いま巷を賑わせている、YouTuber・ゆたぼんをご存知でしょうか。


 彼は、小学3年生から不登校になった沖縄県在住の10歳の男の子で、“少年革命家 ゆたぼん”と名乗り、「不登校は不幸じゃない」などのメッセージYouTubeなどで発信しています。



(画像:You Tube「少年革命家ゆたぼんチャンネル」より)



◆ゆたぼんとその父にネットが大騒ぎ
 再生回数100万回を超える動画もある「ゆたぼん」ですが、今回賛否両論が巻き起こったきっかけは、「琉球新報」で紹介記事が掲載されたことです。


 記事によると、不登校にいたった経緯については、<宿題を拒否したところ、放課後や休み時間にさせられ不満を抱いた。担任の言うことを聞く同級生ロボットに見え「俺までロボットになってしまう」と、学校に通わないことを決意した。現在も「学校は行きたい時に行く」というスタイルを貫いている>(5月5日琉球新報」より)とのことです。
 これに対し、ネットでは、「いじめでもないのに、こんな理由で不登校?」「自分が行かないのはいいけど、学校に行っている子たちを批判する必要あった?」など疑問の声があがりました。


 加えて、ゆたぼんの父親である中村幸也さんへの批判の声も多く、ゆたぼんと有料の親子講演会を開くなどしていることを受けて、「ゆたぼんは父親のロボットにされている」「親が子供を広告塔にしているのでは?」といった批判がネットでは多く見受けられます。


 一方で擁護する意見として、「いじめなどわかりやすい理由がなくても、学校に行くのがつらい子は休んでいい」「10歳で実名顔出しで意見を言うゆたぼん君に、匿名で石を投げる大人たちのレベルの低さ」といったものもあり、賛否両論が噴出しているのです。


◆注目を浴びた、ゆたぼんパパの経歴
 その中で、父・中村幸也さんの経歴にも注目が集まることになりました。


 中村幸也さんは『あきらめる勇気』(ハート出版)という著書を出しており、出版社のサイトによれば、「中卒。元暴走族。現在は心理カウンセラー、あきらめる生き方の専門家、禁煙カウンセラー」というプロフィール


 さらに、経歴として「暴走族の副総長となる。恐喝、窃盗、傷害、暴走、喧嘩、シンナー、麻薬、覚醒剤・・・etc」。その後、「生まれて初めてただガムシャラに働き、独学で勉強して高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格」「2010年、本格的に心理学とカウンセリングを学び心理カウンセラーとなる」と記載されています(といっても、日本臨床心理士資格認定協会の「臨床心理士」ではないようです)。


 中村さんのオフィシャルブログ「自由に生きるのに遠慮はいらない!」を読むと自己啓発系の“名言”が溢れ、著書がスピリチュアル系のハート出版から出ているのもうなづけます。


◆「応援します」など著名人から肯定的なコメントも…
 著名人の中には、ゆたぼんさんの活動についてコメントをしている人も見られます。まずは肯定的な発言を紹介していきましょう。


茂木健一郎



茂木健一郎「結果を出せる人の脳の習慣」(廣済堂新書)



 脳科学者の茂木健一郎さんは、自身のTwitterに「学校に行かなくても、学ぶことは無限にできる。社会性も、学校で身につく社会性がすべてじゃない」とコメント。続けて、「応援します」と綴りました。


 加えて後日の5月6日、自身のブログに「どのような学びをされるのか、ご自身の選択もあるだろうし、保護者の方の支援もあるだろう。今後、また学校に行きたいと思うかもしれないし、いろいろ模索しているのだと思う。そのような試み、取り組みのすべてを、ぼくは応援したいと思う」などと、改めて肯定的な姿勢を示しました。
 茂木さんは実際にゆたぼんと会ったようで、5月7日に公開されたゆたぼんのYouTube動画には、茂木さんとの会話の様子がおさめられています。


ダルビッシュ有



ダルビッシュ有 “軌跡” ~Keep the faith~」東宝



 現在アメリカの「シカゴ・カブス」で活躍するダルビッシュ有選手も、自身のTwitterで、ゆたぼんさんのニュースを引用し「自分の好きなように生きればいいよね」とコメント。また、「アメリカではホームスクーリングは珍しくもないし、そこから優秀な人材も沢山出ているので」とツイートしていました。


堀江貴文



堀江貴文「情報だけ武器にしろ。」 (ポプラ新書)



 ゆたぼんというより、学校教育について意見を述べたのが“ホリエモン”こと堀江貴文さん。自分自身について、スマホネットもない時代の小学生だったから通っていたが、今だったら小学校に通わないという趣旨のツイートを投稿しました。


 その後も、「勉強嫌いならしなくていい」「かけ算は計算機があるんだからできるようになる必要がない」など、自身の考えを積極的に述べているようです。


◆「だしにして稼ぐ大人が背後に」否定的な意見も
 一方で、否定的な意見は著名人からも出ています。


●高須克弥院長



高須克弥院長



 一方、高須クリニックの高須克弥院長は、「試験もなんにもないお化けの世界で遊んでいると常識知らずになります。学校に行く発展途上国の子供に馬鹿にされます。成人したら困窮します」と自身のTwitterに投稿。


 加えて、「この子をだしにして稼ぐ大人が背後にいるような気がします。だとしたらYouTubeも被害者ではないかな?(原文ママ)」とツイートしました。


●藤吉修崇弁護士


 ユーチューバー弁護士の藤吉修崇さんは、自身のYouTube動画で、憲法や学校教育法16条「保護者は子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う」ことなどを説明し、「親として法律に違反している」と述べた上で、過去の逮捕例なども挙げて「ゆたぼんの親も逮捕される可能性がある」「弁護士として危機感を覚える」と話しました。


――今回のゆたぼんをめぐる騒動。もしも自分たちの子どもが、なにかしらの理由で「学校に通いたくない」と言い出した時に、どうするのかを考えるきっかけになった人もいるのではないでしょうか。


 いろいろな大人の意見や思惑はともかく、ひとりの10歳の少年が健やかな子供時代を過ごし、未来の選択肢が限定されないことを願ってやみません。
 あなたは、賛否両論のうち、どちらに共感しますか?


<文/A4studio



画像はイメージです(麦わら帽子が、ゆたぼんのトレードマーク)