台湾・台中市西屯区の幼稚園で、安全ピンで遊んでいた罰として教員が園児の手を安全ピンの針で十数か所刺したことが分かった。台中市教育局の調べによれば、この教員は幼稚園教諭の資格を持っていなかったという。『東森新聞』『自由時報』などが報じた。

事件が起きたのは今月16日。年長クラスに通う女児が自分のハンカチについている安全ピンを触っていたところ、他の園児が「安全ピンで遊んでいる」と教員に言いつけた。すると教員は女児を呼び、安全ピンの針で女児の手のひらを15か所刺したという。帰宅後の女児から話を聞いた母親が「先生に『やめて』と言わなかったの?」と訊ねると、女児は「怖くて何も言えなかった」と答えたそうだ。

その日のうちに母親は幼稚園に行き、この教員に詰め寄ったが、体罰を否定した教員は「女児が自分で遊んで刺した」と話したという。納得できない母親が立法委員に助けを求めるとともに、針で刺された娘の手の動画をFacebookに投稿したことから事件が明るみに出た。

翌17日に台中市教育局が同幼稚園の調査に入った結果、収容児童数超過や保健室の未設置、無資格者の起用、団体保険の非加入などの違反項目が見つかった。これを受けて教育局は、同幼稚園に2万4000元(約8万4000円)の罰金を科した。なお女児の家族が訴えている体罰については、さらに調べを進めるとしている。

体罰を受けたとされる女児の祖母は「こどもの手を針で刺すなんて、先生のやること? これは体罰じゃない、虐待よ」と話している。幼稚園側は園長と問題の教員などが家族に謝罪し、この教員を解雇したと説明したが、家族は「今更謝られても仕方ない」と謝罪を拒絶した。

警察によれば、女児の家族からすでに傷害の被害届が出されており、傷害事件として幼稚園側に事情聴取を行うという。

画像は『自由時報 2019年5月20日付「「痛痛」別針刺女娃小手15下 家長怒告 幼園師下跪道歉」(記者許國楨攝、取自網路)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)

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