経営再建中の千代田化工建設は5月9日、2019年3月期の決算発表を行った。連結売上高は前期比33.1%減の3419億円、営業損失は1997億円に拡大し、当期純損失額も前期の64億円の黒字から2149億円の巨額赤字に転落。この結果、同期末時点で591億円の債務超過に転落した。こうした厳しい決算状況を受け、筆頭株主の三菱商事および三菱UFJ銀行による合計1800億円にのぼる金融支援を柱とする財務強化策の実施も、同日明らかにした。

 会社側は「受注実績は計画通り、受注環境も良好」としているが、再生計画の進捗および当社グループの今後の業績次第では、多数の取引先への影響も懸念される。

 帝国データバンクは、企業概要データベースCOSMOS2」(147万社収録)の中から、千代田化工建設をはじめ、国内主要連結子会社等8社と直接取引がある取引先を抽出し、社数合計、都道府県別、業種別、年商規模別に調査・分析した。


《 調査結果のポイント 》

1. 千代田化工建設グループ国内主要企業と取引のある国内企業(個人経営、各種法人等含む)は全国全業種合計で794社にのぼることが判明。千代田化工建設グループの仕入先・下請先が689社、同グループの販売先が123社を数えた 2. 都道府県別に見ると、「東京都」が354社(構成比44.6%)でトップ。以下、2位は「神奈川県」(101社、同12.7%)、3位は「大阪府」(69社、同8.7%)が続いた

3. 業種別に見ると、仕入先・下請先では「機械器具設置工事業」が42社(構成比6.1%)でトップ。販売先では、「医薬品製剤製造」が13社(構成比10.6%)で最も多い

4. 年商規模別に見ると、仕入先・下請先企業全体の50.2%、346社が年商10億円未満の中小企業。対して、販売先企業全体の69.1%、85社が年商100億円以上の大企業

5. 今後は、5月9日の決算発表とともに公表された再生計画の着実な履行が求められるだろう。会社側が「良好」としている受注環境の中で、筆頭株主の三菱商事および三菱UFJ銀行の支援も生かし、リスク管理体制の立て直しと信頼回復が急務だ。現時点で具体的な影響が顕在化しているわけではないが、再生計画の進捗および当社グループの今後の業績次第では、多数の取引先、とくに年商10億円に満たない中小企業が半数を占める仕入先・下請先企業への影響が懸念される

配信元企業:株式会社帝国データバンク

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ