初夏の陽気となった5月4日天皇陛下の即位をお祝いする一般参賀が行われた。天皇皇后両陛下のお姿を拝見して、雅子さまが鶸(ひわ)色のドレスをお召しになっていたことに目を奪われた。

太陽のような明るい印象

 少し黄緑色がかったこの色はトレンドでもあり、光の加減ではカナリアイエローにも見える。1993年1月の婚約内定記者会見や、ご結婚後はじめて臨まれた1993年12月の一般参賀でのお召し物を思い起こした。何か「新しいこと」を前にされた時、雅子さまがお選びになる色なのかもしれない。見る人に、太陽のような明るい印象を与えるお召し物だったのではないだろうか。

 両陛下をはじめ、皇族方が揃って並ばれているご様子は、色どりが美しく、きれいな花々が咲きほこっているような春らしさを感じさせた。賑やかで、心わきたつ雰囲気を演出されていたと思う。女性皇族は全員お帽子をお召しになっていて、より一層華やかさを感じた。

 令和で最初となる一般参賀は午前10時から始まり、天皇陛下と皇族方は皇居・宮殿「長和殿」のベランダに計6回立たれた。来場者は計14万人以上に上ったという。

まるで夏フェス 本当に暑かった一般参賀

 天皇陛下は、5回目と6回目のお言葉に「暑い中、来ていただいたことに感謝いたします」と付け加えられ、労いのお気持ちを伝えられた。私は最後の2回に足を運んだのだが、本当に暑い一日だった。この日、東京都心の気温は24.8度まで上昇し、脱水症状などで120人以上の参賀者が手当てを受けたという。頭や首にタオルをかけている人も多かった。雅子さまの表情にも、少しだけお疲れの様子が見て取れた。

 今年の1月2日に行われた平成最後の新年一般参賀と比べて、参賀に訪れる人々の年齢層がずいぶん若くなったのでは、という印象を受けた。

 そして、まず両陛下がベランダへ出てこられると、スマホを掲げてお姿を撮影しようとする人が目立ったように思う。参賀者の中には、部活帰りを思わせるようなセーラー服姿の女子生徒数名や、黒地にピンク色で「佳子さま」と書かれたうちわを掲げている男性の姿もあった。指笛を吹いた人もいて、夏フェスのような雰囲気と錯覚してしまう瞬間もあった。

 雷が鳴り、次第に天候が崩れそうな雲行きとなって、最終の6回目は10分前倒しの14時50分から始まった。この時は、両陛下と秋篠宮ご夫妻、眞子さま、佳子さまがお出ましになった。はっと気がついたのは、紀子さまが他の方よりも一歩前に立たれているように見えたことだ。そのために紀子さまがお召しになっていた、光沢感のある淡いイエローがかったアイボリーのドレスが一層目立っているように感じられた。眞子さまはベージュ、佳子さまはピンクという若々しい色を選ばれていてとても素敵だったと思う。

子さまのこだわり お帽子の「ドレープ」

 雅子さまは皇后陛下となられてから、御料車から手を振られる時、以前よりも少し手をお顔に近づけて、より高い位置で振られているようだ。5月1日午後、両陛下は上皇ご夫妻にあいさつをされるため、半蔵門を通過された。雅子さまは午前中、歴代皇后に受け継がれているティアラと共にお召しになっていたローブ・デコルテから、あたたかみのあるアイボリーのドレス着替えられていた。柔らかさと気品のあるお召し物だった。

 この時のお帽子はドレスと同系色のもので、サイドに入っている軽やかなドレープがアクセントになっている。雅子さまが一般参賀の時にお召しになっていたお帽子にはバイアスストライプの模様が入っていたことや、2015年秋の園遊会でお召しになったワインレッドのお帽子には、やはりドレープのようなデザインが施されていたことを思い出す。雅子さまのこだわりの一つなのかもしれない。

 5月22日は、日本赤十字社の全国大会が予定されている。ちょうど1年前、2018年5月16日に雅子さまが15年ぶりに出席された大会では、美智子さまのスーツの凛とした白さが際立った「オセロファッションが印象的だった。

 美智子さまにとっては名誉総裁として最後の大会で、壇上の中央で雅子さまの手をとられ、出席者に「次期名誉総裁は雅子さま」であることをアピールされた。直々のご紹介に、雅子さまは驚かれながら感激された表情を浮かべられていた。日本赤十字社の名誉総裁は、新皇后となられた雅子さまが引き継がれることになる。当日は雅子さまや、女性皇族方がどのようなお召し物でお出ましになるのか、今から注目している。

(佐藤 あさ子)

天皇皇后両陛下 ©文藝春秋