「試合を見られるならやりたいかも」そんな風に私が思案を巡らしていたのは月曜日マルカ(スポーツ紙)のウェブ版にUEFAワンダメトロポリターノのCL決勝オープニングセレモニーのパフォーマンスに参加するボランティアを募集しているという記事を見つけた時のことでした。いやあ、「200 voluntarios bailarines, deportistas y estudiantes de teatro y música/ドスシエントス・ボルンタリオス・バイラリネス、デポルティスタス・イ・エストゥデアンテス・デ・テアトロ・イ・ムシカ(ダンサースポーツ選手、演劇と音楽専攻の学生のボランティア200人」とあるため、全然自分は条件に当てはまらなかったりするんですけどね。

実際、記事の焦点もマドリッド州のプロダンサー協会や興行アーティスト労働組合が芸術家の尊厳と権利を侵犯する行為と抗議、要はタダ働きさせようというのはけしからんという、まあ、どこか東京五輪のために大量のボランティアスタッフを募集していた際と同じような文句が出ていたことにあるとはいえ、いやいや、絶対いますって。セレモニー後も居座って、火曜のリバプールvsバルサ戦(1stレグは3-0でバルサ勝利)、水曜のアヤックスvsトッテナム(同0-1でアヤックスが勝利)の準決勝2ndレグが終わるまで、ファイナリストがわからなくてもビッグマッチを覗き見したいと思って応募するファンは。

まあ、2010年のサンティアゴ・ベルナベウでのバイエルンインテルのCL決勝同様、すでにマドリッド勢とは何の関係もない6月1日シーズンのトリを飾る大一番のことは置いておいて、今は激動だった先週末のリーガのことをお話ししないと。いえ、金曜にはレガネスがサンチェス・ピスファンセビージャに0-3で大勝と良き隣人ぶりを発揮してくれたため、これは幸先がいいとニンマリした私だったんですけどね。残念ながら、土曜の部は最低で、お昼にはラージョがシュタット・デ・バレンシアでまだ残留が決まっていないレバンテに4-1とコテンパンにのされてしまうことに。

そう、前半8分のカンパーニャに先制されると、43分にもベスガに追加点を奪われ、後半にはアルバロ・ガルシアゴールで一矢を報いたものの、エンバルバが退場になる始末。最後はジェイソン、バルディに止めを刺されてしまったから、見るも無残とはまさにこのことだった?これではせっかく前節では兄貴分のレアル・マドリーエスタディオ・バジェカスで1-0と勝ったのも焼け石に水、パコ・ヘメス監督も「Con los seis puntos que hay en juego no nos va a llegar/コン・ロス・セイス・プントス・ケ・アイ・エン・フエゴ・ノー・ノス・バ・ア・ジェガール(残りの勝ち点6を溜めても届かないかもしれない)」と覚悟を決めていたようでしたが…。

実際、その予想が現実化したのは翌日曜だったんですが、土曜は続いてエスパニョール戦に挑んだアトレティコも最低で、うーん、序盤にはモラタがGKディエゴロペスとの1対1を弾かれたり、ロドリやレマルもシュートを撃っていたんですけどね。あと少しでハーフタイムという時に失点してしまったんですよ。ええ、グリーズマンがエリア内に通そうとしたパスが敵に渡り、そこから20才のカンテラーノ(下部組織の選手)、左SBのペドロサが急発進。追いすがるロドリも立ちふさがるサビッチもものともせず、「Mi velocidad es innata y la intento explotar/ミ・ベロシダッド・エス・インナタ・イ・ラ・インテントー・エクスプロタル(ボクのスピードは生来のもので活用しようとしている)」(ペドロサ)と80メートルを走り抜くと最後はゴール前にラストパス。これをゴディンクリアしようとしたところ、運悪くゴールに入ってしまったから、さあ大変!

おまけにこれだけならまだ許せたんですが、やはり前節にはバルサの優勝が決まって気が緩んでいたんですかね。ペロロサを止めようとして太ももにケガをしたサビッチがコレアに交代、サウールがCBに転用された後半にもアトレティコは8分にロドリが中盤でボールをメレンドにプレゼント。そこからボルハ・イグレシアスを決めて2点目を奪われると、残り2分にはファンフランがエリア内でプアドに体当たりをかまし、ペナルティを取られるという災難も。いえ、そのPKもボルハ・イグレシアスに沈められ、結局3-0で負けたものの、通算23失点のGKオブラクは2位のアスレティックのエレリンとは5ゴール差あるため、4年連続でのサモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)獲得には余裕なんですけどね。

だからって、「Siempre jugamos para ganar/シエンプレ・フガモス・パラ・ガナール(常に勝つためにプレーする)」(コケ)はずのアトレティコが、「後半のボクらはボクら自身でなかった。他に説明する方法はないよ」と開き直られてもねえ。お隣さんの上で終わるという目標を達成するにもあと勝ち点1は必要ですし、何より次に当たるのは弟分ヘタフェとCL出場圏末席の4位を争っているセビージャとなれば、このまま頭がバケーション入りしてしまっては困るかと。ちなみにそのワンダでの今季最後のホームゲーム2010年から、8タイトル獲得したアトレティコ黄金期の屋台骨となり、今季終了後のインテル移籍が濃厚になっているゴディンのお別れ試合となりますが、きっと最後は当人もまっとうなゴールを挙げて、ファンに感謝を示したいと思っているはずですよ。

え、私が絶対にセビージャに勝ってもらいたいと思うのはゴディンのためだけでなく、翌日、前節はVAR(ビデオ審判)に冷遇され、レアルソシエダ戦に負けながら、コリセウム・アルフォンソ・ペレスファンの前で見事に立ち直ったヘタフェを見たせいじゃないかって?そうですね、まぶしい正午の光が降り注ぐ中、相手のジローナが残留争いの渦中にあり、どこか動きが固かったせいもあったんですが、最初に満員のファンの応援に応えてくれたのは37才のベテラン、ホルヘ・モリーナ。

いやあ、それは前日、マルカインタビューで22才の誕生日前に選ばないといけない国籍について、「Claro que sé el que voy a elegir y será el japonés. Aunque si quiere puede hacer ver como que no lo sabe/クラーロ・ケ・セ・エル・ケ・ボイ・ア・エレヒル・イ・セラ・エル・ジャポネス。アウンケ・シー・キエレ・プエデ・アセール・ベル・コモ・ケ・ノー・ロ・サベ(どちらを選ぶかはわかっていて、日本になるはずよ。望むなら、まだわからないように見せかけることはできるけどね)」と答えているのを読み、私も嬉しくなった大阪なおみ選手のマドリードオープン1回戦中。チブルコアに勝つのをスマホでテレ・デポルテ(スペイン国営放送のスポーツチャンネル)をつけながら、チラ見していた最中のことだったんですが、前半11分にはエリア内から狙い澄ましたシュートを決めて、自身リーガ1部ではシーズン最多となる今季14本目のゴールを決めているんですから、これにはシャッポを脱がない訳にはいかない?

とはいえ、ようやく追加点が入ったのは後半32分になってからなんですけどね。それまでも彼やマタ、そして交代で入ったアンヘルに絶好機がありましたし、神経質になっていたジローナが審判への悪態でボルハ・ガルシアレッドカードを受けて1人少なくなるという有利な状況も発生。最後はブルーノのパスをアンヘルが撃ち込んで、スコアが2-0となったから、前節の退場でその日はラジオのボックス席から観戦していたボルダラス監督も安心できたかと。

ただこの勝利で、来季EL予選2回戦から出場の権利が回る予定の7位以上が確定したヘタフェですが、まだ正念場が残っていて、今週末はカンプ・ノウでのバルサ戦。ええ、リーガ優勝を決め、今週はリバプール2ndレグを控えているため、土曜のバライドスではレギュラー全員を温存。結果、セルタに勝ち点3を贈り、残留争いに絡んでいる他のチームから顰蹙を買ったバルベルデ監督のチームですが、「el Barca ya habra jugado contra el Liverpool y alineara su mejor once/エル・バルサジャー・アブラ・フガードー・コントラ・エル・リバプール・イ・アリネアララ・ス・メホールオンセ(バルサリバプール戦が終わって、ベストメンバーを並べてくるだろう)」というボルダラス監督の懸念はもっともですからね。

まったく気は抜けないんですが、実はこの日のヘタフェはマタとブルーノイエローカードを受け、累積警告になるという逆境も。いえ、考えようによっては、おかげでフルキエが負傷から復帰したため、ジローナ戦でベンチ外になってしまった柴崎岳選手が遠征に参加できるかもしれないという希望も出てきたんですけどね。まだ最終節のビジャレアル戦もあるため、4位を確定するまでに必要な勝ち点4を溜められる可能性は大いにあると思いますが、さて。実際、今季のセビージャを見てもわかるように7位となって、7月末からEL予選が始まると、チームシーズン中に息切れしてしまう危険が高いため、是非ともそこは避けてもらいたいところではあるんですよね。

そしてアトレティコ女子がサン・セバスティアン(スペイン北部の都市)でレアルソシエダに1-3と勝利、2位のバルサに勝ち点差6をつけて、3年連続のリーガ優勝トロフィーを掲げている間にコリセウムからサンティアゴ・ベルナベウに直行した私でしたが、やはりいくら陽気が良くても先日のラージョ戦を見て失望したファンが多かったんでしょうか。スタンドは今季リーガ戦で最低となる4万6254人という観客数で隙間が沢山あったんですが、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)に「EL MADRIDISMO ESTÁ CONTIGO. FUERZA IKER, ETERNO CAPITÁN/エル・マドリディスモ・エスタ・コンティーゴ、フエルサ・イケル、エテルノ・カピタン(マドリーファンは君と共にある。頑張れ、イケル、永遠のキャプテン)」と先日、ポルトの練習中に心臓発作を起こし、入院していていたカシージャスを励ます横断幕が登場。

選手たちも「Iker, todos contigo/イケル、トードス・コンティーゴ(イケル、皆君と共に)」とプリントされたTシャツを着用し、モウリーニョ監督時代から一部のマドリーファンと折り合いが悪くなり、2015年に移籍したレジェンドの早期回復を願ってキックオフしたゲームの方はすぐさま盛り上がります。ええ、開始2分には今、チームで一番、ジダン監督にアピールしてやるという熱意を持っている19歳のブラヒムが34才のカソルラから敵陣でボールを奪いマリアーノにパス。そのシュートネットに突き刺さり、それまでの8得点、全てがベンゼマによるものという独占状態を解消してくれたから、助かったの何のって。

とはいえ、今季はずっと続いているベテランたちのレベル低下によるミスはこの日も起こり、11分にはカセミロが自陣エリア近くでアルバロにボールを奪われてしまう失態を犯してしまいます。ジェラール・モレノのシュートが決まり、すぐに同点にされてしまったんですが、大丈夫。40分にはカルバハルのキラーパスを再びマリアーノがゴール前から押し込み、再びマドリーがリード。後半開始早々にはショートCKからマルセロが送り込んだボールが敵DFに当たって転がり、バジェホが3点目を挙げてくれたんですが、いやあそれが、2カ月のブランクを経て、ビニシウスもようやく出場を果たした終盤、あんなにボールが行ったり来たりすることになろうとは。

もちろんビジャレアアルにはあと勝ち点1で残留が確定するという目標があったからですが、おかげでロスタイム4分にはGKクルトワがジャウメ・コスタに強烈な一撃を喰らい、とにかく残り時間がなかったのが幸いしましたかね。何とか3-2で逃げ切り、面目を保つことができたのは良かったかと。シュートは負傷前と変わらず、決められなかったもの、これでビニシウスもコパ・アメリカブラジル代表招集に向けて、一歩進めましたしね。

この日はリバビリ中のセルヒオ・ラモス、オドリオソラ、ベンゼマに加え、ベイル、モドリッチ、セバージョスがベンチ外となり、私などただのローテーションだろうとしか思わなかったんですが、スペインマスコミは話題作りもあってか、完全に放出要員扱いにしていたりするのはあまり感心しないものの、3月から続く彼らの消化試合もあと2つ。週末のレアルソシエダ戦は相手がまだ、7位に上がる可能性があるため、ちょっと苦労しそうですが、最終節のベティス戦はpito(ピト/ブーイング)なしでベルナベウのファンに見送ってもらえるといいのですが。

え、それよりドラマが待っていたのはその後じゃなかったのかって?その通りで次の試合ではバジャドリーがアスレティックに1-0で勝利、ジローナを18位に突き落としたのみならず、この時点でラージョの2部降格が決定したんですよ。おまけに日曜最後の試合では、木曜のEL準決勝2ndレグではメスタジャでアーセナルに2-0以上で勝たないと逆転できないバレンシアが予行演習。勝てばまだかすかながら、残留の可能性があった相手から、前半だけで5点も奪い、最後は2-6の大勝となったため、ラージョに続いてウエスカも来季は2部の住民に戻ることに。

まあ、ラージョはもう自業自得だったので、私も腹を括っていたんですが、おかげでバレンシアが5位に上がり、ヘタフェと勝ち点差3になってしまったのは非常に痛いところ。うーん、こうなると残り2節、今週は火曜まで練習しないアトレティコと水曜まで練習しないマドリーの2位争いはともかく、ヘタフェの4位死守を全力で応援するばかりですが、もう人ごとながら、セルタ、ビジャレアル、レバンテ、バジャドリー、ジローナが勝ち点差3の中で降格の残り1席を争う戦いも熾烈なことになりそうな。果たして日曜午後6時30分に全てのカードunificacion(ウニフィカシオン/統一)された次節、ババを引くのはどのチームになるのでしょうか。


【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファンワイン生ハムチーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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