セクハラ被害にあった場合、どのような対応ができるのか。会社組織であれば懲戒処分を求めることも選択肢だが、内容によっては刑事告訴をすることも可能だ。

最近では、イランの日本大使館に勤務していた女性職員が、上司だった元大使からセクハラ行為を受けたとして、強制わいせつ容疑で刑事告訴している。この事件を報じた「週刊文春」(5月2・9日号)の報道によれば、女性はキスや体を触られるなどの被害を受けたという。一方、TBSなどの報道によると、元大使は「頬にキスしたが、胸や足は触っていない」と主張しているという。

体を触るようなセクハラ被害ではどのような場合、刑事告訴が可能なのか。近藤公人弁護士に聞いた。

強制わいせつ罪、迷惑防止条例違反に該当する可能性

ーー体を触るようなセクハラ被害では、どのような容疑での刑事告訴があり得るのでしょうか

セクハラのうち、女性の意に反して、女性の体に触る行為は、刑事事件の対象となります。たとえば、強制わいせつ罪、迷惑防止条例違反に該当する可能性があります。

刑事事件は、一般に民事事件より、厳格な証明が必要と言われています。しかし、相手方が否認していない限り、現行犯では物的証拠はなくても、被害者等の供述だけで立件するのが実情です。

他方で、痴漢など現行犯以外を刑事告訴する場合、警察は被害者に対し、一定の証拠を求めることになります」

ーー刑事告訴を受理すると、警察に捜査の義務が生まれるため、必ずしも受理されるとは限らないかと思います。どのような証拠が有効になるのでしょうか

「一番の証拠は、加害者がセクハラ行為をしているときの録画や録音です。防犯ビデオに映っていれば、これも証拠になります。音声でも、加害者の行為がわかるような音声であれば証拠となるときがあります。   その後のやりとりで、加害者がセクハラ行為を認めたのであれば、その会話の録音も証拠となります。その際には、事実関係と行為の日時、場所を特定しておいた方がよいでしょう。

また目撃者がいる場合には、目撃者の証言を文章化した書類も、証拠となります」

弁護士ドットコムニュース

【取材協力弁護士
近藤 公人(こんどう・きみひと)弁護士
モットーは「依頼者の立場と利益を第一に」。滋賀県内では大きな法律事務所に所属し、中小企業の法務や、労働事件、家事事件など、多種多様な事件をこなしている。
事務所名:滋賀第一法律事務所
事務所URLhttp://www.shigadaiichi.com/

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