
海外で、ある日本の噂が広がりを見せている。私にとっては初耳な話で、逆に驚いてしまったわけだが、その噂は「日本政府は2020年に電子レンジの廃止を決定した」というものだ。
ガチで信じている海外人もいたようだが、これはいったいどういうこと?なんでこんな噂が広がっているの?
今回は噂の真相に迫ってみたい。
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日本で電子レンジが廃止になるって本当?問い合わせが相次ぐ
2019年4月下旬、間もなく日本で電子レンジが廃止になるという噂に遭遇した人たちからの問い合わせが、事実検証サイト『スノープスsnopes.com』に寄せられた。
日本政府は、今年末までに国内全ての電子レンジを廃棄することを決定した。これに応じない市民や団体組織は、罰せられる可能性もあると脅されているというけど、これって本当なの!?
スノープスはフェイクニュースの真偽判定を行っている有名なサイトで、この噂の真相を解明してくれた。
噂の出どころはロシア。その後スペイン語圏内で広まる
スノープスが検証したところによると、この噂の出どころは、ロシアの記事だったことが判明した。
2019年3月3日、ロシアのウェブサイト『Panorama. pub』は、「日本は2020年までに電子レンジを放棄」と題する記事を投稿した。
このロシア語の記事をグーグル翻訳すると、「今年末までに、日本政府は国内から全ての電子レンジの廃棄を決定。これに応じない市民や団体組織は、犯罪の重大度に応じて5~15年の刑期を宣告されると脅かされている」となったようだ。
これが、その後スペイン語のニュースサイトで取り上げられ、フェイスブックで拡散するようになった。それが英語圏に広まり、更に多くのサイトが、この情報を本物のニュースと間違えて伝えてしまった。
風刺サイトが作り上げたパロディー記事
だが、噂の出どころとなったロシアのサイト『Panorama. pub』は風刺サイトである。日本でいうところの虚構新聞のようなサイトだ。
記事の下部にある免責事項には、次のように述べられてある。
サイト上の記事は全てパロディーであり事実ではない
よって「日本で電子レンジが廃止される」は誤り
ということで、日本では2020年に電子レンジが廃止されることはない。このニュースは誤りであると、スノープスは結論を出した。
出どころとなった『Panorama. pub』は、当然風刺として真実ではないことを予め記載していた上で記事を配信していたのだが、翻訳されて海外までいってしまうと、伝言ゲームのごとく、誤ったニュースが一気に拡散されてしまうことはよくある話だ。
SNSを中心にスペイン語、アラビア語、英語の少なくとも3つの言語に翻訳されて、驚くほど広まっていったという。
ちなみに、この噂のページで最も人気が高かったのは、4月21日に投稿されたフェイスブックのアカウント「El Signo De Los Tiempos」で、シェア数が25,000にも上っている。
で、一周回って日本の我々のところにもこのニュースが届いてきたわけだが、フェイクニュースとは別に風刺ニュースを伝えるサイトも多く存在するので、拡散する前に出どころはできるだけチェックしておくことにしよう、そうしよう。
ちなみに風刺サイトだと、アメリカの「ジ・オニオン」などが有名だ。私も昔は良くひっかかっていたものだよ。
References:FACT CHECK: Did the Japanese Government Ban Microwave Ovens?
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52274137.html
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