G大阪戦で豊田がゴールを決めて今季2勝目に貢献、ライバルチームの鄭大世も反応

 開幕9試合を終えて最下位に沈んでいたサガン鳥栖は、11日のJ1リーグ第11節ガンバ大阪戦で3-1と勝利し、金明輝監督体制で初白星を挙げた。この試合で鳥栖の元日本代表FW豊田陽平がJ1で623日ぶりとなるゴールを叩き込み、ライバルチームの清水エスパルスFW鄭大世が「涙出る」と感激している。

 ここまで1勝1分7敗、わずか1得点と苦戦していた鳥栖。4日の第10節大分トリニータ戦(0-2)でルイス・カレーラス・フェレール監督が不在となり、翌日にスペイン指揮官の退任が発表された一方、7日に金コーチの監督就任が発表された。

 試合は前半16分、MF原川力のCKから元バルセロナのFWイサッククエンカがヘディングシュートを流し込み、チームのリーグ戦約2カ月ぶりとなるゴールで鳥栖が先制。さらに後半26分、クエンカがエリア内に侵入してクロスを上げると、G大阪DF菅沼駿哉の手に当たるハンドでPKを獲得。このキッカーを務めたのが豊田だった。

 今季2試合目の先発を飾った豊田は相手GK東口順昭と対面。ゆっくりとした助走から右足を振り抜き、低弾道の鋭いシュートをゴール左へ突き刺した。その直後にお馴染みの飛行機パフォーマンスを披露した。

 その後両軍が1点ずつ挙げたなか、鳥栖が3-1と勝利。苦しみながらも今季2勝目を挙げた。試合後に清水の元北朝鮮代表FW鄭大世が公式ツイッターを更新。「豊田陽平のゴール涙出る」と綴り、「俺なんか比べ物にならんぐらい長い間苦しんどったけど諦めんけりゃその時は来るんだね。みんなそれぞれのドラマの中で生きとるね」と心を打たれたようだ。

前回J1でゴールを決めた相手もG大阪、同じ得点パターンに「デジャブ

 データ会社「OPTA」公式ツイッターは「豊田陽平がJ1で得点を決めたのは623日ぶり(2017年8月26日)。この時の対戦相手及び得点パターンも、今節同様ガンバ大阪戦でPKからの得点。デジャブ」と伝えている。

 名古屋グランパスJリーグデビューを飾った豊田は、モンテディオ山形京都サンガF.C.を経て、2010年に鳥栖へ移籍。以降はエースとして君臨し、2011年にはJ1昇格に貢献。以降も5シーズン連続で二桁ゴールをマークするなど存在感を示した。2018年に韓国の蔚山現代へ期限付き移籍するも、同年6月に鳥栖へ復帰。しかし思うように結果を残せず、ルーキーイヤー以来となるノーゴールに終わっていた。

 G大阪戦で623日ぶりにJ1でゴールを決めた豊田。紆余曲折を経ながら再び輝きを放つ男の姿に多くの人が感銘を受けたに違いない。(Football ZONE web編集部)

サガン鳥栖FW豊田は、J1で623日ぶりとなるゴールを決めた【写真:Getty Images】