新年度が明け、一カ月余りが経った。転職や異動により、新しい職場で奮闘している読者はいるだろうか。自分に合った環境ならよいが、どうしても馴染むことができず、苦労しているという話も……。「教えて!goo」にも、「職場の雰囲気というか、人間関係でとまどっています」といった投稿が寄せられている。行きづまって何とか乗り越えようとして、空回りすることもあるのではないか。そこで今回は、ビジネス情報の発信サイト「エルラボ」を運営する株式会社エムキュービックプラスの友葭大登さんに、そんな職場での対処法を聞いてみた。

■明るい職場では年下の先輩への態度に注意

一見明るい雰囲気の職場にも、落とし穴があるという。

「テンションが高くノリノリ系の職場の場合、ついつい周囲に合わせてしまったり、早く職場に馴染もうとフランクな会話をしてしまいがちです。周囲に溶け込むこと自体はよいのですが、注意したいのが年下同僚への言葉遣い。雰囲気に甘んじて勘違いしがちですが、年下といえども先輩は先輩。早く仲良くなろうという気持ちが仇となり、関係性を崩してしまうこともあります」(友葭さん)

元から漂うフランクな雰囲気のせいで、つい同僚との距離を見誤ってしまうことも。特に、年下の先輩社員など、微妙な関係性の同僚には注意したい。

「社員同士の仲がよい職場は非常に魅力的ですが、仲がよすぎることで新参者が入りにくいということもあります。このような場合やってしまいがちなのが、早く仲良くなろうと無理に溶け込もうとして雰囲気を壊してしまうことです。まずは挨拶程度から徐々にコミュニケーションをとって、自然に仲良くなるのがよいでしょう」(友葭さん)

人間関係が出来上がった職場に途中から参加する場合も、振る舞いに気を付ける必要がある。急激に距離を詰めようとせず、じっくり交流を深めることが大事とのこと。

■静かな職場で無理に雑談するのはNG?

賑やかな職場と対照的に、静かな人が多い職場もある。

「和気あいあいとした職場が増えている昨今ですが、日本では、静かで厳格な人が多い張り詰めた空気が漂う職場が多く見受けられます。固い雰囲気を何とかしようと、無理にコミュニケーションを取ろうとしてしまいがちです。しかしそのような職場は、なるべくして静かな雰囲気になっていることが多いため、誰かと雑談をして雰囲気をよくしようとしても逆に嫌われるだけでしょう」(友葭さん)

元々が静かな職場の場合、場を和まそうと口数を多くするのは悪手だという。

「会話ではなく、職場に小さくBGMを流したりラジオを流したりするだけでも雰囲気は大きく変わります。そのようなことが可能であれば、提案してみてはいかがでしょうか」(友葭さん)

最近では、音楽が流れている職場も少なくない。ラジオや音楽などで雰囲気が和らぎ、業務にもプラスならば考える余地がありそうだ。

■女性が多い職場で注意したいポイント

男女比率によっても、職場の雰囲気が一変するという。女性社員が多い職場では、どのような傾向があるのか。

「既にいわれていることでもありますが、女性が多い職場では、女性社員同士の派閥争いやお局様などが実在します。また、男性に比べ妬みなども発生しやすく、目立つことがリスクとなるケースもあります」(友葭さん)

同調を好む女性の中で、吐出した言動は禁物。同性ならわきまえている人もいるかもしれないが、それを知らない男性は注意する必要がありそうだ。

「新入社員というだけでも目立ちますので、早く仲良くなろうと周囲にフランクに接するような言動や行動はNGです。女性は特に距離感や関係性が繊細なので、フランクにしすぎず、かといって固くなりすぎず、できるだけ自然体で接しましょう。また、常に謙虚で肯定的であることを意識できると問題なく職場に溶け込めるでしょう」(友葭さん)

ここでも、不自然に親しくなろうとせず、自然な態度を意識することが穏やかな人間関係を築くことに繋がるという。

環境が一変すると、どうしても戸惑いや違和感が生まれる。また、賑やかな職場もあれば静かな職場もあるのだ。焦りのあまり不自然な態度を取ることは避けたい。落ち着いて現状の雰囲気を確認し、自然体で接することが職場に馴染むことの第一歩のようだ。

●専門家プロフィール:友葭 大登
株式会社エムキュービックプラス代表。金融ビジネス情報発信サイト「エルラボ」を運営。日本国内のサラリーマン層に対し、人生が明るく豊かになるような価値観や知識を、金融・起業・経営・人材、各業界に特化した専門家と共に情報発信およびサービスの提供をしている。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

新しい環境で馴染むために、やってしまいがちなミスと対処法を職場別に解説!