実は難しくない「マクロビオティック食」

マクロビオティック食、と聞くと玄米菜食で味気ない、調理に手間がかかりそうと考えてしまう人も多いのでは?実際はシンプルな理論に基づき、日本の風土に合った調理をする食事法で、続けると食材そのものの味がわかるようになります。さらに自然治癒力も高めることができる方法です。

マクロビオティックの基本的な考え方を抜粋してご紹介します。

◇旬のものを食べよう

その季節のもので、自然な状態で栽培された国産のものをいただきましょうということ。そうすることで、自然と体がその季節に欲するものをいただけます。

東洋的な考え方では、季節ごとに作用が高まる臓器が決まっています。
例えば春は肝臓。これは、肝臓は春に最も働き、体内の老廃物を吐き出す作用が高まるということ。そこで春には、山菜など体内の排泄を促す食材が多く採れます。旬を食べると、その季節に活発に動く内臓までケアすることにつながるのです。

◇玄米を食べよう

主食を全粒の玄米にすることが、マクロビオティックの第一歩です。これだけをまずは実践してもいいでしょう。

実際に食べてみるとわかりますが、よく噛まないと咀嚼不足でお腹を下してしまうこともあります。よく噛むことをしてみると、玄米そのものの味わいを感じることができ、素材をいただくことの「有り難さ」を実感することにもなるでしょう。

いきなり玄米は…と思う場合は、白米と玄米を1対1で混ぜて炊くことから始めてもいいでしょう。

◇まるごと食べよう

調理をする時に皮をむかず、芯や根、種なども工夫していただきます。過度にゆでこぼしたり、アクを抜いたりせず、素材の持ち味を最大限に生かし、旬や鮮度を大切にします。手間をかけることを惜しまずに調理することが望ましいです。

丸ごと食べるために野菜の切り方にも気をつけます。代表的な切り方例は以下の通り。

ニンジンの斜め千切り
ニンジンを斜めに輪切りにしてから千切りにする。こうすることで1本に外皮と実のすべてが入る。

タマネギの回し切り
タマネギを縦半分に切り、続いて芯の部分を中心にくし形に切る。回しながら切ることになるため、こう呼ばれている。

日本人の食卓にはとてもマッチした考え方のマクロビオティック食事法。自分で取り入れられそうなところから試してみてはいかがでしょう。

ライター:幸雅子
出典:『自然力ケア』/「マクロビオティック食 自然の恵みをまるごといただく食事」
監修:森山幹麗/くつろぎ工房主宰。リマクッキングスクール師範科修了。龍村ヨガ研究所指導者養成講座修了。マクロビオティック歴30年以上、ヨガ歴15年。マクロビオティックの哲学を素に、食養とヨガを両立させたオリジナルのヨガ「マクロビオティック・ヨガ」を提唱する。

旬をまるごと食べる。マクロビオティック食の基本