4月18日。アオボウシインコのフレディは、無事にブラジル、パラナ州のカスカベルにある動物園に帰還した。ケージ脇の松の根元にいるのを、職員に発見されたのだ。
「帰還した」ということは、その前に動物園からいなくなっているのだ。強盗に連れ去られていたのである。
そしてフレディの苦難はこれだけではない。
大型のインコは寿命も長いので、フレディの年齢はわからない。しかし、その生の何分の一かを占めるこの4年間に、散々な目に遭ってきたのだ。
では、フレディの鳥生を遡っていこう。
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強盗にさらわれたフレディ
4月16日にフレディを動物園から連れ去ったのは、武装した三人組だった。動物園の警備員を武力で圧倒して、侵入したのだ。
強盗たちは、警備員を床に伏せさせ、倉庫に侵入した。その倉庫は、夜間にインコたちを寝かせるための場所でもあり、強盗はフレディともう1羽のインコ、それからガスのシリンダー1本を奪って逃げたのだ。
フレディの夜間用ケージの側に血が垂れていたことから、フレディが犯人に咬み付いて難を逃れたのではないかという推測もされている。
「(フレディは)野性味を残したやつですからね」と動物園の獣医であるデトーニ氏。
ヘビに咬まれたけど無事だった
さて、強盗に誘拐されたのは、実は、この動物園におけるフレディの二度目の苦難であった。
一度目は4月の頭のことだ。フレディはヘビに脚を咬まれたのである。
幸いにも、毒を持たない種類のヘビだったので、大事にはならずに済んだ。
しかし、ヘビを見たらすぐに逃げるはずのインコがなぜ咬まれたのか。これは推測に過ぎないが、ひょっとすると、目が見えないフレディは、蛇の接近に気がつかなかったのかもしれない可能性がある。
動物園に引き取られるきっかけとなった事件で、フレディは失明しているのだ。
銃撃戦の巻き添えを食らっていたフレディ
そして話は4年前、フレディが動物園に来る直前に遡る。おそらくは、フレディが最大の苦難に遭遇したのはこの時だろう。
フレディは銃撃戦に巻き込まれたのだ。飼われていたギャングのアジトに警察が突入したのである。
流れ弾がフレディをかすめた。その結果として、フレディは上クチバシの半分を失い、失明し、両目の間に当たる部分に大やけどを負ったのだ。
その後、フレディは保護され、カスカベル動物園にやってきたのである。
動物園で付けられたフレディの本名は「フレディ・クルーガー」。ホラー映画『エルム街の悪夢』シリーズの登場人物で、顔が赤く焼けただれているのだ。
運がいいのか、悪いのか?
結局のところ、この銃撃戦によるクチバシと顔の損傷が、三人組の強盗にフレディを諦めることを容易にさせたのかもしれない、とデトーニ氏は推測する。見た目が損なわれた鳥には、大金を払う客は現れないであろうからだ。
災難続きのフレディを「運が悪い」というべきなのか、それでも生き延びていることについて「運がいい」というべきなのか、「私にはわかりません」とデトーニ氏。
Freddy Krueger The Parrot Survives Kidnapping, Gunshot, And Snakebite.
ちなみに、もう1羽のインコとガスシリンダーはまだ発見されていないそうだ。
References: The Guardian / Daily Mail など / written by K.Y.K. / edited by parumo
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