■重曹ってそもそも何?
まずは、重曹の基礎知識をサクッとおさらいしておきましょう!
・重曹の特徴は?

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「重曹」(化学名:炭酸水素ナトリウム)は、弱アルカリ性(pH8.4)の物質で、「ベーキングソーダ」とも呼ばれます。水に溶けにくく粒子が細かいので、クレンザーとして使われているほか、洗浄剤として酸性の油汚れやたんぱく質汚れを中和して落とすときなどにも使われます。生ごみや靴の消臭剤としても効果がありますよ。古くから食用や薬用として使われてきたもので、基本的に人体には無害。万一、小さい子どもやペットの口に入ってしまっても安心という特徴もあります。

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・どんな汚れに効果があるの?
重曹が得意とする汚れは、酸性の油汚れやたんぱく質汚れ(血液汚れなど)です。水に溶かして加熱すると二酸化炭素の泡が出るため、その力で鍋の焦げつきなどを落とすこともできます。一方、重曹が苦手とする汚れは、ギトギトになってしまった油汚れや、石化した水垢汚れなどです。また、同じアルカリ性のアンモニア臭は中和できないため、消臭できません。



・セスキ炭酸ソーダと何が違うの?

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重曹と同じく、家の掃除によく使われるものに「セスキ炭酸ソーダ」(化学名:セスキ炭酸ナトリウム)があります。セスキ炭酸ソーダは、重曹よりもアルカリ性が10倍強い物質で、そのぶん汚れを落とすパワーが強力!皮脂汚れや油汚れ、たんぱく質汚れに強く、キッチン周りで活躍してくれます。重曹よりも水に溶けやすいため、スプレーにしたり、洗濯に使ったりするのがおすすめです。

■重曹の基本的な使い方
ここからは、重曹を使って掃除するときの、基本的な使い方をご紹介します。
・そのままクレンザーとして
重曹の粒子の細かさと、水に溶けにくいことを利用して、クレンザーとして使えます。汚れに直接振りかけ、布でふき取るか、ブラシでこすり落とします。
・水に溶かしてスプレーとして
重曹を水に溶かした重曹水を作り、スプレーボトルに詰めておくと、いろいろな汚れにふきつけて使えます。一般的な濃度は、水200mlに対して重曹小さじ2杯ほど。40度くらいのぬるま湯を使うと、溶けやすくなります。重曹は水に溶けにくいため、使うたびによく振って全体を混ぜましょう。また、暑い季節は腐りやすいので、作り置きはおすすめしません。
・ペースト状にして
重曹と水を1:1の割合で混ぜると、ペースト状になります。お風呂場のドアパッキンなどにこの重曹ペーストを塗りつけてしばらく放置した後、スポンジなどでこすり洗いするとカビ汚れが落とせます。


■キッチンの油汚れは、重曹ですっきり!
油汚れが多いキッチン周りの掃除には、重曹が大活躍してくれます。汚れに合わせて、重曹をそのまま使ったり、スプレーやペーストを使い分けたりすると効果的ですよ。
・コンロ回りの油汚れは、重曹クレンザーと煮洗いで

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油汚れがこびりついたコンロ周りは、重曹を直接振りかけてクレンザーとして使ったり、重曹スプレーやペーストでこすったりすると効果的です。五徳は、重曹を使った煮洗いがおすすめ。水200mlに対して重曹を大さじ山盛り1杯の割合で溶かし、鍋に入れて加熱します。沸騰したら五徳を沈めて10分程度加熱し、火を止めて冷めるまで放置します。取り切れない汚れは、ブラシでこすり落としましょう。
・冷蔵庫内の汚れも重曹スプレー
こぼれたソースなどの汚れがこびりつきやすい冷蔵庫。重曹スプレーをふきつけて、水にぬらして固く絞ったふきんで汚れをふき取りましょう。がんこな汚れには直接重曹を振りかけ、ブラシでこすり落とします。
電子レンジ内の汚れは重曹水の蒸気で落とす
耐熱容器に水500mlと重曹小さじ1を入れて混ぜ、電子レンジで約3分(600W)加熱します。加熱が終わったらそのまま放置して蒸気で庫内を蒸らし、汚れを浮かせましょう。10分ほどたったらドアを開け、水にぬらして固く絞ったふきんなどで汚れをふき取ります。



トースター掃除は重曹クレンザーですっきり

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汚れがこびりついた金網を取り外し、重曹を直接振りかけてブラシでこすり落とします。その後水洗いしましょう。

■トイレ掃除には重曹スプレーや重曹クレンザー

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便器の黄ばみ取りにも、重曹が活躍してくれます。重曹を多めに振りかけるか、重曹スプレーをたっぷりふきつけてブラシでこすりましょう。

■床掃除(フローリング)には重曹スプレー

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合板フローリング、クッションフロアなどのふき掃除には、重曹スプレーがおすすめです(ただし無垢材のフローリングは変色する可能性があるため使用を避けてください)。表面のワックスを落とさないように、薄め(水200mlに重曹小さじ1程度)の重曹スプレーを吹きつけ、すぐにふきとりましょう。

■エアコン掃除にも重曹がおすすめ!
エアコン内部は、ホコリや油汚れが入りこんで汚れがち。重曹スプレーでこまめに掃除しましょう。
フィルター掃除は重曹スプレー

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まずはフィルターについたホコリを掃除機で吸い取ります。その後重曹スプレーをまんべんなく吹きつけ、ぬるま湯ですすぎましょう。



・吹き出し口は重曹スプレーでふき掃除

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水にぬらして固く絞ったぞうきんに重曹スプレーをふきつけ、汚れをふき取ります。
・内部の機械部分には吹きかけないように注意!
エアコン内部に水が入り込むと、機械部分が故障する可能性があります。エアコンなどの電化製品を重曹スプレーで掃除する際は、必ず事前にコンセントを抜き、内部に水がかからないようにしましょう。

■洗濯も重曹で!

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洗濯するとき、通常の洗剤にプラスして重曹を加えましょう。水10Lに対して重曹大さじ1を入れると、皮脂汚れを落とす効果が高まります。

■重曹は消臭剤としても優秀!

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重曹は消臭剤としても使えます。@aroma.elmundoさんは、セージなど防虫効果のあるドライハーブと重曹をミックスし、小袋に詰めて「シューズキーパー」を手作りされています。靴にこのシューズキーパーを入れておくと、一晩でニオイがほぼなくなるそうですよ。また、キッチンの生ごみに重曹を直接ふりかけたり、適当な容器に入れてフタをせずに冷蔵庫や靴箱に置いておくだけでも、十分に消臭効果があります。

■重曹を扱うときの注意点
人体には基本的に無害ですが、扱い方によっては健康被害が出ることも。注意点をご紹介します。
・肌荒れに注意が必要

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粒子が細かいため、人によっては素手でさわると肌荒れを起こすことも。肌の弱い人は、ゴム手袋をするなどして直接ふれないようにしましょう。万一目に入ったら水でよくすすぎ、痛みが引かない場合は病院を受診してください。
・使わない方がいい素材も
プラスチックや漆器に重曹を使うと、表面に細かいキズがつきます。また、アルミや銅の製品に使うと黒ずんでしまうため、避けた方がよいでしょう。
・50度以上に加熱するときは要注意!
重曹を溶かした水を加熱すると、65度以上で分解されて、人体に危険な「強アルカリ性」に変化します。素手でさわるのは絶対にやめましょう。

■ベーキングパウダーは重曹掃除の代用にならない

出典:@yagigigi1234さん

よく混同されますが、掃除用の「重曹」と、パンやお菓子作りに使われる「ベーキングパウダー」は別物。間違って食用のベーキングパウダーで掃除しても、特に害はありませんが、本来の重曹のような効果は得られないと言われています。パッケージをよく確認して、「掃除用」の重曹を使いましょう。

■重曹パワーで家中をすっきりキレイに掃除しよう!
重曹は汚れ落とし効果が高く、人体や環境にもやさしいエコな掃除アイテムです。汚れの種類に合わせて、重曹スプレーやペーストなどを組み合わせながら、家の汚れをすっきり落としましょう!
(mamagirl
掲載:M-ON! Press