週刊文春」創刊60周年記念大放出!
週刊文春デジタルが報じた有料会員限定のオリジナル記事を蔵出しで特別公開します。(公開日:2019年3月2日

 幻冬舎の見城徹社長(68)が、5月16日ツイッターで作家・津原泰水氏(54)の書籍実売数を明かしたことに対し、非難の声が殺到。翌日、ツイートは削除されたが波紋が広がっている。

 今年2月にも見城社長のツイッターでの発言が話題となった。事業パートナーであるNewsPicksに対し自らのツイッターで不満をぶちまけ様々な意見が噴出。「週刊文春デジタル」は幻冬舎のキーマン・箕輪厚介氏(33)を直撃取材。NewsPicks幹部が幻冬舎を訪れ見城氏に詫びを入れた模様や、関係がこじれた経緯、見城社長の人柄や幻冬舎という会社の体質など、赤裸々に語られたインタビューを全文公開する(前後編の前編)。

◆ ◆ ◆

「心配かけていることをまず申し訳ないなと」

――まずなにがあったのか、見城さんがツイッターですごく怒っていると思うんですけど。

「まず騒ぎになっていること自体、『NewsPicksBook』で騒ぎになっていること自体申し訳ないなというのがすごいあって。一応『NewsPicksBook』の編集長なんで。だけど騒ぎの時に、なにもちゃんとした核心めいたことをツイートすることもなくやってたので、せっかくの機会ならと思って来させて頂いて」

――ありがとうございます

「なんで読者の皆さんと書店の皆さんと、あと関わっている人たちが相当いるんですけどその人たちもわかっていない状況でここまできて。心配を掛けている、こんな反響になるとも思ってなかったんですけど、心配かけていることをまず申し訳ないなと思ってます。なにがあったかというと『NewsPicksBook』って、そもそもどういうものかって話していいですか?」

――はい、もちろん。

「多分わかんない人も。ツイッターを見ていると、そもそもどういう立ち位置かってわからない人結構いるなって思ったので。まず『NewsPicksBook』っていうのは幻冬舎NewsPicksが組んで立ち上げたビジネスレーベルで、僕が編集長をやっているんですけど、単なるビジネスレーベルではなくて『NewsPicksアカデミア』という5千円の会費の月額サービスの、学びのプラットフォームがあって、そこは動画とかイベントとかいろんなジャンルコンテンツがあって、その中の毎月1冊が(会員に)自動的に届くという本を、幻冬舎として作っていたと。次の4月で2年になるのかな」

――メガヒットを毎回。

「そうです。一般にも販売していて1年間で累計100万部突破したり、堀江(貴文)さんとか前田裕二とか話題の人が書いてくれるので、売り上げもそうですけど、売り上げ以上に話題になっていた本です。その本を2年間かけて、幻冬舎としては、相当に力を入れて売ってきた、ブランディングしてきたという自負があると。僕が目立っていますけど、当たり前ですけど、後ろに営業とか制作とか膨大な数の人がいて。普通の本とは違って、僕がトリッキーなことするし、毎月1冊出さなきゃいけないという制約もあるし、かなり無理をしてもらってどうにか安定的に供給できていた。なおかつ、幻冬舎としても『NewsPicksアカデミア』の、配分は言えないですけど、でも、配分とか関係なしに『NewsPicksアカデミア』とか『NewsPicksBook』というブランドを作るために、命懸けで利害損得抜きにして、新聞広告をうったりだとかなんだとか、とにかくNewsPicksとタッグを組むんだというつもりで物凄いやってきたという自負がある。2年間という結果も出て、これからだと、さらに強くしていくぞと思っていたところに、言い方が難しいんですけど、端的に言うと『NewsPicksBook』として新しい編集長を据えて、新しい体制でやりたいという話があって。それがNewsPicksがまだこれからの話なので確定じゃないですけど、どこか他の幻冬舎以外のダイヤモンド社と組むとかでは全くなく、自分たちで流通とか取次とか開拓して、ある種、規模は小さいかもしれないですけど出版社みたいなものとしてやっていきたいと」

「当初から僕は2年が限界だと言っていて」

――独立したいと?

「ただ、そんな物凄い決裂みたいなことではなく、『そうはいっても、“箕輪ファン”、“箕輪本”を待っている人はいるから、年に3冊、4冊は箕輪さんが引き続き出して欲しい』というような話。さらに、『僕とか僕の他の関係者とかも、引き続きアカデミアというものに関わりながら、僕がアカデミアの番組に出たり、ラジオに出たりすることによって本以外のところで収益をもらって、売り上げという意味ではそんなに変わらないようにしたい』みたいな話がきたと。こういうとNewsPicksがすごいドライで不義理をしているように聞こえるかもしれないんですけど、当初から僕は2年が限界だというのは言っていて」

――それは誰に?

「会議でずっと言っていました。最初始まる時から『毎月1冊って無理でしょ』という話をしていて。しかも、プロモーションを鬼のようにやるので自分でワーッて。これは短距離走の走り方でマラソンしているようなもんだから、ゴールが見えないと俺は無理だと言っていて。まあ2年くらいかな、って話はしていて、『NewsPicksアカデミア』の中では『箕輪さんは頑張って2年だろう』というのは共有してたと。ただ、幻冬舎としては僕が編集長じゃなくなろうが、僕と契約しているわけじゃないので、幻冬舎NewsPicksでタッグを組んでいるし、さっき言ったように、僕は目立ってますけど、僕の後ろの膨大な他の社員の人たちの支えがあってこのブランドができているから、『箕輪さんが退くんだったら体制を変えましょう』というのはちょっと話がおかしいんじゃないの、みたいなことですよね、端的にいうと。

 そして都合がいいと。自分たちがやりたいならやりたいでいいけど、箕輪さんもたまに3冊くらいはやってくれっていうのは、あまりにも都合がいいから、要はそんな関係だったら今までみたいに利害損得抜きにしてとにかくブランドを作る、しっかりがっつり組んでやっていくんだということができないから、幻冬舎DNAとして、『それだともう、やってくださいとNewsPicksはNewsPicksで。幻冬舎幻冬舎で新しいレーベルを立ち上げて僕を編集長なりにするとか、決まってないですけど、そういう形でこっちはこっちでやっていくんで』という話を幻冬舎・見城徹(代表取締役社長)が言ったというのが今、という感じですかね」

「いや、もう、(見城徹は)止められない男なので」

――昨日の話し合いでそこまでいったということなんですか。

「最初はその折衷案というか、僕が年4冊くらいやって、他の活動もするから、NewsPicksもある種出版社になるけど、そんなに関わりが決裂するわけではなく、ちょっと提携の仕方が変わる感じでやろうというので進んでいたんですけど、見城にも僕とか僕の一緒にやっている設楽って人間でその案を提案して、『うんわかった』となったんですけど、見城徹ってそういうところを、やっぱり一週間後ぐらいに『おや?』って思う人なので、『やっぱおかしいだろ』という話になって、『やっぱりおかしいと思う。許せない』となって、一応僕とかに『これおかしいと思うんだけど、言っていいか?』と言うから、『見城さんが言うなら』と。そうしたらドドドドドドってツイートがあって、すげえことになっているって思って、NewsPicksも慌ててすごい電話かけてきて『どうなっているんですか?』って。『いや、もう、止められない男なので』という話をして。という感じで、慌てて会おうと言うことになって昨日の13時ですね」

――2月20日くらい、1週間前くらいには、もう見城さんへの報告は済んでいたのですか?

「済んでいたんですけど、見城さんとしては僕とか僕の上の設楽という人間がやっているプロジェクトで、僕らがちょっと間に挟まりながら提案している姿とかを見ているから、自分がワーワーいうのはたぶんこいつらに可哀想だと思ってくれたんだと思うですよ。ちょっと納得はしないけど、お前らがそれでこういうことになったのは仕方ないなとは思ったと思うんですけど、やっぱり『義理人情』『恩返し』の人なので、『そもそも挨拶に来てねえじゃん』みたいな感じになって。でもそれはこっちが『会わなくていいです。僕らが説明するんで』と。多分大変なことになるだろうなと思ってソフトランディングするのがベストだと判断して、僕が(NewsPicks・CCOの)佐々木(紀彦)さんとかに『来なくていいです』と言っていたんですけど。そこで『ちょっと違うだろう』となって、ツイートで思いの丈をバァッと放出したという感じですね」

――確認すると、要は箕輪さんをめぐることで見城さんは怒った?

「いや、そうじゃなくて、要は僕とかっていうことがあっちの提案に入ってくること自体がおかしいと。要は会社対会社の一緒にやろうという事業なんだから、その流通だとか営業だとか、こっちは本当に無理を通して、あとプロモーション、新聞広告とかも膨大なことを箕輪の編集以外の事も散々やってきたのに、もう何となくできる気もするんでこっちでやりますねというのはおかしいだろうと。でも、たまに今まで通り箕輪さんの本も、というのはあまりにも都合が良すぎると。それだったらもう勝手にやってくださいよという話」

幻冬舎って会社じゃなくて『組』なんで。もう『見城組』なんですよ」

――箕輪さんは幻冬舎の社員であり、「NewsPicksBook」の編集長ですよね?

「そうです」

――軸足っていうのは……。

「完全に幻冬舎です」

――幻冬舎の社員としてNewsPicksの方に提携というか……。

「そうです。『NewsPicksBook』っていうのをやるっていう、コラボレーベルなので、『NewsPicksBook』という名前では出てますけど、幻冬舎の社員100%ですね」

――幻冬舎の社員の立場として見城派なのか、NewsPicks派なのか。

「見城派に決まっているじゃないですか(笑)。(見城氏の)ファンですよ。今回、このツイッターとかで見て、面白いのはツイッターは結構、『NewsPicksがおかしい』と、『仁義通せ』と。『人間関係わかっているのか』となっていて。NewsPicksの方だと『いや、ビジネスでしょ』みたいな。『お互いが折り合わなかったら契約内容が変わるのは当たり前だし、それが無理だったら契約書に書いとけ』とか、いろんな意見があって。“世代間闘争”みたいになっていて、面白いなとは思うんですけど。ハッキリ言って、幻冬舎って会社じゃなくて『組』なんで。もう『見城組』なんですよ。『幻冬舎の舎は舎弟の舎』ってよく言うんですけど、もう組なのでビジネスの契約とかじゃなくて、『人間としてのスジ』っていう話なんですよ」

――日本人はすごく好きなところではあると思うんですよね、仁義とかそういうところは。

「そうです。それも極端にそうなんですね、盃を交わしたんだから、みたいな人。そういう風にして見城徹はそれが今の時代に共感する人が、もし若い人がわかんないとかいうのとか関係なく、それでここまできたし、それでしかあり得ないんです。僕も当然そのDNAを継いでいます。一方で、NewsPicksっていうのは物凄い成長スピード、あと悪い意味じゃなくて数字をちゃんと追いかけて、物凄い急スピードでここまでのメディアになっていて。僕もNewsPicksの会議に定期的に参加していますけど、NewsPicksの会議に参加していると、他の会議がスローモーションに見えるくらい、はっきり言って超レベル高い。僕はNewsPicksと組ませてもらったことによって、この2年間でビジネスマンとしては異常に成長して、そこは本当に嘘じゃなく、肩を持つとかフォローするわけじゃなくて、めちゃくちゃ成長したし。NewsPicksの1人1人も本当すごいオールスターメンバーみたいなので、もう本当に尊敬しているし、何よりも佐々木さんの仕事の進め方とか、パフォーマンスは本当に尊敬している。同志というか、本当に僕を引き上げてくれた先輩だと思っている。水と油ですけど、僕はどっちも本当に嘘じゃなく、めちゃくちゃ信用しているし大好きで、そのハイブリッドみたいな感じです」

「ハッキリ言って“水と油”なんですよ」

――ではどうなって欲しいんですか? 結局は2年で難しいだろうという風になったわけですが。

「それでいうと、昨日の話もそうなんですけど、今後の話も別にNewsPicksは幻冬舎と別にやりたいというのはないんです。どちらかといえば組みたい。でも、組むやり方は、根幹の出版という部分、編集とかっていう部分より流通とかの部分を自分たちでやるって言い出すと幻冬舎としても『ようわからんこの提携』となるから困るっていう話で、昨日の時点では『組み方を考えましょう』と。やっぱりもう1回良い組み方をしたいというのは言っていて、そこで一緒にもう1回案を練ろうと。

 ハッキリ言って“水と油”なんですよ。もともと絶対に出会わない2人なわけです。カルチャーやDNAが違うので。ただ、だから面白かったと思うんですよ、このレーベルは。本当に『南極』と『北極』みたいなところで、矛盾したDNAを持っているところを強引に融合させて、ねじ伏せていったから、見たことのないコラボだったし、鮮やかな結果が出たんだと僕は思うので、僕はまだ編集長という立場だし、編集長がたとえ変わってもこの取り組みが続く以上、それなりの役割として残るので、このタッグをもう全くDNAが違うタッグを強引にねじ伏せて、なんとか折り合いをつけながら、もうちょっと良いレーベルに、より高みに持っていければなというのは、個人的には思っていますね」

――NewsPicksが「自分たちでやっていく」という話が最初に出たのはいつ頃?

「最初に出たのは4月で2年なんでその半年前くらい。本当にすぐやろうといってすぐ創刊したので、準備期間は本当半年……」

――NewsPicksが「自分たちでやってこう」と言い出したのは。

NewsPicksがいつから考えていたのかはわからないんですけど、それも1年前くらいかな。いや半年前くらいかな。要はNewsPicksって物凄い早いので、会うたびに状況が激変しているんですよ。ベンチャーとかITってそうだと思うんですけど、もうそこまで進んでるの、みたいな。要はこういう体制にしますって。もうこっちは大丈夫です、採用もしましたのでとか。こっちも後手後手に回るじゃないですけど、もうそこまで進めちゃっているんだ、みたいな部分は確かにあった。こっちも忙しいし。

 だから最初になんとなくの話、流通をこう分けようとか、話し合いをしても、その話し合いを言っている会議で決めるっていうよりも、結構すごいスピードでこういう風にしますっていう。だから成長スピードも速いんですけど。そう決まって、こっちも喧嘩しているわけじゃなく、現場はすごい仲良いんで、じゃあどうやったら折り合いつくか、幻冬舎としても納得がいくかというのを、両者で、別にNewsPicksが強引に提案していたというよりも、両者で半年くらいかな、話し合ってきたという感じですね」

「見城さんって得意なんですよ。話し合いの空気を握って制圧するのが」

――それが見城さんの耳に入ったのは?

「見城さんの耳に入ったのは3カ月前くらいかな。3カ月前って12月ですよね? 年明けすぐくらいだと思います。そこから結構何回かまた変わって、最終的に年4冊くらい僕が本を出して、それ以外はあっちで作って。『NewsPicksBook』ってレーベル幻冬舎からも出るし、NewsPicksが作る新しい出版社からも出ると。でも、こっちへのいわゆる収入、収益みたいなのは変わらないように、会員数も伸びていくんで、変わらないように、他のジャンルでももうちょっと関わり合いを増やしてやっていきましょうという。要は、現場は一緒にやりたいというのもあるし、本当に友達なのでなんかこう折り合いをつけながら、という感じではあったけど、やっぱりでも、それは見城さんがやっぱすごいなっていうか正しいなって思うのは、そうは言ってもズルズルといっている感じはあるので、『それはおかしいだろう』って言うボスがいるっていうのも納得っていうか」

――昨日は(NewsPicksが)謝りに行ったという感じですか。話し合いに行ったという感じですか?

「いやもう謝りに(笑)。ホントすごい空気でしたよ」

――箕輪さんもいた?

「僕も当然いました」

――見城さんと箕輪さんと?

「設楽っていうビジネス面を回している人と、あちらは、佐々木さんと下で右腕でやっている野村さんと取締役、親会社のユーザーベースの稲垣さんっていう3人です」

――計6人で。幻冬舎NewsPicksが訪問する感じで。

「そうです」

――(空気は)重々しかった?

「いや、重々しいし、見城さんってすごい得意なんですよ。こんなことを言ったらあれですけど、話し合いの空気を握って制圧するのが(笑)。それが編集より得意なんじゃないかってというくらい得意なんで。もう上手かったですよね。上手かった。もう見事です。アウトレイジを見ているようでした」

――菓子折りか何か持って?

「もちろん、虎屋を(笑)。でも、『NewsPicksBook』ってハッキリ言って、本の内容で売れているというよりも、僕だったり著者だったりのやりとりが透けて見える感じでファンが多かった。今の人にとって超リアルだったんですよ。出版社だから本を出すんじゃなくて、もうゲラの作業から、著者を口説くところから、なんなら喧嘩をしているところまで全部ツイッターとかSNSで晒しながらやっているのが、ある種、“リアリティショー”みたいな感じで今の人にとって超リアルだから、出たときに本で情報を得るというよりも面白いなと思って取ってくれてたので、このやりとりも、ハッキリ言って、すごいいいなと思って。なんかあるじゃないですか、こんなこと。あるんだけど、『社長、書いちゃうのかよ!』みたいな。しかも株価下がるってって思って。すごいこと言うなって思ったけど、そのリアリティーを含めて、みんながまた注目するわけだから、『出版アウトレイジ第2章』みたいな、『親分登場』みたいな感じで楽しんでほしいですね」

――株価が下がっているということで損している人がいるわけですよね。それを楽しんでくださいって。

「そうですね(笑)、それは本当に反省していましたよ。反省していたというか、『そんなつもりはなかった』と(見城氏は)言っていました」

「僕の落ち度として『チーム化』できなかった」

――それはそうとしても、箕輪さんありきのモデルだということはないんですか。

「それは結果的にそうなりましたよね、今。それはやっぱりツイッターの反応とか見ていても、『箕輪はどっちいくんだ』とか『箕輪はどうすんだ』とか言われていることで、それがある種の、僕が編集長として現場で数字っていう結果を出したり、僕のブランドを高めたということは良かったんですけど、僕の落ち度として、それを『チーム化』できなかった。僕が全部1人でやってしまったということの歪みがここにきてて、じゃあ、僕が死ぬまでやんのかと。やめるならどうすんだというところに来ちゃっているのは、ハッキリ言って僕の弱いところ。自分以外のスターというか、編集者を育てきって、チームとして回せなかったというところの責任というか、そこの問題が今きてて。

 言い訳じゃないですけど、新しいブランドが立ち上がるってときは、チームでやっても絶対無理なので。(週刊文春前編集長の)新谷さんみたいなもんで、ガーッて行くとき、1人の個人の思惑みたいな、極端な正義じゃないですか」

――箕輪さんが今まで接してきた、本にしてきた方などは、皆さん大体ワンマンでやってきた。そこに同じように引っ張られちゃったというか……。

「いや、そうするしか余裕がなかったということですよね。毎月本出すってのは当然ご存じだと思うんですけど、校了と入稿が同時に常にやってくるという状況なので。僕ももういっぱいいっぱいで、一緒にやって学んでもらうというのは出来ても、教えようなんていう余裕もなく、ただただ、どうにか遅れないように、どうにか売れるように、2年間、駆け抜けてきたってだけですね」

――次に編集長をやられる方は。

「可哀想っすよこれ。俺、絶対やりたくないですもん(笑)

――新しい編集長は?

「名前は言えないですけど、いて、すごい優秀で。僕としては、僕ができることは、やっぱり僕の影響力だとか僕のファンだとかを作っちゃったので、これを本当に綺麗に引き継ぐと。対談でもして、『こいつには負けた』みたいなことを言って、いい形でバトンタッチしつつ、逆に変に顔を出さないでいければと。あとは別に売れなくても、その編集長のカラーが出ればいいと思っていて、僕は僕のカラーでやったんで、次の人は次の人のカラーで淡々とやれればとは思っています」

――その方はもう(編集長に)なられている?

「いや、なってなくて。これは現実的な問題でハッキリ言って難しんですよ。いきなり春くらいに来て、毎月1冊出せというのは無理で。しかもこれから倉庫だとか取次だとか印刷所とかも、全部その人がやるみたいな図式になってそれはさすがに無理だろと。『俺、秋くらいまでだったら頑張るよ』って言ってあげたりしてました。ただ、『そんなにお前がいい人になる必要はねえ』って見城さんに言われて(笑)。『あっちがやるっつってんだから、そんなの勝手に困らせればいいんだ』みたいなところもあり(笑)

――ほぼ決まっているということですよね?

「いや、そこは面白いところでNewsPicksのスピード感って決まってないんですよ、本当に何も。でも、『説明しなきゃきけないタイミングだ』とかで来て、とんでもない角度で成長するんですけど、まだほぼ何も決まっていない状態です。

 だから、僕が本来は編集長を引き継いだら消えなきゃいけないのに、多分ずっとグダグダとやっている期間は用意されていますね。じゃないと成立しないので。僕はまあ、いいよっていう感じだったんですけどね」

後編につづく

(「週刊文春デジタルオリジナル記事)

(「週刊文春」編集部/週刊文春

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