今月19日、米ジョージアアトランタの私立モアハウス大学で卒業証書授与式が行われた。米国の卒業式では毎年著名人がスピーチをするが、同大学では今年、ビリオネアの男性から卒業生に思いがけないサプライズがあったようだ。『Atlanta Journal-Constitution』『PEOPLE.com』などが伝えている。

モアハウス大学は男子校として知られ、学生のほとんどがアフリカアメリカ人である。先週日曜日、396人の卒業生を前に誰もが驚くようなスピーチを行ったのは、フィランソロピスト(篤志家)のロバート・F・スミス氏(Robert F. Smith、56)だ。

スミス氏は米経済誌『Forbes』が3月に発表した世界長者番付で355位にランクインしており、純資産額は約5,511億円(50億ドル)にも上る。ソフトウェアテクノロジー企業への積極的な投資で知られる「ビスタ・エクイティ・パートナーズ」の創業者兼CEOであり、今年1月にモアハウス大学に約1億6,500万円(150万ドル)の寄付をすることを表明したばかりだった。

スミス氏はこの日、卒業生に驚きのプレゼントを用意していた。

「私の家族は8代にわたりこの国で暮らしてきました。私は今日、家族の代表として、君たちのバスに燃料を入れようと思うのです。ここにいる学生たちは私の卒業生です。私の家族はあなたたちが抱える学生ローンの全てを支払います。」

突然のスミス氏の申し出に人々は一瞬何が起こったのかわからない様子だったが、すぐに会場は総立ちとなりスミス氏を称える拍手が沸き起こった。卒業生からは「MVPMVP」の掛け声もあがり、会場は興奮の渦に包まれた。

ちなみにモアハウス大学にフルタイムで通った場合の学費は年間約280万円で、90%が何らかのローンを抱えているようだ。『The New York Times』によると、2019年度の卒業生の学生ローン総額は現在計算中とのことだが、推定で約11億円(1000万ドル)以上になるということだ。

そしてSNSには、多くの歓喜の声が寄せられている。

「息子の学生ローンは約770万円(7万ドル)もあったの。母の日が2度やってきたような気分よ。」(卒業生の母であるトンガ・レルフォードさん)
「約990万円(9万ドル)のローンがあるよ。バスドライバーの母と5人のきょうだい全員が今日の卒業式に来てくれたんだ。神の恵みを感じるよ。」(ニューヨークハーレム出身ドーメウスさん)
「これでピーナッツバタージャムサンドイッチで過ごさなくて済むよ。衝撃的だったね。みんな泣いていたよ。あの瞬間、肩の重荷が下りたんだ。」(卒業生/名前は明らかにされず)
「父もモアハウス大学の出身。スミス氏の行いは愛の力に溢れたもの。これは何か素晴らしいことが始まる第一歩だと思うわ。」(バーニス・キングさん/アフリカアメリカ人公民権運動の指導者として活動したマーティン・ルーサーキングジュニア氏の娘)

アメリカの4年制大学の学費は最低でも年間200万円、名門大学では年間600万円にもなり、約4470万人が学生ローンを抱えているという。1人平均約360万円を抱え社会に出ていかねばならない教育システムは、近年大きな社会問題となっている。学生たちにはスミス氏からの粋な計らいを無駄にすることなく、アメリカドリームをつかんで欲しいものだ。

なおモアハウス大学はこの日、これまでのスミス氏の大学への功績を称え、名誉学位を授与している。

画像は『Morehouse College 2019年5月19日Twitter「“My family is going to create a grant to eliminate your student loans!” -Robert F. Smith told the graduating Class of 2019」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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