手持ちのカードを減らしていって、早くあがった人が勝ちのカードゲーム「UNO(ウノ)」。これまでに世界80か国で販売された世界的ゲームで、人が集まった際や、旅行やおでかけのおともとして遊んだ人も多いはずだ。そのUNOのルールを巡り、公式Twitterアカウントのあるツイートが話題を呼んだ。「『ドロー4』に『ドロー2』は重ねて出せない」。突然の公式ルールのアナウンスの狙いを聞いたところ、分かったのはUNOの寛容さだった。

【写真】2016年には「白いワイルドカード」が追加された

きっかけは、UNO公式Twitterアカウント(@realunogame)が5月5日(日)に投稿した「ドロー」カードに関するツイートだった。

「『ドロー4』カードを出されたら、あなたはカード4枚を引かなければならず、ターンもスキップされます。『ドロー2』カードを出して、次の人にカードを6枚引かせることはできません」(※元ツイートは英文)。

ドロー4」とは、他のプレイヤーに山札からカードを4枚引かせて手札を増やさせる強力なカード「ワイルド ドロー4」のこと。UNOにはこのほかにもカードを2枚引かせる「ドロー2」というカードが存在する。このドロー系カードを続けて出すことで、カードを引かせる効果を次のプレイヤーに回すことができるというルールが広く普及しているが、実はこれ、公式ルールではできない出し方というのだ。

公式サイトのカード説明にも、「ワイルド ドロー4」は「次の人は、手持ちのカードを捨てられず、カードの山から4枚引かないといけません。」と記されている。ドロー系カードを出された次のプレイヤーは強制的にスキップされてしまい、なすすべがない、と公式ルールでは定められている。

このことに、SNS上では「知らなかった」「ゲーム性が変わってしまう」と波紋が広がった。5月8日(水)には、UNO日本公式Twitterアカウント(@unogame_japan)も「オフィシャルルールは、ドロー系カードを重ねることが出来ないんです。知ってました!?」と海外公式アカウントと同様の内容を投稿した。

1971年にアメリカで誕生したUNOだが、広く発売されたのは1979年。2019年はそれから数えて40周年の節目の年だ。このタイミングでルールの再確認を行った狙いはあるのだろうか。

日本国内でUNOを販売するマテル・インターナショナルに聞いたところ、「ローカルルールが多数存在する中で『このオリジナルルールご存知でした?』という形での投稿だったので、タイミングを狙っての正式表明といった固いものではありません。通常のSNS投稿と同様に発信したところ、非常に大きな反響があり驚いております」とのコメントが返ってきた。

同社によれば、「ドロー」関連のルールをはじめとする様々なローカルルールは日本だけではなく世界中に多数存在していることは以前から認識していたという。これをきっかけに誤って広まったルールを正すといった意図はなく、「実は公式ルールでは……」と、半ば豆知識を披露するようなツイートだったのだというのが真相だ。

そもそもマテルは、「UNO」史上初のリニューアルとして、2016年に自分でルールを追加できる「白いワイルドカード」を加えるなど、遊び方の広がりに肯定的だ。「公式ルールはあくまで公式ルールなので、これまでと同様にローカルルールを交えながら、ウノ カードゲームを自由に楽しく遊んでいただきたいです」と、同社はルールに対するスタンスを語っている。

今回、改めて世界的な人気を集めていることが分かったUNO。せっかくのこの機会に、ぜひ一度公式ルールでプレイしてほしい。慣れ親しんだUNOの違った一面が楽しめるかもしれない。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)

「ドローにドローを重ねる」、実はローカルルール