地域や社会、世界を学んできました。でも今は、パソコンを開けば小学生でも世界中の情報が手に入る。一見いいことのようだけれど、情報の嵐を脳がうまく処理できず、うつや引きこもりになってしまう人も多いんです」

成長過程で人との摩擦を避けてゲームばかりしていると、就職して社会に出たとき、いやな上司がいるだけでストレスホルモンが出て、出社拒否になってしまう恐れもある、と吉田先生は言う。

「親になんでも与えられて育つ子供が増え、自分が何かを我慢して達成したときに働く報酬系の神経回路が発達しにくい。精神的な疾患が多くなる要素は、今の社会にひそんでいるんです」(吉田先生)

心身に大きな負担をかけ、命をすり減らしながら生きる、男たちの実態は厳しい。

(取材・文/本誌ヘルスケア班)

■週刊プレイボーイ9号「20~40代を襲う“不慮の死”から身を守れ!」より