橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)の新作が、2019年に放送されることが決定した。

【写真を見る】2018年秋の放送より、けがをした勇(角野卓造)

平成2年1990年にスタートした“渡鬼”は、連続シリーズ終了後も多くのファンに愛され、誕生から30年がたとうとしている現在も単発番組として放送が続く国民的ホームドラマ。令和元年の最新話は、通算511回目となる。

橋田と同じく大正生まれの石井ふく子プロデューサーは、同作の歴史を振り返り「平成2年に始まった『渡る世間は鬼ばかり』を通じて、視聴者の皆さんと一緒に平成時代を歩み続けることができたことは幸せで光栄なことでした」とコメント。

また、時代の移り変わりに関して、「一方でこの30年間で社会は大きく変化して人々は豊かになりましたが、家庭の在り方も変わり、家族がバラバラになってしまうのではないかと案じることもありました」と、家族劇の名手ならでは思いも明かした。

「まだまだやることはいっぱいある」とエネルギッシュに語る石井プロデューサーは、最後に視聴者に向けて「橋田さんとも相談しながら、それでも変わらない家族の絆を描いていきます。新時代を迎えるにふさわしいドラマをお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに」とメッセージを送った。

放送時期など、詳細は追って発表される。

■ 石井ふく子プロデューサーコメント全文

私と橋田壽賀子さんが生まれたのは大正時代のことでした。昭和の戦争では学生時代の勤労動員と空襲、そして疎開など苦しい日々を過ごしました。しかしそうであったからこそ、日本では家族の絆は強かったと思います。

戦後はテレビの世界に身を投じずっと家族の物語を作り続けました。平成2年に始まった「渡る世間は鬼ばかり」を通じて、視聴者の皆さんと一緒に平成時代を歩み続けることができたことは幸せで光栄なことでした。一方でこの30年間で社会は大きく変化して人々は豊かになりましたが、家庭の在り方も変わり、家族がバラバラになってしまうのではないかと案じることもありました。

そして令和の時代にも「渡る世間は鬼ばかり」を作り続けられることをとてもうれしく思います。まだまだやることはいっぱいあると思っています。主な舞台となる「幸楽」を仕切るのは、赤木春恵さんから泉ピン子さんへ、そしてその娘、愛役の吉村涼さんへと交代して、登場人物の配置も変化してゆきます。橋田さんとも相談しながら、それでも変わらない家族の絆を描いていきます。新時代を迎えるにふさわしいドラマをお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに。(ザテレビジョン

岡倉家の5人姉妹。後列左から四女役の野村真美、五女役の藤田朋子、前列左から三女役の中田喜子、次女役の泉ピン子、長女役の長山藍子(※写真は2018年秋放送のもの)