息子に腹を立てた母が自らの言動を振り返った漫画「忘れがちなこと」がSNS上で話題となっています。遊び食べをする息子に、「せっかく作ったのに!」とイライラする母。しかし、息子からは何も“頼まれていない”ことを思い出し…という内容で、「分かります」「うちも同じです」「いさめ、ありがとうございます」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

上から目線”な自分に気付いた

 この漫画を描いたのは、育児休業中の主婦、みゆき丼(ペンネーム)さん(34)です。2歳の息子の子育て日記を、インスタグラムで発表しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

みゆき丼さん「漫画を描き始めたのは、妊娠してからです。次々に起こる体と心の変化に戸惑いつつ、忘れたくなくて備忘録として描き始めました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

みゆき丼さん「頑張って作ったご飯を息子が食べてくれないことにイライラし、『せっかく作ったのに! せっかく!』と連呼したとき、ふと『あれ? 何だか随分上から目線だな、私』と思いました。元をたどれば、やりたくてやったことなのに、気づいたら『やってやっている』という態度になっていたと。

育児に限らず、『やってやっている』ではなく『させてもらっている』という気持ちでありたい、その気持ちを忘れないようにしたいと思い、自分への戒めとして描きました」

Q.旦那様には、このことを話しましたか。

みゆき丼さん「話していませんが、いつも『子どもってあっという間に大きくなっちゃうんだよね。だから大変な時期も楽しめるといいよね』と言っているので、きっと同じように言われたと思います」

Q.最近は、食べてくれるようになりましたか。

みゆき丼さん「だいぶ好みが出てきたので、何でもというわけにはいきませんが、比較的食べてくれるようになってきました。まだ少し遊びますが…」

Q.育児の悩みや反省をインスタグラムで発表することで、何か変化や効果はありますか。

みゆき丼さん「共感のコメントなどを頂くと、とても励みになるし、一人じゃないんだと思えます。また、頭の中で考えて終わるより、形に残すことでより記憶に残るので、次に同じようなことがあったときに思い出して、気を付けることができます」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

みゆき丼さん「同じようにご飯を食べてくれない悩みを持つママさんから、『共感しました』『グサッときました』『忘れてました』などのコメントを頂きました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

みゆき丼さん「育児以外で、普段の生活でハッとしたことや考えたこと、大切にしている思い出などについて描いていきたいです。また、手作り新聞を作ったり、さまざまな場所に行ってレポート漫画を描いたりしてみたいです」

オトナンサー編集部

漫画「忘れがちなこと」のカット=みゆき丼(miyukidonburi)さん提供